「探偵はBARにいる3」感想!!!!!!

色んな映画が公開される12月初期、1番楽しみだった
探偵はBARにいる3」観てきました!!!!!!!
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もうね、この映画大好きなんですよ!!
最高のバディものですよ(*´ω`*)!!!


この映画、全体が「盛り上がりすぎない」のが良いんです。
どこかの橋を封鎖しようとしたり、余計な爆破演出なんかを省いて、さらにミステリーとしてもかなり王道。
このチープにも見える映画全体の雰囲気と大泉洋のミスマッチでアンバランスで歪なんだけどびっくりするぐらいピッタリな世界観が面白い!!
誰もが妄想する、夜の街に生きる探偵像をこれでもかと取り込んで、それを大泉洋の中で爆発的な化学反応を起こしている。この映画は大泉洋だからこそ、チープで王道な世界観が貫けた映画シリーズなんです。


何より、大泉洋を中心とした俳優陣のアンサンブルが最高に面白い!!鋼の錬金術師」の時も言いましたが、顔や知名度優先のキャスティングではなく”何をさせたいか”で選ばれたと思われるキャスティングが、この映画は見事にハマっていて俳優たちのやり取りをみているだけで面白い。特に探偵と高田のやり取りはずっと見ていたくなるし、長寿シリーズ化を目標にしている本作の可能性を引き出していると思うんです。

ただ、個人的には2は微妙なんですよね。2はちょっと「盛り上がりすぎ」なんです。スケールが大きくなったことでマシンガンやらが出てきくるんですが、どんどん「この映画じゃなくてもよくね?」と思えてきてしまうんです。
そこから4年。本作(3)は、スケールはかなり小さくなった印象。街のヤクザに利用された人達の抵抗に巻き込まれる探偵。この”街”を中心にしたスケールこそ、このシリーズの面白さなんですよ!!!


そんな「探偵はBARにいる」シリーズの中でも、本作は”シリーズとして”最高傑作だと思う。
映画単体なら1が1番好きだけど、シリーズを経てお約束を構築していくことでお馴染み感が増したのに、スケールを大きくしないことでこのシリーズらしさも失わない。そんなバランスの取れた映画でした!





本編の感想
本作を彩るのは”安定感”でした。
プログラミピクチャーとして始まったこのシリーズも、ついにその領域へ到達したと感じました。探偵のハードボイルドに決めようとしているのにいつもコケてしまうひょうきんさとやるときはやる男らしさ、高田の万能なのにぼーっとしている残念イケメン、探偵を利用しようとする依頼人。この安定感が、見ていて楽しい!!日本でこういうシリーズは、もはやこれだけになってしまった気がします・・・


今作から登場するキャラクターたちも魅力的!
まず諏訪麗子(前田敦子)のバカ(に見える)な女子大生演技が上手い!「闇金ウシジマくん」のときも思いましたが、彼女はバカを演じるのが上手いですよねぇ・・・バカにしているように聞こえるかもですが、バカを演じるのって、頭がいい人じゃないと演じられないと思うんです。

そして北城役のリリーフランキーは、今作のラスボス的存在なのに良い意味で小物っぽい。そうだよ!こういう小物っぽいボスこそ、この映画向きな悪役なんだよ!!

そして岬マリを演じた北川景子。結構あの演技は色々言われているけど、彼女の演技は(ファンの方ごめんなさいね、悪く言っているわけじゃないんです)ドラマっぽい。大仰でセリフも聞きやすすぎる。けどこのチープさは、探偵を操る悪女。でも計画も杜撰なバカ女にも見えるんです。多分意図したものじゃないんだろうけどw
しかもちゃんと決めるところはすっごい上手い演技をしてくれているので、ドラマっぽい演技だけど映画全体を壊さない。だから個人的に彼女の演技は”アリ”です!最後の健気な演技は泣かされたし、何より可愛い!
そりゃ探偵も堕ちるわっていう説得力!!探偵がアルモノを任される展開、そこらの映画じゃ無理矢理な演出すぎて白けちゃうけど、北川景子に後ろから羽交い絞めにされて「遊ぼうよ!」と言われて夜の街を遊びまわって、最後にはベッドインまでいけちゃうんだから誰でも堕ちちゃうよ・・・w(女の人はあの展開、どう見たんだろうw)



そんなキャストたちが織りなすストーリーも、良い!!
このシリーズ、お約束的に話が滅茶苦茶王道なんですよね。実際、中盤から最後の展開が読めちゃう!w
けどその王道が良いんですよ・・・王道で泣かせに来るから、こっちもそれを全に受けて泣いちゃう・・・”王道”がもつパワーを、恥ずかしがることなく最大限放っていると思うんです。

「命を燃やすほど大事なもの」って、他人が見ればバカみたいに小さいものだったりする。でもそれのために命を燃やす姿は、誰が見ても感動的なんです。「ああ、良い映画見たなぁ・・・」と満足感が押し寄せる。これが王道のもつパワーですよ!!
そしてラスト(エンドロール後)。あのラスト、よくあるガッカリエンディングですがこのシリーズならそれも良い意味でのガッカリになっちゃう!(BTTF3のラストみたいな感じですw)笑いながら「涙返せこのやろー!!」と心の中で叫んでましたw





いやしかし、言いたいことがあるのも事実。
まず回想シーン。重要なのはわかるけど、そんな何回も流すなよ・・・同じ回想を3回も見せるのは、本当にセンスがないと思う。
あと、この映画に限った話じゃないけど映画本編中に流れたシーンをそのまま回想するのって、ダサくない?そんなのいちいち見せてくれなくても、こっちが勝手に回想するから邪魔しないでよ!!と思ってしまうのは、私だけでしょうか・・・

あと、これが1番気になったんですが・・・
ラストのアクション・・・なにあれ!!!
「300」的な、スローからの倍速でチャカチャカ見せる戦闘。そういうハリウッド映画の少し前に流行った演出をパクるのは、このシリーズではやってほしくなかったなぁ・・・
あのシーン、いつものようにスローなんて入れずに見せてくれたら高田の活躍どころなのに、スローからの早回しのせいで探偵に高田、2人ともめちゃ強く見えちゃうんですよ。なんでこんな変な演出入れちゃったのよ!!






色々語りましたが、このシリーズ、ものっすごい大好きだし、日本人として絶対見ておくべきプログラムピクチャーになると思うので、今すぐ映画館へ!!!!
ウニいくら丼食べたい…