「フォードvsフェラーリ」感想 君も必ず車が好きになる、気分はまさしく”爆走兄弟レッツ&ゴー”な大傑作!!!

「フォードvsフェラーリ」(レーザーIMAX字幕)

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耳をつんざくほどの轟音を鳴り響かせながら走り出す車たち。そしてそれに乗って、ギリギリを攻める男たちのアツさ。

”なぜ車にロマンを感じるのか”の全てが詰まった大傑作!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

男の友情

2人の主人公マイルズとシェルビーは、一見するとお互い相反する性格なんですよね。マイルズは、寡黙に目標に突き進むし、それを邪魔する奴には破天荒にズカズカ突進していく。一方でシェルビーは、相手の表情を読み取って、臨機応変に時にはずる賢くて

も勝利に拘る性格。でも実は2人は本質的には全く同じ性格をしている。それは、目標に向かっての拘り。どんなことをしてでも勝ってやろう。この目標の設定が同じだから、喧嘩したり言い合いしたり、時には殴り合ったりしているような2人が次第にお互いを信頼していく過程が見事に面白い。しかも細かい演出にまで気を使われていて、殴り合いをしている時には缶詰を拾い上げて殴ろうとしたけど咄嗟にパンに持ち替えて殴る…ように喧嘩してても、マイルズの奥さんみたいに”はいはいw”という目で観れる。一度は破綻しかけた2人の友情が、マイルズは人を頼りにすること、シェルビーは人のために何かをすることを学んでいくことで修復し、より強固なものになっていく過程が胸熱すぎる!!

 

 

 

 

 

見栄を張れ!

そんな2人の男たちが、この映画でやってるのは見栄を張ること。過去の栄光を再び取り戻すために戦うシェルビー。息子にかっこいい姿を見せるために頑張るマイルズ。そして、世界的レースで1位を取ったという名誉で世界中に見栄を張りたいフォード。この映画は”見栄を張りたい”奴らの物語なんです。かっこ悪いことしても、失敗しても、最後に見栄を張るためにはどうすれば良いのか。それを試行錯誤していく過程が楽しい。見栄を張るためならレギュレーション違反ギリギリのこともするし、ナットを使って嘘もつく。見栄を張るために、どんなかっこ悪いことでもしてやるぜ!と熱く努力する男たち…。

そしてそんな男たちがついに勝利し、見栄を張る瞬間…。これはもう、辛抱たまらんですよ!!

 

 

 

 

 

7000rpm

僕みたいに車に明るくない人にとって、rpmって聞き覚えがないと思うんです。僕はそれでも、生物学を研究していたりするのでこの単位はよく目にするんですがrpmrevolutions per minute(1分間辺りの回転数)で、数千rpmって目の前で見るととんでもなく速い。そんな回転数で車みたいな巨体を推し進めてるんだ!!と思うと、こりゃ胸熱ですよ。

そして本作のレースシーンでは、そんな7000rpmに到達するべくどんどんテンションが上がっていく。これを聞くためにIMAXにしたんだよ!と言わんばかりのエンジン音と、そこで流れるアップテンポなテーマ「Le Mans66」で、熱り立つように気持ちが高揚していく。これこそレース映画の醍醐味だし、画角以上にIMAXである必然性も感じるシーンでした。

 

 

 

 

 

企業逆転劇

さらにこのレースシーンには、音響的な高揚だけでなくストーリー的な高揚さえ盛り込まれている。 フォードという企業とレースの順位の板挟みから解放されていく快感。そして2人の友情が形になり、巨大になっていく快感。この2つのストーリー的快感を、最高の音響が追い立ててくれる。お話自体は池井戸潤的な単純企業逆転ものなんだけど、会話や怒号で逆転するんじゃなくて、エンジン音と展開でグイグイ逆転していく。カーレースの魅力を引き出し、さらにその魅力に物語的魅力も付与するこの映画の完成度の高い脚本に、信じられないぐらい高揚してしまうのは必然的!!

 

 

 

 

 

最後に

少し上映時間が長い気もしますが、車に疎い僕でも車が欲しくなる、車が好きになる大傑作でした。友情、努力、勝利、そして史実…。ジャンプ漫画のような男の子が大好きな要素たっぷりに、それを見事なストーリーと音響が引き出してくれるこの映画を、是非映画館でご覧ください!