「シュガー・ラッシュ オンライン」感想!!!!ディズニーへの愛と自虐に満ちた快作!!

シュガー・ラッシュ オンライン」(2D吹替)
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ゲーム好きが歓喜した前作から5年。遂に続編登場!!


本日のお品書き
・いざ、インターネットの世界へ!!
・狂ったレースゲーム
・ラルフとヴァネロペ
・満ち溢れるディズニー愛と自虐
・最後に

でお送りしますっ!




いざ、インターネットの世界へ!!
今作の舞台は、前作のゲームセンターから大きく飛躍し、ネットの世界へ。このネットの世界が楽しすぎる!!
ネットを普段使っている僕らにとって”当たり前”になっている知識が、そこには実物になっているんですよね。例えば、Twitterだと青い鳥たちが何かを”呟いて”いたり、ポップアップ広告のパネルを持って閲覧を邪魔していたり、食い気味に予測変換してきたり。そんなネットでの”当たり前”が、この世界を作り出している。だから劇中のインターネットの世界は、真新しいのに知っている世界になってる。これが楽しい!
そんな世界でも、1番楽しいのはやっぱり「ディズニー」の世界。X-ウィングやアイアンマンが飛び交い、ストームトルーパーやグルート、イーヨーにバズライトイヤーまで…。そしてある部屋には、歴代のプリンセスが大集合!ごちゃまぜディズニーの世界は観ていてクラックラしたし、ちょいちょい出てくる小ネタは毎回爆笑してしまいましたw




狂ったレースゲーム
シャンクというキャラクター(声がガルガドット!!!字幕で見たかった!!!)の世界は、過激な暴力ゲームという設定。パっと見はまさに「グランド・セフト・オート」っぽいんですが、起こることは非現実的なハチャメチャレースなんですよね。このレースシーンについて、監督のリッチムーアが参考にしたゲームを上げているんです。もちろんGTAも入っていますが、その中に「セインツロウ」も入っているんです!いやぁ、言われてみればGTAより明らかにセインツロウっぽいんですよね、このレース。「セインツロウ」がなんだか知らない人もいるかもしれませんのでちょっと説明すると、パッと見はGTAのような箱庭ゲームなんですが起こることが超バカ&パロディ満載。リアル重視ではなく、いかに派手にバカにやるかを目標にしたようなゲームで、確かにこのエッセンスがふんだんに入っている!!!映画好きで、まだ「セインツロウ」を知らない方は是非やってみて下さい!映画のパロディネタ満載のバカゲーですよ!!(特に近作が!)
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ラルフとヴァネロペ
前作で幸せを勝ち取った2人は、それから大親友になり長い時を仲良く暮らしていた。そんな2人に訪れた転機が、Wi-Fi(うぃーふぃー)の登場。無限の彼方へ行ける扉が開き、2人はそれぞれの夢を持つ…。
ラルフはこれまでの最高の人生を続けたいと願い、ヴァネロペはもっと広い世界へ羽ばたきたいと願う。そしてラルフは、ついに大親友の夢を邪魔してしまう…。
このストーリー、本当に上手いと思うのは前作のラルフが受けた仕打ちを、気づかない間にヴァネロペにやってしまってるところだと思うんです。ラルフは何年も悪役として過ごし、周りから認められない生活に嫌気がさして、みんなに認めてもらいたい、自分を変えたいという目的で旅をする。前作で自分の飛躍を願っていたラルフが、今作では他人の飛躍を邪魔してしまう。こういう経験、ある人も多いんじゃないでしょうか…。もちろん、親友の夢は応援したいし叶えてやりたいけど、自分との別れこそが、夢を叶えるために必要だと気づいたら、別れられるかなぁ…。そして、別れることが出来ていたかなぁ…と。ヴァネロペはヴァネロペで、親友との別れこそが自分を成長させるんだと気づいてしまう。自分の成長のために、親友を引き離せるのか。いやぁ、これ本当に人事かってぐらい、ビシビシ共感してしまいました。。。特に高校時代、卒業に向けてそれぞれが夢に走り出す時、それまでほとんどの人が経験したことがない、友情を捨てるという選択肢を選ばざるおえなくなるんですよね。友と一緒にいることは、自分の夢を諦めることとイコールなんだと。それに直面し、別れを経たからこそ、劇中の2人みたいに、離れてはいるけど心はそこにある、どんなことでも切れない友情へと進化する。これを観た今の小学生たちはどう思うんだろう…。
いつかヴァネロペはあのレースゲームよりも高みを目指したくなるのかもしれないし、ヴァネロペやラルフの新しい友人が突然別れを伝えることがあるのかもしれない。それでももう、ヴァネロペは、そしてラルフも、快く”別れる”ことが出来るんだろうなぁ…。

ディズニー、中でもピクサー伝統の”行って帰ってくる話”を超えて、”行って別れて成長する話”になった本作は、続編としても、バディものとしても本当にすごい…!!




満ち溢れるディズニー愛と自虐
上記したように、ディズニー愛溢れたシーン満載なんですが、一方でディズニーが行ってきた功罪を自虐的に語っているんですよね。プリンセスが大集合して、ヴァネロペがプリンセスか確認するためにヴァネロペを質問攻めするんですが、このシーンでラプンツェルが「強い男性に幸せにしてもらったと皆に思われてる?」と問う。そしてヴァネロペは、それを気持ち悪がるんですよね。そしてプリンセスたちは、ヴァネロペに感化されてパジャマパーティを開く。ここって、女の子の夢=プリンセスという構図とプリンセス=誰かに助けられる存在、ドレスを着て華やかという構図を2つとも崩しているんです。さらに、ラストのラストでラルフ(この映画の中では王子様の立ち位置)を助けるのが、プリンセスたちなんです。
女だからって、助けられる存在として扱うな!!女だって誰かのために立ち上がるし、誰かを助けるために危険を冒すんだよ!!そして、プリンセスだからって小綺麗な恰好で縛り付けんじゃねぇ!!!ってことですよ!!!

さらにエンディングの後には、ディズニーの予告詐欺について言及されていたり・・・wと、前作や「ズートピア」同様、リッチムーア監督はディズニー批評をさらっとやってのける天才ですね!
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最後に
バディものとしても、続編としても最高の本作。ラストにちょっと気持ち悪いシーンは出てきますが、これもラルフの不安がどんどん大きくなっているという意味合いがあると思うから個人的にはアリだと思ってます!(…もうちょい色変えるとかできなかったのかとは思うけどもw)
ディズニー好き、ゲーム好き、そして現代っ子の誰もが楽しめる映画でした!


エンドロールのシークバー、これかなり妙案だと思うし、他の映画でもやってほしいなぁ・・・w