「ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生」感想!!これは”ファンタビ”の続編!?それとも”ハリポタ”の続編!?

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僕らのハリポタ、新シリーズ2作目!世界が待望した、最新作は物凄く”ハリポタ”だった!!!

※私は、前作は公開当時しか見ておらず、またハリポタシリーズはかなりうろ覚えだったりします。


僕らのハリポタ
私にとって、ハリーポッターシリーズは少年期の夢が詰まった映画なんです。そして、シリーズもの初体験でもある。金曜ロードショーでは本当に何回もハリポタがやってたし、毎年公開されれば映画館に観に行き、あの魔法世界にワクワクしていました。長期シリーズもの、言い換えれば映画のドラマシリーズ化の礎になったシリーズでもあるし、”お話しが続く面白さ”はこの映画なしには語れません。
そんな、「ハリーポッター」シリーズの何が凄いのか、何が面白いのか。まず何といってもその世界観。ここまで精密に構築され、画面のどこを見ても魔法に溢れた”世界”を作り上げてた時点で、物凄いことだと思う。完全に、魔法という分化がそこにはあるんですよね。彼らはそこで生き、悩み、成長しているんだと感じられる世界観が出来ているからこそ、長期シリーズとしてやっていけたんだと思います。また、これはシリーズの後半に顕著ですが、成長したみんなが、戦えるようになり、自立し、自分で行動して何かを成し遂げていく、この快感は、キャストがほとんど変更されずにシリーズと共に成長してきた”恵まれた”シリーズであるハリポタだけで味わえる、濃密な面白さだと思うんです。特に、この両者が詰まった「ハリーポッターと不死鳥の騎士団」が、私のベストハリーポッターんなんですよね。
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新シリーズ”ファンタスティックビースト”
そんなハリーポッターシリーズが終結して5年。ついに始動したのがこのファンタビ。これはハリーポッターの時代から遡ること70年前のお話で、特に前作は、ハリポタ感(後述します)を廃しているのに、世界観はハリポタという、類まれで、かつシリーズの初陣としてハリーポッターを観ていない観客も引き込むことが出来ていた作品でした。ニュートはハリーにはなかった、大人の部分と子供のままの部分を併せ持ち、ハリポタシリーズでも度々出ていた魔法動物にクローズアップすることで、学園ものではなくなったものの、ちゃんとファンタビならではの面白さがだせていると思う。前のシリーズに引っ張られて新キャラもろくに出せないようなシリーズとは違い、新しいことをやってやるんだ!という熱意を感じたのが前作でした。





”ファンタスティックビーストと黒い魔法使いの誕生”
そのファンタビ、待望の2作目が本作。まず、ちゃんと前作通り魔法動物たちの面白さは健在で良かった!!本当に、そこがこのシリーズのキモだと思うし、ここをおろそかにしないでくれて良かった。さらに、キャスト陣が気持ちいいぐらい美男美女。どこを見てもヨーロピアンイケメンキュートに溢れていて、ハリポタの青々とした感じよりもかなり好み。
その中でも、やっぱりジュードロウとジョニーデップは別格でした…。
まずはジュードロウ。あのね、彼にこの時代のイギリス紳士をやらせたらダメだって。「シャーロックホームズ」でもそうだったけど、本当にピッタリ過ぎる。まさに、その時代に”生きて”いるようにしか見えない。彼の、紳士的な笑顔が良い…。ひげ面なのに清潔感ある紳士なんて、羨ましいなぁホントに!!w
そしてジョニーデップ。彼はジュードロウとは真逆なんですよね。この時代とは正反対に、”生きていなさそう”な異物感を放っている。同時にそれは、この時代のマグルの文化とは一線を画す魅力があるんですよね。さらに彼は、ヴォルデモートになかった、ある特技を持っている。それは、会話の上手さ。ヴォルデモートさんは、もうミスなんてしようものなら即殺でしたよ。話し合いなんてしないし、演説なんて絶対得意じゃない。けど、ジョニーデップ演じるグリンデルバルドは、口八丁で人を惹きつける魅力を持ってる。ラストの演説は、我々ノーマジでさえ、ノーマジの傲慢さに不信感を覚えたほど(さらに、自分達の傲慢さは上手く隠してる)。さらに、舐めた口きいた部下も即殺じゃなく、最後まで生かして、こっち側の立場が上になった途端に手のひらを反して「グリンデルバルドさん!俺も仲間っすよね!着いていきます!」と歩み寄ってきた瞬間に殺す!いやぁ、ねちっこくて良い!!あと、魔法を放つしぐさが良い。ぬらりくらりと、気だるそうに、けど真剣に魔法を放つ。こういう演技はジョニデは十八番なんだろうけどねw
他にも、ニュートを演じるエディレッドメインは、前作以上に彼特有の”きょとん顔”を連発していて良かったし、ティナはいつ見ても真面目可愛いし、ジェイコブは相変わらずいい奴おじさんだし…。彼らが最後、覚悟を決め遂にダンブルドアの前に会するシーンは、ワクワクしっぱなしでしたよ…。いやぁ、魅力あるキャラが多いって、いいなぁ…。
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魔法動物
今作も、魔法動物たちがかなり魅力的だった!!いやもうニフラーは飼わしてくれ!!(スプーンは隠してね!)他にも、どんどん魔法動物が登場してはニュートはムツゴロウさんのようによーしよしして手なずけてしまう。伏線ってわかっていても、魔法動物がその能力を発揮しtw暴れて、それを手懐けるシーンは面白いし、その伏線が回収されると嬉しくなってしまうんですよね…wラスト周りなんかは、ニフラー以外の動物がかなり影が薄くなっていたので、今後はもっと魔法動物を駆使したストーリーにして欲しいな、と思うぐらい彼らは魅力的でした…(*´ω`*)





ストーリーのラスト
今回は、かなりダーク色強めになっていました。前作が明るすぎた半面かもですが、このギャップはハリーポッターシリーズを思い出します。そしてラストで語られるのは、どっち側に就くかという選択。この選択が、個々にドラマがあって、このシーンのためにこんなややこしい群像劇を今回はやったのね…と感じたり。
まず、ニュートを除いた、ダンブルドアサイドに就いた人たちの動機はシンプルに、魔法世界に憧れや誇りを持っているから、一方で、グリンデルバルド側についた人たちの動機もまたシンプルで、魔法世界の”バカらしい”制約にうんざりしていたから、差別意識にうんざりしていたから。そんな中、ニュートだけは、魔法世界でどれだけ迫害されようとも、ダンブルドア側を選ぶんですよね。ここが、彼が主人公たらしめる部分なんだと思う。彼にとっては、魔法省やノーマジなんてどうだっていいんです。彼の信じた道を、ハッキリと進むことが、彼の生き様。それを見越したからこそ、ダンブルドアは彼に(無理矢理)様々な行動を委託したんですよね…。





されど2作目…
一方で、言いたいことがないこともない。まず、これは誰もが指摘してるところだと思うけど、今作は”ハリポタ感”が強すぎる。前作であんなに薄かったのに、なんでこうなったのか。ここでいう”ハリポタ感”には2種類あるんです。1つ目は、前作での設定や用語、展開を一切振り替えらずにお話を進めしまう感じ。人の名前や魔法の名称、道具や武器の名称もバンバン出てくるのに、それを一切振り返らずにガンガンお話に組み込んでくるから、どんどん混乱してくる。原作を読んで、シリーズもしっかり見ていて用語が完璧じゃないと、全部のお話に着いていくのは本当にキツイと思います…。でも、これは今までのハリポタと同じお話の進め方だし、これによって秀でてる部分もあると思うので否定一辺倒というわけでもないですよね。それよりも言いたいのは、2つ目の”ハリポタ感”。これは、”ハリーポッター”シリーズを踏まえているということ。もちろん、所々にハリポタを匂わせるシーンがあるのは良いと思うんです。例えばダンブルドアの登場や、ホグワーツの登場など。いや、どんなに細かい設定でも、その説明をちゃんと作品内に入れていればいいんです。けど、今作はその説明が少なすぎる。例えば、「ハリーポッターと賢者の石」に出てきた鏡に映るダンブルドアの横には、宿敵であるはずのグリンデルバルドが。このシーン、ハリポタを見ている人なら一発で「ああ、宿敵ではなく親友なんだな」と察することが出来ますが、未見だとなかなか飲み込みづらいシーンだと思う。他にも、マネ妖怪ボガートによって最も恐れるものを変な恰好に変えちゃおうというシーンも、かなり物語上重要なのに、やっぱり説明が少ない。もっと言えば、冒頭でグリンデルバルドが拠点を確保するため家の住人、さらにその子供を殺すシーンも、緑の旋光と棺が登場するだけで、これもハリポタを観ていないとわっかりづらいと思うんです。こういう、ファンタビシリーズにはまだ登場していない要素まで、”ハリポタ”のノリで説明しないのは、いかがなものかと思う。せっかく新たなシリーズなのに、旧シリーズの設定をここまで持ってきてしまうのは勿体ない…。





ぶっちゃけX-MEN…
いやね、ぶっちゃけ滅茶苦茶X-MEN、それもファーストジェネレーションっぽい。もう物凄く。親友同士の仲違い、人間世界への捉え方の違い、暴力と説得……上げればキリがないくらい。まぁ、「X-MEN ファーストジェネレーション」好きだから良いけど、オチが見えてる気もして…。
あと、これはX-MENのチャールズとエリック以上に、ダンブルドアとグリンデルバルドがベタベタし過ぎ。あの手のつなぎ方は…。しかも血の契約…。それに、ニュートとテセウスもハグし過ぎ。男の友情描写って、もっと体や言葉を介さずに見せたほうが魅力的やない…?と思う自分としては、このちょっとやりすぎな友情描写がどうも好きになれませんでした…。
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最後に
良い意味でも、悪い意味でも”ハリポタ”っぽい映画でした!
最後に一つだけ言わせてください。「河童のシーン、あんだけ!?」


次回作の伏線?
気のせいかもしれませんが、クイニーを説得するグリンデルバルドのスーツの胸元のポケットに、ピケットのような木の枝が刺さっている気が…?