2019年映画ベスト73!!!!!!! ~観た映画は、全てランキングにしないといけない!~
2019年映画ベスト73
2019年もあっという間に12月。この時期と言えば、映画好きが騒ぎ出す時期。そう、誰も彼も映画ベストを語り合う時期ですね。
色んな方が色んな意見をぶつけ合い、それを見て、語って楽しむ映画ベスト企画ですが、そこで僕は考えました。こんな弱小映画ブログで出来ないことをしたい…。
というわけで、今年映画館で鑑賞した長編映画73作品を、”全て”ランキング化しました!!
※物凄い分量になっているため目次、一覧を作りました。
<使い方>
・目次(感情パラメーター)
目次は数作品ごとに区切られています。<>内にある感情が、その作品に対する私の率直な感想であるため、例えば絶賛した作品を見たい場合、または怒っているような作品を見たい場合にはこちらをご利用ください。
・一覧
目次より一覧に飛んでいただくと、73作品を50音順に一覧にして並べております。例えばこの作品は何位なんだ!という時にご利用ください。
では早速行きましょう!
ベスト73
73~61位<怒>
73位
「十二人の死にたい子どもたち」
日本映画のダメな部分が集約したような作品でした。“死にたい”という気持ちを舐めてるとしか思えないストーリーに、実在感がほぼないキャラクターが出てくる始末。
最後の展開は伏線回収ではなくてただのピタゴラスイッチだよ。
72位
「ドラゴンクエスト ユア・ストーリー」
綺麗なCGで彩らせたドラクエ……。ここさえクリア出来ていれば満足だったんです。だけどこの映画は、そのラインさえクリアできていない。ラストの展開で批判が殺到したけど、正直ラストに至るまでも欠点だらけの作品だと思う。
71位
「シード ~生命の糧~」
生命を、植物学を学ぶ者としてこの映画は強く共感したと共に、とてつもない拒絶反応を覚えた作品。植物を愛する者=植物を育てる人と言わんばかりに、研究者=植物をいじめる人という方程式を押し付けてくる。こういう前提を押し付ける映画を、僕は好きになれない。
70位
「フロント・ランナー」
ヒュージャックマン主演かつ政治家の不倫という、絶対に面白くなる材料で失敗したような映画。不倫の正当化という方向を恐れ過ぎて、内容が全く攻められていない安パイを選んでしまっていて、この映画の存在価値自体がよくわからなくなってしまっている、本当に勿体ない作品でした。
69位
「イソップの思うツボ」
上田慎一郎を含めた複数人が監督を務めた作品で、「カメラを止めるな!」に倣ってどんでん返しを主軸としていたことから、どんでん返しになる導入は面白かった。だけど、そこからのどんでん返しにあまりに魅力がないせいで、重要な物語がどんでん返しに押しつぶされてしまったような映画でした。「スペシャルアクターズ」ではこの欠点を上手く直していたので今後の上田慎一郎監督には期待!
68位
「キングダム」
邦画で、アクション漫画の実写化という高いハードルを見事に超えてみせた作品。キャラクターのビジュアルから世界観まで、しっかり作りこむことで生まれる統一感は本当に見事で、これが出来るなら今後の実写邦画も楽しみだ!と佐藤伸介監督にはまた思わされました。でも、終盤の合戦シーンのスケール感や次回に続く前提の話運びは不満。
67位
「新聞記者」
社会風刺を邦画でやること自体なかなか珍しく、そこに関してはとても意義ある作品だと思う。だけど、この物語はあくまでフィクションであり、新聞記者という立場から見た、新聞記者のための作品になっている。なのに物語は、現実を彷彿とさせる。この歪なつくりは、エンタメという概念をも否定していると思う。
66位
「アリータ:バトル・エンジェル」
本作の魅力はアリータちゃんである。それは良くも悪くもで、制作側にとっては百も承知なことだと思うんです。だけどこの映画は、アリータちゃんの魅力以外の部分が多すぎる。そして、そのすべてが蛇足になってしまっている。アリータという魅力的なキャラクターに対して物語や演出がついていけていない。さらに、私が大嫌いな次回に続くエンドという追い打ち。次回作がもしあっても見ないかなぁ…。
65位
「SHADOW/影武者」
最高のビジュアルと、最高のセンスを感じる作品。傘に刃が付いたアンブレラソードという魅力的な武器が大活躍する中盤の合戦シーンは本能的に楽しめちゃう名シーンなんだけど、その後から終盤までの“裏切り祭り”が絶妙に面白くない。というより、どうでもよくなってしまう。ラストバトルでもアンブレラソード使おうよ!
64位
「キャプテンマーベル」
女性の力強さを前面に打ち出した快作。パワーがインフレしていく様は見ていて爽快で、さらにその後に控えた「アベンジャーズ エンドゲーム」をも楽しみにしてくれる。だけど、この映画はMCU的には「アベンジャーズ エンドゲーム」、時代的には「ガーディアンズオブギャラクシー」が今後のゴールに据えられているために、物語が突き付けられておらず、MCU的魅力を欠いた作品だと思う。
63位
「蜘蛛の巣を払う女」
前作「ドラゴンタトゥーの女」が大傑作だったことから、とてつもないハードルが用意されていた作品なんですが、俳優が一新され、ジャンルも変わり、もはや前作とのリンクはほぼない。そっちのジャンルとしては中程度の面白さは保証されているものの、前作からの期待感によってそこも相殺されている、残念な作品でした。
62位
「マイル22」
ガンアクション映画としては秀作で、そこを目当てにいけば絶対に楽しめる。だけど、同監督作「バトルシップ」よりはるかに見せ方の上手さが後退しているのも事実。おまけ程度に加わっている物語も、アクション映画なのにちょっぴりややこしくて、素直にガンアクションを楽しめなくなってきてしまう。
61位
「HELLO WORLD」
京都を舞台に設定して、SFを展開するギャップが面白いアニメ作品。個人的にはこの映画のヌルヌルと動く作画が苦手ですが、ここはハマる人にはしっかり響くと思う。ただ、SF映画のお約束を何個も何個も重ねることで、どんどん1つ1つの面白さが薄まってしまって、鑑賞後しばらくたつとほとんど印象に残らなくなってしまっている。
60~51位<普>
60位
「アメリカンアニマルズ」
期待していたジャンルと違ったことからか、正直あまり印象に残っていない映画作品。メッセージ性強めな映画作品なのに、自分には一切響かなかった…。響く人には大傑作なのかもしれない、逃しちゃった作品でした。
59位
「マスカレード・ホテル」
ホテル×刑事もの。キムタク×長澤まさみ。これ以上でも以下でもない。ホテルモノとして期待する事や刑事ものとして期待する事をやってくれるから、安定的に面白さを提供してくれる作品でした。
58位
「アナと雪の女王2」
1作目を見ないで観てましたが、ちゃんとこのシリーズの魅力に気づけたんじゃないかと思っています。アナとエルサという性質の違うダブルヒロインの魅力と、それを彩る雪の表現は、映画館で味わうべき!印象的な歌がないのは残念でしたが、しっかり面白い作品でした。
57位
「ワイルドスピード スーパーコンボ」
筋肉アクションの最高峰的作品!!!ステイサムも、ロック様も、最高に暴れまわる!!!ワイルドスピード感が薄まっていたり、設定の甘さは気になるけど、何よりあの内容でこの長い上映時間はキツイ…。もっとスマートに走りきってくれたら傑作になりえたのかなぁ。
56位
「アルキメデスの大戦」
菅田将暉が魅力たっぷりに演じる数学者が作り出すカルチャーギャップコメディ戦争映画。日本映画の大作でありながら、大作ならではの面白さを存分に引き出し、かつ大作ならではの弱点を上手く隠した作品。これを機に、日本映画大作が変わっていく…かもしれない。
55位
「シャザム!」
映画作品としては小さな1歩だが、DCFUにとっては大きな1歩…なはずの映画。ユニバース化、もっといえばMCUのように展開するうえで絶対に必要な“軽い作品”をついにDCでも作り出した。後年に語られるほどの傑作ではない道をあえて進むことで、DCFUを傑作ユニバースに推し進めてくれるはず。
54位
「ターミネーター:ニューフェイト」
ターミネーター正当続編!これだけ聞いても全く“遂に!”感がないのもこのシリーズの特徴ですが、本作も言わずもがなこれまで同様無かったことになりそう感ビンビン…。でも、三大怪獣のようなT-800、サラ、ダニーの共闘ごり押しは嫌いになれない!
53位
「X-MEN:ダーク・フェニックス」
ウルヴァリンの不在を乗り越え、チャールズとエリックをはじめとした魅力的なキャラクターがやっと揃った矢先のまさかの解散宣言。そんな本作は、正直同情的な順位変動もあったけど、やっとできた全員が生き生きと戦闘しているアクションシーンだけでも見る価値あり!
52位
「天気の子」
「君の名は。」から引き継いだPOPな曲と、それ以上に向上したアニメ描写。この美麗なアニメ描写ならではの天気表現は、映画館で味わうべき。アニメでしかできない設定に挑戦した本作は、アニメの素晴らしさ、アニメゆえの魅力を教えてくれる。
51位
「劇場版 シティハンター<新宿プライベート・アイズ>」
冴羽 獠、キャッツアイ、もっこり、そしてGetWild。現代にこそ、蘇らせるべきこれらの要素をしっかりと盛り込み、“いつもの”シティハンターを描き切る。リブートやリメイクが流行っている昨今の作品作りに一石を投じる、お約束をこそ守る為に作られた作品。
50~30位<良>
50位
「ドクター・スリープ」
キューブリックの手を離れ、原作者が関わったことでかなり前作とは異なる続編になったものの、それでも前作を楽しんだ人が楽しく観れる娯楽作として生まれ変わった作品。ジャンルが違うのにちゃんと“続編”になっているこのバランスは、まさに正当続編でした。
49位
「名探偵ピカチュウ」
愛あるポケモン映画。こんなものをハリウッドが作ってくれただけでも、ポケモン直撃世代の私は最高の気分になれちゃう。正直、気になる点が多すぎるので手放しには評価できないけど、これほど愛あるポケモン映画を、もっともっと見たいと思える作品でした。
48位
「ホットギミック ガールミーツボーイ」
個人的に最も苦手ジャンルなことから見る気ほとんどなかったけど、まさか恋愛という概念をぶっ壊す恋愛映画だったとは!苦手ジャンルだからといって、挑戦しないより無茶でも飛び込んでみようと思える作品でした。
47位
「ウトヤ島、7月22日」
かなり酷評されているなかで、個人的には肯定的に見れた作品。映画館でこの映画を観たときの“感覚”が忘れられないんですよね。視点の違和感とか、ラストの展開など気になる点はあるけど、この事件を考慮した犯人の描写など事件に誠実に向き合おうとする姿勢が、観客である僕らに事件を“感じさせて”くれる1本になっていると思うんです。
46位
「アス」
笑っていいのか悪いのかなコミカルさと不気味なホラーがマッチしていて、さらに社会風刺を盛り込んだ見事な作品。監督のトラウマから社会風刺に繋げるストーリーの華麗さのおかげで、ホラー苦手なのにぐいぐい見れちゃうのでホラー初心者向けな映画かもしれない。
45位
「エンド・オブ・ステイツ」
ストーリーの粗だったり、G20の描写だったり変な所はあるんだけど、それ以上にシリーズで最も過剰に爆破が強調されたアクションシーンは圧巻!エンドオブシリーズのお約束を逆手に取り、最後にカタルシスを持ってくる構成も見事!まさにシリーズファンに向けた最新作。
44位
「ホテル・ムンバイ」
テロ事件を、観光客、ホテルのゲスト、従業員、さらに犯人の視点を描き出すことでテロ事件の凄惨さをダイレクトに見せてくれる作品。誰かにとっての信念を貫く従業員たちの行動と、それに命を託すゲストの信頼関係が出来上がったときの感動は今も忘れられない。一方で奇跡の脱出劇なんだけどバタバタ人が死んでいく描写には、ドライな恐怖も感じられて、まさにテロを二度と起こさないための映画作品でした。
43位
「オーヴァーロード」
戦争×ゾンビ!!!別次元の“死”を匂わす2つのジャンルを魔改造的に融合させることで起こった化学反応がとっても楽しい作品。潜入もの、戦争モノとしてだけでも面白いのにゾンビものとしてひたすらド直球に構成されているから、異種格闘技みたいなゴチャゴチャ感なのにしっかり統一感もある不思議な映画でした。
42位
「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」
大味だった「アベンジャーズ エンドゲーム」のエピローグとしても、そして高校生スパイダーマンの2作目としても意義ある作品になった本作。アクション面は正直過去のスパイダーマンシリーズのほうが好みだけど、ピーターパーカーのキャラクターの厚みはこのシリーズが随一だと思う。帰ってきてくれてよかった!
41位
「ミスター・ガラス」
デヴィッド、ケヴィン、ミスターガラスの三人によって、スーパーヒーローの存在意義を再定義してみせる。閉鎖空間で行われる実験的な内容にヒヤヒヤしながら、終盤には突き抜けたヒーロー像に唖然とする、まさにシャマラン堪らんな作品。実際の事件と対を成すキャラクターによって、鑑賞後に再びどんでん返しされる多重構造は絶品。
40位
「スターウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」
前作にあたる「最後のジェダイ」が、世界的な批評にあったことも記憶に新しい中、世界中で最も高いハードルを前にバトンを託されたJJエイブラムス。言いたいこともあるけれど、ここまでしっかりと纏め上げ、そしてフィンにこそスポットを当てた3部作として締めてくれたことには感謝しかない。
39位
「ハンターキラー 潜航せよ」
皆さん、映画、特にアクション映画についての“ツボ”はおありでしょうか。人それぞれそのツボは異なるけど、この映画はあらゆるツボを押してくれる。もう、押しまくってくれる。潜水艦、ネイビーシールズ、友情……。1つでもピンときたなら絶対に楽しめる娯楽大作!
38位
「アクアマン」
ジャスティスリーグにて初登場したキャラクターの中でも随一キャラがたっていた、アクアマンの単体作。それまでDCFUといえば“暗い”と言われがちだったのを180度反転させたような、王道アクション映画になり、アクアマン自体も初登場からより濃いキャラに生まれ変わったことで、アメコミ映画でも指折りの傑作になっている。
37位
「運び屋」
人生で何をすべきなのか。そんな無数に答えのあるような問いについて、ゆっくりと丁寧に答えの1つを教えてくれる作品。愛し続けることの難しさや、何かをやり続ける難しさを語りつつ、その先に待つ人生を送る上で重要な”何か“を知ることが出来る、優しくも厳しい人生論映画作品。
36位
「ジョン・ウィック:パラベラム」
柔道的ガンアクションの頂点。ストーリーに関しては1作目が1番好きだけど、ここまでアクションに特化し、華麗でユーモアたっぷりに、そして大胆に作りこまれたアクションシーンはシリーズでも随一。あまりにエレガントなラストバトルは、劇場で笑っちゃいました。
35位
「さらば愛しきアウトロー」
「運び屋」のように、人生論について考えられる映画作品。でも「運び屋」と違い、よりユーモラスに、軽快なノリで語られる彼の人生論についニヤニヤしてしまう。こんな人生の送り方をしたいな、と思えてしまうキャラクター、フォレストはデートでもギャングでも本当に“楽しそう”で羨ましい。
34位
「ファースト・マン」
IMAXで観たからこそこの順位に。ハッチが開き、無音とIMAXカメラが融合する究極の映画体験は、いつまでも忘れられない。細かいところだけど、SFファン大興奮の機械イジイジシーンや警告アラームシーンが詰まった演出も良かった。でももう家のテレビでは観ても満足できないかもしれない…。
33位
「T-34 レジェンド・オブ・ウォー」
大興奮戦車アクション!戦車特有のルールをしっかり守って戦うから、ロジック立てて頭を使いながら観れるのも面白い。金属のきしむ音、耳を劈く砲撃音……戦車好きには堪らん演出の数々に、男同士の友情が燃える。ラブロマンスの適当加減も最高!
32位
「スペシャルアクターズ」
上田慎一郎監督の真骨頂が爆発!探偵×役者モノという奇抜な設定、突飛なキャラクターを上手く使いこなした“楽しい”ストーリーが魅力の作品。テレビドラマ的になりそうなお話を、ラストで一気に映画的面白さにひっくり返す構成の見事さは、さすが上田監督。
31位
「ロケットマン」
エルトンジョンの人生が描かれる本作だけど、この映画はエルトンジョンの楽曲を使うのが物凄く上手い。ストーリーは多分、映画的なアレンジが施されていると思うんですよ。だけど、まるで本当にこういう経緯でこの楽曲が生まれたとしか思えない、ストーリーと楽曲のマッチングは見事。
30~21位<好>
30位
「盲目のメロディ ~インド式殺人狂騒曲~」
盲目という認識の違いから生まれる過剰な“ウソ”。ウソにまみれたブラックジョーク満載のストーリーは怒涛の展開で、そこになんとか付いて行った先に待つ、衝撃のラスト。ストーリーのテンポにはちょっと言いたいこともあるけど、それをも吹き飛ばす展開の妙を味わえる良作。
29位
「アマンダと僕」
私と同年代の男が、8歳の少女を育てることになったら……。と考えただけでも大変だけど、それ以上にその子はしんどいし、傷ついてる。アマンダちゃんの“共感したくなる”演技は圧巻で、なぜ子供を育てることに人生を捧げられるのかを、僕達子供を持たない世代にも伝えてくれる、優しい作品。
28位
「ゾンビランド:ダブルタップ」
豪華俳優陣になった俳優たちと監督、脚本家が寄ってたかって面白いモノを作ることにステータスを全振りしたような、上映時間ずっと楽しい娯楽大作。数多あるゾンビ映画でも、アメリカのお国柄を前面に出しているゾンビ映画は意外となかった新鮮さがありました。
27位
「エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ」
Z世代ならではの苦しみを、テンポよく描き出す青春映画。見た目はポップなんだけど、主人公ケイラの境遇からは胸を締め付けるような、嫌味たっぷりの記憶を呼び覚まされるんですよね。SNSで常に誰とでも繋がれるからこそ、今の時代の学生生活は生きにくいし、誰と仲良くするべきか見分けづらい…。そんな“現代“の青春傑作。
26位
「バンブルビー」
青春×ロボアクションの親和性があまりに高すぎた傑作。トランスフォーマーシリーズの欠点であった見づらさを克服したカッコイイアクションに、同じく欠点だったストーリーの訳が分からない部分を青春ストーリーに落とし込むことで解決。バンブルビーも、由来であるマルハナバチの特徴を上手く引き入れてていてロボ×昆虫のマッチングも見事。
25位
「トイ・ストーリー4」
私にとって、この映画は“おもちゃへの感謝”が詰まった映画シリーズなんです。遊んでくれてありがとう。いつも一緒に居てくれてありがとう。4作目でピクサーはそんなおもちゃであるウッディにフォーカスを当てて、このシリーズを無限に愛されるものにまで昇華した。世論ではかなり賛否分かれたけど、個人的には大好きな1本になりました。
24位
「国家が破産する日」
韓国で実際に起こった経済危機を、群像劇スタイルで描き出す作品。この映画の主役である対策チームのリーダーは創作らしいんですが、このキャラクターが韓国国民の願望のようなキャラクターになっていて、そんな彼女が迎える顛末は圧巻。史実をここまで俯瞰的に、現代に警告するように伝えることが出来る韓国の映画文化には正直、脱帽しました…。
23位
「クリード 炎の宿敵」
これまでのロッキーシリーズは、ロッキー(またはアドニス)の勝負が描かれ、相手は乗り越えるべき存在だった。だけど本作は若きアドニスの成長、ロッキーの苦悩、そしてドラゴ親子の執念という3つの要素から物語が進むため、アドニスにもヴィクター・ドラゴにも、そしてロッキーにもドラゴ父にも勝ってほしいと思ってしまう。そんな状態で迎える最終決戦は、周囲を完全にシャットダウンした彼らだけの世界が繰り広げられる。これまでのロッキーシリーズよりさらに先を行く、怒涛のスポコン傑作。
22位
「スパイダーマン:スパイダーバース」
新感覚のアニメ表現もさることながら、クリストファーミラー&フィルロードのコメディセンスと、スパイダーマン的面白さ満載のアクションのスパイダーセンスが組み合わさる面白さが最高。単純に楽しいのに、そこにはあらゆる挑戦的な姿勢が見受けられる歴史に残る娯楽アニメ傑作だと思う。
21位
「蜜蜂と遠雷」
今年の松岡茉優案件の1つ。彼女の繊細な表情で語る演技を筆頭に、4人のピアニストそれぞれが“天才”に触れていく本作は、優しい「セッション」のような作品。ピアニストを決めてからキャスティングしたらしく、劇中のピアノ演奏は圧巻で、音楽映画として素直に楽しい。逆に小説である原作がこの音楽描写をどのように描いているのかも気になったり。
20~11位<大好>
20位
「僕たちは希望という名の列車に乗った」
18歳の青年たちが、特に意味もなく行ったある行動によって自分たちの人生の選択を求められてしまう実話が元の作品。クラス全員が決断を求められることから、18歳の青年たちがあらゆる方向の選択をしていく様は、若き頃の自分と重ねてみてしまうこと間違いなし。自分の人生について、自分で選択することを求められたのは一体いつからだろう…。
19位
「ガリーボーイ」
貧乏からの成り上がりモノで、ここまで主人公に共感したのは初めてでした。スラムで育った男が、スラムで得た知識を使ってラッパーとして成功していく。この単純なストーリーが、どんどんエモーショナルに大きく感情を動かしていく展開はさすがインド映画。耳に残るサウンドも相まって、忘れがたい傑作。
18位
「ゴーストマスター」
壁ドン映画製作現場が、凄惨な“ゴーストマスター”の世界に堕ちるホラーコメディ映画作品。“映画”とは生き物であると言わんばかりのストーリーに自分の映画愛を確かめられる作品のはずが、突然梯子を外されたような展開に。それでもなお、映画が好きである理由とは。これは、本当の映画愛を映し出す怪作。
17位
「ジョーカー」
人はなぜ堕ちてしまうのかを突き詰めた、アメコミ映画とは思えないほどの傑作。常人を描いたサクセスストーリーのように見える本作は、アメコミの人気キャラクター、ジョーカーだからこそ完結する。
16位
「ハウス・ジャック・ビルト」
人はなぜ残虐なものを求めてしまうのか。ジャックが起こす、最悪最低な残虐行為の数々は、観客を少しずつ確実に魅了していく。否定してもしきれない、絶叫しながら求めてしまう彼の芸術は、現在の映画をはじめとしたエンターテイメントと規制について言及していく。この映画を観てしまえば、観客は自分の残虐性を認めざるをえなくなる…。
15位
「サタンタンゴ」
上映時間438分。正直、ネタとして挑戦した作品でした。飽きちゃうだろうなぁとか、寝ちゃうだろうなぁと事前に考えていたネタ的見方を飛び越えていく。それは映画というモノさえ超えていき、生活するかのようにこの映画を、息を吸うかのように吸い込んでいく。明言しがたい唯一無二の映画体験を味わえる異色作。
14位
「愛がなんだ」
もし100%好きな人が出来てしまったら…というありそうでなかった、過剰恋愛映画。過剰なほど相手を好きすぎるがゆえに相手につくしてしまう人と、相手に“してあげたい“と思わすことが出来る人。この両極端の立場のうち、前者である人は全員観るべき大傑作。あいつは顔が良いからとか、愛想が良いからとか、ヤンキーだからモテるんだなんて言い訳をしてきた人にぶっ刺さる超絶鋭利な恋愛映画!恋愛は甘くなんてないんだ!!
13位
「凪待ち」
香取慎吾がギャンブル依存症の男を演じた作品。一見ミスマッチなこの組み合わせが、香取慎吾であるがゆえに依存症が地獄と化していく展開はさすが白石監督。“優しさ”がここまで人を暴力的にダメにしてしまうのか、と絶望した先に待つ、一筋の希望には涙する事間違いなし。
12位
「アベンジャーズ エンドゲーム」
今では世界で最も売れているシリーズとなっているMCU。その大団円として、本作は満点以上の出来だったと思う。映画史に名を遺すことは当然、この映画を観た時の感動は誰しもが忘れられないものになるはず。映画鑑賞中における興奮の最大瞬間風力は、今年観たどんな映画よりも高かった。10年、そしてオリジナルシックス、ありがとう。
11位
「よこがお」
被害者と加害者。そんな両極端的な2つの立場が、グラつき、崩れていくような作品。罪以上の罰を与えられるような世の中なら、罰以上の罰を与えることも出来てしまう。誰にでも起きてしまうかもしれない、唐突に加害者となった立場から描く、人間の最もグロテスクな部分を抉り出すような展開には、自分を見透かされたような恐怖すら感じる…。
10~1位<2019年ベスト>
10位
「王様になれ」
日本のロックバンドthe pillows30周年記念映画作品。しかしその内容は、the pillowsの伝記映画でもなんでもなく、1人のカメラマンを目指す若者のお話。そんな一見関係ないストーリーが、the pillowsの経歴、そしてthe pillowsのファン(バスターズ)のシンクロしていく。新感覚であり、一方でピロウズ的でもあるストーリーに惹かれていると、最高のタイミングで流れるピロウズの楽曲。これこそまさに、“バンドの実写化”映画だ!
9位
「ひとよ」
今年の松岡茉優案件2本目。大傑作だった「万引き家族」をはじめとした、昨今の家族=血縁ではないという解釈とは違う、血が繋がっているから繋がり合えた家族のお話。仲が良い間柄を家族と捉えがちだけど、家族は喧嘩もするし、絶縁関係にもなるし、侮蔑的に見たりもする。そんな歪な形だからこそ、家族は家族足り得るということを、この映画は教えてくれる。
8位
「隣の影」
アイスランドが送る、冷たく皮肉的なお隣さんコメディ映画作品。一番近くにいる赤の他人こそお隣さんで、普段は笑顔で挨拶するけど1度何か起こってしまえば、常に「これお隣さんのせい…?」と疑心暗鬼になってしまうはず。この映画は、そんな不安定な関係を最大限活かした最高のブラックコメディ作品。最後の一点まで、意地悪な展開に酔い痴れる。
7位
「レゴムービー2」
世界的人気を誇るおもちゃレゴの映画化作品。父と子の次は、兄と妹に。おもちゃという子供時代の誘惑と、背伸びがしたい成長期の葛藤を上手く取り込み、レゴを通して見せてくれる大傑作。兄妹なら絶対に笑って泣いて共感しちゃうこと間違いなし。
6位
「バジュランギおじさんと、小さな迷子」
嘘が付けないバジュランギが国に帰れなくなった迷子と旅するロードムービー。一歩間違えればイラっとしてしまいそうなぐらい嘘をつかないバジュランギが、過剰に振りまく“優しさ”が次第に回収されていく快感。そして終盤にはそんな1人の男の信条が国をも変えていく多幸感。まさにインド映画の真骨頂を味わえる涙腺崩壊映画。
5位
「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」
ゴジラ映画としては、ゴジラの扱い、さらには核の扱いなどかなり言いたいことが出てくる映画ではあったと思う。だけどマイケル・ドハティ監督によるまるでラブレターかのような愛ある演出の数々をこれでもかと見せられて、“日本のゴジラと違う”なんて言えなくなってしまった。まさに“ゴジラ愛”を浴びるように堪能できる、怪獣大傑作!!
4位
「シークレット・スーパースター」
インドの国宝“アーミルカーン”映画。シンデレラストーリーを現代に真っ向からやってのけるインド映画のパワー全開な本作は、やはりアーミルカーンが素晴らしすぎる。理想の父と、現実の父親を比べるような展開には、自分がどんな父親になりたいかさえ考えさせてくれる。母の日に観るべき、最高のお母さん映画。
3位
「ウィーアーリトルゾンビーズ」
両親が亡くなった子供たちによるロードムービー。まずこの映画の抜群の映像センスに私はビタっと脊髄反射的に心を持っていかれてしまった。現代の子供たちに向けた”感情“を議論する青春映画である本作は、他人に感情を強要する”感情ゾンビ“になってしまった私達が、子供たちの無垢な感情表現を前に浄化されていくゾンビ映画でもある。抜群のセンスとメッセージ性が組み合わさった、最高の青春ゾンビ映画!!!
2位
「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」
1969年、ハリウッドで起きたある事件を描くタランティーノ最新作。リックダルトンにクリフのような魅力的な登場人物たちが送る日常が、ハリウッドという言葉の意味を紡ぎ出す。ハリウッドを、そして映画を愛してやまないタランティーノがハリウッドの凄惨な事件に映画でケリをつけ、さらに映画を言い訳にバカなことをしてきた大バカ共にさえ喝を入れて魅せる、まさに映画好きのための映画へのラブコールのような作品。
1位
「宮本から君へ」
漢とは何なのか。孫悟空?ルフィ?ナルト?そんなのは漫画の世界で、現実で漢は暑苦しく、バカをやらかし、人からは呆れられる。でも、そんな漢に憧れていたあの頃の俺が居る。仕事も恋もまだまだこれからだという俺達に、宮本は最高の“あの頃の漢”を魅せてくれる。恥ずかしくっても、バカとわかっていても、全力で自分をぶつける宮本の“カッコよさ”は、どんなに時代が変わっても変わらない普遍的な生き様。まさに“人生”オールタイムベストな大傑作。
いかがだったでしょうか。73本全て読んでくださった方も、飛ばし飛ばしで読んでくださった方も、ありがとうございました。今年はこんな弱小映画ブログを支えてくださる読者の皆さまにはお世話になりっぱなしの1年でございました。そんな皆さんが良いお年を迎えられるよう、心から願っております。2019年の投稿はこれで終わりです。来年も、ファルケンなうを宜しくお願いいたします。
一覧
50音順になっています。さっくり「あれは何位なんだよ!」を知りたい時にお使いください。