「来る」感想!!!ホラーは超苦手、バカなトンデモ展開は大好き。つまりこの映画の事が……!?

「来る」
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まず初めに、このブログでホラー映画を取り扱うのが初めてなのでお察しの方もいるかもしれませんが、私はホラーが大の苦手です…。



本日のお品書き
・ホラー映画
・”あれ”より怖い人間
・霊能力バトル
・最後に
でお送りします。


ホラー映画
そんな、ホラー絶対無理体質の私が観た、本作のホラー描写ですが…。いやぁ、面白い!ホラーって、何が面白いんだろうと思ってたんです。お金払ってわざわざなんで怖い思いするの?って。でも、本作はJホラー特有のねっとり感も、海外ホラー特有のバン!感も薄く、ポップなホラーなんですよね。怖いというより、「ゾクッ!Fooo~w」って感じ。来るぞ来るぞ…のタメもあっさりしてるし、バン!と写るものも手だけだったりで怖い顔が一面に出たりしないんです。だから、ホラー苦手な人ほどあっさり楽しめる映画だと思います!逆に、ホラー好きな人にはちょっと物足りないかも…?



”あれ”より怖い人間
劇中に出てくる”あれ”。”あれ”に関して、この映画中ではほとんど言及されないんですよね。何が目的かとか、どういうルールで呪ってくるのかとか。逆に、人間描写はホラー映画でそこまで必要ないってぐらいしっかり言及するし見せ切ってる。妻夫木演じる秀樹は幸せの仮面を剥がせないでいるし、妻の香奈は幸せを見つけられないでいる。そんな、幸せを見失った2人の空虚な中心で、ぽっかり空いた幸せそのものなのが娘の知紗。子供って、どう関わっていいかわからない存在、そして時に愛より煩わしさが勝ってしまいそうになる存在であり、それが(倫理的に)絶対に許されない存在で、その一線を超えてるかどうかが、現代ではかなり曖昧になっていると思うんです。
社会では、様々な結婚関係のコンテンツたちが”結婚=幸せ、子を授かる=幸せ”を押し売りし、さらにSNSという仮面を器用に扱うことで、簡単に上っ面での幸せは演じられるし、その嘘の幸せは人から評価してもらえる。そのうち、自分でも気づかないほどその倫理観が曖昧になっていってしまう。人間は、自分の、そして他人の幸せのまやかしを、簡単に作れてしまうんです。だから、怖い。
子供の頃、暗い廊下やドアを見て吸い込まれそうになった経験が、誰しもあると思うんです。あの不思議な感覚が起こる場所って、この映画で主な舞台になるマンションの、あの扉にそっくりなんですよね。即ち、”あれ”は、どんな子供にも宿っていて、それが解き放たれるのを待っているんです。”幸せ”を怠った両親へ、解き放たれるのを…。これが、私の解釈です。※原作では”あれ”についてちゃんと言及されているらしいので、原作も読んでみたいなぁ


霊能力バトル
そんな本作、1番の魅力こそが松たか子演じる琴子、そしてラストの霊能力バトルですよ。日本の様々な宗教、霊媒、宗派、技術をかき集めたラストの展開は、本当に面白かった!!!こういう、バカみたいな展開が好きで、映画館に行ってるんだよ!!
そこに集まる奴らが、また曲者ぞろいで良いんですよね。
日本最強の霊媒
廃れたタレント霊媒
プロっぽい老人達
観光気分のお喋りおばちゃん達
最新テクノロジーと技術者達
ノリノリJK巫女
四方を囲む陰陽師
警視庁長官直々の警戒態勢
底辺オカルトライター

この超ごちゃまぜの、使えるものは何でも使った総力戦になるんですよね!!!!あまりこういう例え方をするとバカっぽく聞えてしまいそうですが、はっきり言うと物凄く「シン・ゴジラ」っぽいし、「ヱヴァンゲリヲン」っぽい。ここは、もっと厨二感全開でテンションアゲに徹してほしかったと思うほど。また、各々の集合の仕方が良いんですよね。沖縄から観光気分で来たおばちゃん達は、和気あいあいと、新幹線で向かう老人達は「今回はとんでもないかもしれないですね。」「ここからは分かれて行きましょう。」「誰かがたどり着けると良いですね。」と、淡々と今するべきことを考えながら行動してるし、ノリノリでメイクするJKもいざ霊媒が始まると超真剣だし、そこに登場する柴田理恵がもうカッコよすぎるし…。
正直、こういうホラーものでラストが除霊オチって、あんまり好きじゃないんですよね。なんだか肩透かしを食らった気分になるというか。でも本作は、それをもっと派手に、バカにやることで、肩透かしを食らうどころかそこがキモの映画になっているんです!!


最後に
全くホラー感のない、エンターテイメント映画でした!冬でも楽しめる、ちょっぴりダークな映画ですので是非観に行ってください!!



小松菜奈も可愛かったけど、中盤の黒木華のケバメイクからの不倫というギャップに、何か特殊な性癖が生まれそうになってしまった…w