「キャプテン・マーベル」感想!!!パワーがインフレしていくのが最高の一作!!しかしMCU的構造の欠陥が露わになった気も…。

キャプテン・マーベル」(2D THX 字幕)

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より強く!!もっと強く!!パワーがインフレしていく最強ヒーロー、遂に登場!!!

「エンドゲーム」は任せろ、彼女が来たんだ!!!

 

本日のお品書き

 

 

半端ないパワー合戦

これまでのMCUヒーローたちの中でも、初期ステータスって意味では一番強いんじゃないでしょうか。体術とか基本スキルも高いし、何より光子ビームは反則級な威力。これまでのMCUは、敵役に同等かそれ以上の力を持つキャラが設定されていましたが、正直今回に関しては彼女と相反してしまえば、もう決着は明らかなんです。

そんな彼女が地球に降り立った序盤はコメディとして面白い!マイティ・ソーのような傍若無人な感じではなく、一応知識人として馴染もうとしてる分、それが逆に不自然なのがいちいち面白い。フューリーが皮肉たっぷりに「あのビデオ屋の天井壊した奴知らない?SFコスプレしてるらしいんだけど。」と聞くと「……あっちに行ったわよ。」と地球人から言わせれば無茶苦茶なすっとぼけをかましたり。

そんな、パワーとユーモアたっぷりな前半で最も輝いていたのはやっぱり、あの電車チェイスシーン。あのシーンは、”誰が敵かわからない”という今作の面白さを上手く利用して、推理しながらアクションを楽しませるっていうよく考えたら結構難しいんじゃない?という芸当をサラっとやってくるんですよねぇ。

 

MCU的面白さ

とは言っても、今作は「アベンジャーズ:IW」から「アベンジャーズ:エンドゲーム」までの繋ぎとして最重要な作品なんです。だから、MCU的面白さは満載でした。

若いコールソン、そしてフューリー!!(顔はCGなのかな?…だとしても凄い技術ですよね…)

今作で、四次元キューブの謎やフューリーの片目の真相、若き日のロナン、そしてアベンジャーズの由来から「アベンジャーズ:エンドゲーム」に続く要素までとにかく詰め込まれてる。いや、そんなのここまで観てきたファンが面白くないわけないじゃん…というような、ちょっと反則気味な面白さが今作には詰まっていました。拾いきれてないMCU的面白さも多分あるだろうなぁ…。

 

 

サスペンスもの

一方で、サスペンスものとしては微妙な印象。記憶を取り戻していくうちに、実は味方と思っていた人が敵だった、なんて設定はもう大体予想がつくし、何といってもその敵役がジュードロウですよ?疑わないわけがない。

それに、ジュードロウも彼女に正体を気づかせたくないなら、名前はもっと工夫しない?だったり、総じてこの映画、意外なことがほとんど起こらない。それは、エンドロール映像にも当てはまって、IWのラストからキャプテンマーベル参戦!って、それは大体予想つくし、それは「アベンジャーズ:EG」で明かせば良いじゃない!!もっと、実はあの後ジュードロウが…みたいな映像を付けてほしかった。これに関しては、後述する要因が大きいと思うんです。

 

 

 

単体として

率直にこの映画、単体としては正直微妙なんですよね…。これ、理由は一目瞭然なんですよ。ここ最近のMCUの構造自体に、映画を面白く出来ない要因がある。これまで、MCUは単体それぞれで世界観を成立させ、それが何作かに1度アッセンブルしてきた。その面白さがウケたからここまで続いてきたけど、これが上手くいった理由は、それぞれの単体作にゴールを設定せず、単体作のゴール地点からアッセンブルするから面白かったんです。単体作が、単体として上手く終わって、それがまさかの大合流。そこに驚きがあったし、ワクワクがあるシリーズだと思うんです。つまり、このシリーズの良い所は、ナンバリングするようなシリーズではなく、単体作が寄せ集まったシリーズである点。

しかし、「アベンジャーズ:IW」以降は明らかにその構造が変わってしまった。そう、ゴールがあらかじめ決まってしまっているんです。だから、今作に限っては何もゴールさせることが出来ないんです。

アベンジャーズやサノスの話は「アベンジャーズ:EG」がゴールだから出来ないし、クリー帝国やロナンに関してもGotGがゴールだから決着をつけるわけにもいかないし。今までのMCUとは違い、明らかに”繋ぎ”としての側面が大きいんです。だから、単体として、もっといえば”キャプテンマーベル”としての魅力が無さすぎる。

この作りって、スターウォーズシリーズのスピンオフの作り方なんですよね。ゴールが決まってて、そこに集約していく。だから本作は、かなり「ハン・ソロ スターウォーズストーリー」に似ている。あの要素とあの要素を散りばめて、あの作品に繋がるようにお話を集約させて…。そんな、縛りたっぷりな映画が飛びぬけた面白さを出せるわけがない。

 

 

 

アベンジャーズ:エンドゲームに向けて

とは言いつつ、次回作「アベンジャーズ:EG」に向けてはしっかり役割を果たしていると思います。「ジャスティスリーグ」のスーパーマンみたいに”もうお前だけでいいじゃん!!”とならない程度のキャラを配置出来たんですから。キャプテンマーベル、多分主役というよりは脇を固めるような役のほうが向いている気がするんです。異星人ものとしては明らかにマイティソーに負けちゃうし、戦士ものとしてはキャップには勝てない。でも、チームに彼女が入ると、突飛な集団に、突飛だけど全体を見渡せるキャラが入るわけでこれは面白くなると思う。

 

 

最後に

あとちょっとだけ言わせてほしい!この映画、フューリーが主人公じゃダメだったんでしょうか…?ダメかな…?

そのほうが、マイティソーと真逆の面白さが出たと思うし、何より覚醒していく彼女をカッコよく観れたと思うんだけどなぁ…………

 

 

 

 

 

あとネコのグースは可愛すぎる!!!