「スターウォーズ/最後のジェダイ」感想!

予告やポスターなど、できるだけ情報をシャットアウトした状態で観てきました!
スターウォーズ/最後のジェダイ」!!!!!

今回は完全ネタバレ感想です。

イメージ 1







正直、今作はかなり「残念」な映画だったと言わざるを得ない…。
なぜ「残念」なのか。それは、良いところは本当に良いんです。ところどころでは「お!良い!!」と思えただけに、本作全てを否定はしたくないんです・・・けど、やっぱり本作、言いたいことが上がってきちゃう作品なのは間違いない!!

私はエピソード7は楽しめたんです。新世代と旧世代のバトンタッチが、絶妙なバランスで描かれて、しかも新世代のキャラクターたちを魅力的に描き、シリーズとして楽しみになれる1作だと思うんです。
それに、ローグワンもそれまでのスターウォーズとは違った楽しみ方のできる映画だと思うんですよ。
ちなみにスターウォーズシリーズで私の好みなのはエピソード5>4>7>6>3>2>>1という感じ。この順位の時点で「あ、こいつとは話合わねぇ」という人もいるかもしれません…w




そんな私が観に行ったエピソード8の感想!!

まずは良いところから。
先述したように良いところは本当に良いんです。
伏線を立てて、その伏線を回収、この流れを自然にポンポンテンポ良く見せてくれるため2時間45分という長尺を感じさせないほど見ている最中は素直に楽しい!というか、見ていて気持ちいい!!例えばレイの逆手にライトセーバーを持つ棒術的アクションを後半の戦闘でやってくれたり…


そしてシリーズ全体を見据えたテーマを確立できているのも、本作の強みだと思うんです。
たとえば、ルークが抱いた不安。ジェダイが存在するからシスが存在するということは、ジェダイをなくすことこそが、銀河のためなんじゃないだろうか。そしてベンへの狂気…。賛否はあると思いますが、このルークの行動はちゃんと納得もできるし、さらにスターウォーズの設定を逆手に取っていて面白い!!ジェダイという言葉の意味を変えるストーリーも良かった。
それに、ダークサイドやライトサイドという2分ではなく、レイもベンもその中間にいるっていうのは、ちゃんと彼らがキャラクターとして立つのに寄与しているし、面白かった!

あと戦闘シーン。
レイとベンの共闘シーンは爆上がりだし、(というか、このシーンは9でやるべきじゃなかったの!?)何より本作のX-ウィングがカッコよすぎる!!!なんですか、あの冒頭のドリフトからの急発進で敵の後ろを取るシーン!!!最高過ぎる!!!!






ただ、本当に「残念」なんですが、これ以外のノイズが大きすぎるんですよね・・・



何より、長い。
上記の理由からも長くて退屈することはないんですが、「え?このシーンいる?」の連続なんです。

フィンとローズがカジノが盛んな星に行って鍵屋を探す展開。
あれ、絶対いらないって!!!しかも、鍵屋の目印である花のブローチの話が本当に意味が分からない。胡散臭そうな顔した男がブローチを付けていて、その男を鍵屋と思い話を聞こうとすると(自分たちのかなーーり初歩的なミスで)逮捕されてしまい、牢獄で出会った男DJが偶然鍵屋だったため、彼と一緒に脱出・・・

なにこれ…

まず、花のブローチをした男があんなに胡散臭い顔してるなら、声をかけるけど人違い的な要素にして、そのあとでボロボロの服を着たDJに花のブローチが…!「え!?こんな貧乏人みたいなやつが鍵屋なの!?」的な演出じゃないのあれ?花のブローチした男は、あいつはあいつで鍵屋だったの!?そんなに何人もファーストオーダーのシールドを剥がせる奴がいるの!?
それに、無駄にカジノや馬みたいなレースに使われてる生き物、そしておまけ程度に語られるローズの過去。
これ絶対いらないし、こんなシーンを入れてるからあんなに長尺になるんだって。
あと、この作戦のあと、フィンたちはどうやってファーストオーダーの船から反乱軍の船に戻るつもりだったの?そういう理屈もよくわからないし、無鉄砲な作戦だから全く乗れないんだよなぁこのシーン全体に。


言い出したらキリがないですが、あとローズというキャラクター。
これは色々言っている人がいますが、私は顔に関しては何も言いたいことはありません。何より、この異物感のあるキャラクターが最後にはちゃんとスターウォーズの一員になるなら、それこそ燃えるじゃん!と期待していたんですよ。期待していたのに・・・
本作、完全にフィンの使いどころがわかっていないんですよね。だからそのおまけとしてローズを出した感じなんですよ。

そのローズは、ポーに対してなんの恨みも持っていないんです。
ポーの無鉄砲な行動のせいで姉は死んだんですよ!?もしこれが、「それでも姉は反乱軍のために死んだんだ」という精神を持つがゆえにポーを恨んでいないなら、ラストのローズの行動が意味不明なんです。特攻で反乱軍を救おうとするフィンを、(自分が死ぬかも、いやフィンが死ぬかもしれない)体当たりで助けるんです。そしてあろうことか、キスをして気絶する…
おい!!!!冒頭の、姉の決死の覚悟での爆撃を忘れたのかお前は!!
姉は、反乱軍のために命を落としたんだよ。それに関してお前は納得していたからポーと作戦を立案して、ポーに自分の作戦の大事な部分を任したんだよな?なのになんでフィンは助けるんだよ!その背景で反乱軍の籠城する基地の扉がぶっ飛ばされてるのに、キスしてるんだよ!!
それなら、臭いけど「もう大事な人を失いたくない」的なことでも言わせろよ。姉が死んでんだぞ!!!!!!


あと、ホルド中佐の行動も意味が分からない。
作戦として、隊員を助けるために脱出を輸送船に切り替える、というのは百歩譲って理解できるとしても(いや、これもある程度輸送船に武装やらシールドやら、ファーストオーダーに攻撃されない何かがないとガバガバすぎるしリスキーすぎだろ!と思うけども)、それをポーはじめ隊員に黙っている意味が分からない。そのせいで、隊員が勝手にわけのわからない作戦をしでかして、脱出計画も失敗しかけるし映画の尺は長くなるしでなんだよこれ!!

こういう展開を始めとしてこの映画、「次にしたいこと」はわかるんです。例えば、ファーストオーダーが撃ってきたから脱出。
でも「次の次にしたいこと」がわからないんですよね。
ファーストオーダーから逃げた後、どうやって身を隠すの?とか、捨てられた基地に逃げ込んだのは良いけど、そこでまた敵に襲われて逃げるって、どうやって逃げ切るつもりだったの?とか。
この「次の次」を全く予測していない行動が多すぎるため、この映画、反乱軍が全員バカにしか見えない!!!あいつら、本当にファーストオーダーを倒す気あるの?というか、冒頭の爆撃のシーン、爆撃機脆すぎでしょ。どんどん反乱軍がやられていく絵を作りたいとしても、ちゃんと反乱軍なりに戦い方を構築してくれないと、あんな消耗戦、絶対すぐに終わりを迎えるって。反乱軍が、全くちゃんとした軍隊に見えない。

あとフォースの扱い。
これも言っている方が結構いますが、レイとベンが対話したり触ったり、ルークは思念体(?)で登場したり・・・スターウォーズにおけるフォースの”戦闘スキル”としての扱いって、「ウィッチャー」シリーズの”印”みたいな、あくまで戦闘をサポートする役割だったと思うんです。これが、今作では本当にほぼなんでもありの超魔法に変貌していているんです。そのせいで、フォースを使えばなんでも解決するんじゃねぇの?と思ってしまったり。
あと、ルークの思念体といえば、ルークはベンと勝負するが、これは思念体でしたー!・・・っていうのは、ルークが死なないようにするための対策ですよね?なのに、この思念体を作るということで力を使い果たしたルークは亡くなってしまう。
・・・え?
それだったら、ルーク。お前、別に普通に来たら良かったんじゃね?


最後に、これが1番気になったんですが、本作は冒険活劇から戦争映画にシフトしているようにも感じられたんですよね。
エピソード4~6なら、ルーク、レイア、ソロ、チューバッカ、R2-D2C-3POというチームで銀河を冒険する。というのが面白かったし、エピソード7もそれにならってレイ、フィン、BB-8が冒険するから、スターウォーズらしくもあり、顔触れは新しいから”新しいスターウォーズ”が出来ていた。
けど本作では、レイもフィンもBB-8もポーもみんなバラバラに行動するんです。しかも、彼らが主役というよりは、反乱軍全体を主役に置いているので一兵士を結構写したりするんですが、これがかなり戦争映画、というよりローグワンっぽい。ローグワンは、正史の後ろの泥臭い戦争というのがテーマだから”スピンオフとして”良かった。

けどこれを正史でするのは違うって!!
今までと違う解釈をするのは良いけど、正史を大きくそれたことをやってしまうのはダメなんだって。正史では。
それ以外にも、ギャグセンスもかなり正史と違う印象を受けた。今までのシリーズだと、ソロが代表的ですがギャグって”皮肉”だと思うんです。笑わせるというより、ニヤっとさせる。こういう笑いだったのに本作では、普通に面白いことをしてしまう。ポーとハックス将軍の冒頭でのやりとりや、レイの手に草(?)を擦り付けて「フォースを感じるか!」とからかうルークなど・・・こういう「はい、面白いでしょ?」って笑いは、スターウォーズではしてほしくなかった・・・せっかく、本作が今までのシリーズでも結構ダークに振っているのにこのわけのわからない演出のせいで全体が安っぽく感じてしまった・・・。

他にも、ポーグがマスコットキャラでしかないことや、R2-D2C-3POのもうおまけでしかない出演や、キャプテンファズマはもっと顔がしっかり見えてそれがもっと若そうな女性のほうがギャップがあって(変態っぽいけどもw)良かったや、というかキャプテンファズマはもっと活躍させられたんじゃないの?とか、キャプテンファズマが撃たれても銃弾を弾けるのカッコよすぎとか、言いたいことが山積みですが、ここらでやめておきますw
イメージ 2






三部作として、次回作が最後なわけですが、今のままだと次回作も「嫌な予感がする」



次回は2017年下半期映画ランキングです!