【ファルケンなうのドラえもん映画入門講座】ドラえもん映画って、すごーくおもしろいんだ!すごーくゆかいなんだ!(ネタバレなし)

出た!

 

 

皆さん、ドラえもん好きですかー??

2020年はドラえもん50周年記念として「のび太の新恐竜」「STAND BY ME ドラえもん2」と2作も新作が公開し、2021年にも「のび太の小宇宙戦争(リトルスターウォーズ)」のリメイク作の公開が待っており大いに盛り上がっているドラえもん映画。

この記事ではそんな映画ドラえもんに馴染みのない方に向けて、その魅力や鑑賞する上で知っておきたい知識、そしてそれぞれの好みに合わせたオススメドラえもん映画を紹介したいと思います。

この記事を読んで、少しでも映画ドラえもんに興味を持っていただけると幸いです。

 

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映画ドラえもんとは? 

そもそもドラえもん映画とは、コロコロコミックに数話単位で掲載されていた大長編ドラえもんシリーズを原案として制作された映画作品。1980年の1作目「のび太の恐竜」から数えて40作品が公開されており(短編、中編を除く)、藤子F不二雄脚本の1~18作目(例外あり)、F先生没後の19~25作目、そして声優陣が一新されリメイクとオリジナルで構成されている26~40作目に分けることができます。

そんなドラえもん映画の魅力はやはりダイナミックなSF(すこしふじぎ)的ストーリー展開だと思います。ひみつ道具によって繰り広げられる秘密基地や新しい遊び等子供がワクワクするような冒頭から、のび太ドラえもんジャイアンスネ夫、しずかといういつものメンバーが宇宙だったり恐竜時代だったり、時には戦争や滅亡の危機にさえ苛まれるスケールの大きな展開が楽しめるんです。そこにはSF好きで博識なF先生らしい、細かく作り込まれた世界観や最新の学術をストーリーに組み込み問題提起をする構成が溢れており、子供向け作品ではありますがしっかりと論理的で大人も楽しめるのが、映画ドラえもん最大の魅力だと私は思います。もうひとつの魅力は、”他者を思う気持ち”が毎度のテーマであること。映画ドラえもんでは基本的に、ゲストキャラが登場してのび太たちと行動を共にします。そのキャラには女の子だったり動物だったりロボットだったりと多種多様ですが、それぞれに友情や里心、親心と色々な形の思いやりの気持ちが描かれます。子供達にはわかりやすく、そして大人にはまた別の視点で感動できるのがこの要素だと思うんです。

 

 

 

 

 

 

 

ドラえもん映画を見る上で知っておきたいひみつ道具10選

映画ドラえもんでは様々なひみつ道具が登場します。ちなみにですが、もしかするとそんなに色々なひみつ道具を持ったドラえもんならピンチになんてならないじゃないか!と考える人もいるかもしれません。映画では色々な要因でポケットを封印したりもしていますが、基本的にはドラえもんポンコツロボなのでピンチの時にサッと目的のひみつ道具を取り出せないという欠点があります。ピンチの時こそ、ドラえもんは役に立たないのです。さらにドラえもんひみつ道具は基本的にレンタル品なので、常にその道具があるとは限らないんです。「あれ使えよ!」と脳が反応してしまう前に「ああ、あれは今修理中or借りてないのか」と脳内補足をお願いします。。

映画ドラえもんでも、毎度アニメシリーズと同様にドラえもんは道具の説明をしてくれますが、中には登場頻度が高く説明なしに使用する道具もあったりするのです。ここでは、ドラえもんがサッと取り出した道具の意図がなんなのかがわかるように、また映画でよくあるひみつ道具の欠点なんかがわかるように、頻出ひみつ道具たちをサクッと紹介しておきます。

 

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どこでもドア/タイムマシン/タケコプター

一部では三大基本道具とも言われているらしい(?)基本的な道具。歌の歌詞にもなっているほど有名なこの3つを知らない方はほとんどいないと思いますが、映画ドラえもんを見る上で知っておいて欲しい知識をご紹介。

どこでもドアは認知している場所や人の元へいける、逆に言えば知らない場所には行きたくてもいけないアイテムです。また、地球から10光年以上離れた場所へも行くことはできません。

タイムマシンは指定した時間と場所へ行くことができる道具(?)。時に音声機能が付いたりデザインが安定していなかったりしますが、基本的には座敷タイプです。ドラえもんの妹ドラミちゃんはチューリップ型だったりキャラクターごとに異なるタイムマシンが存在しています。留意点としては、タイムマシンのタイムホールは降りた場所に留まるため、そこに戻らなければ元の時間に戻ることはできません。

タケコプターは頭上に乗せることで空を飛ぶことができるひみつ道具。基本的な移動手段として用いられる道具ですが、長距離移動が多い映画では度々バッテリー切れやオーバーヒートを起こします。

 

スモールライト/ビッグライト

名前の通り、小さくなったり大きくなったりすることができるひみつ道具。これらは効果時間が設定されており、またそれぞれのライトには解除機能があるため小さくなった時にはビッグライトが無くともスモールライトがあれば元に戻ることができます。

 

着せかえカメラ

挿入した写真やイラスト通りに衣服を変化させるひみつ道具。基本的にはお着替えアイテムですが、何も入れないと裸になってしまうので要注意。

 

グルメテーブルかけ

テーブルに敷き、料理をリクエストするとその料理が出現するひみつ道具。勝手にアレンジした料理や動物用の餌も出すことできるというチート級に便利なひみつ道具ですが、ドラえもん的には旅の雰囲気にはそぐわないと考えているのかこれより手順が面倒な「植物改造エキス」や「畑のレストラン」を使うこともたまにあったりします。

 

通りぬけフープ

壁に貼り付けることでその壁を通り抜けることができるひみつ道具。脱出や潜入する際によく使われますが、迷路などの地形では役にたたないことから「ぬけあなフープ」という道具も登場します(映画版では通り抜けフープに集約)。ちなみに22世紀に存在しない物質は通り抜けることができません。

 

ほんやくコンニャク

食べることで自分が話す言葉は相手の使う言語に翻訳され、相手の話す言葉は自分が理解できる言語に自動翻訳されるひみつ道具。地球上の言語はもちろん、宇宙の言語にも対応しているため様々な作品で登場し、異なる場所にするキャラクターとの対話を手助けしています。その能力は凄まじく、人間以外にも動物やロボットにも対応していますが、歴史的に隠された言語には対応していないことが多いです。色んな味があります。

 

空気砲/ショックガン/ひらりマント(名刀電光丸/瞬間接着銃)

戦闘の多い映画ドラえもんに度々登場する戦闘系ひみつ道具たち。

空気砲は腕に装着し「ドカン!」と言うと空気の衝撃波を放つことができるひみつ道具。空気のない宇宙では使用できない他、水中では水圧砲になります。

ショックガンは電気ショックで相手を気絶させることができるひみつ道具。度々登場しますが、他の道具より影は薄め。

ひらりマントは物理的、非物理的関係なく闘牛士が牛を躱すが如く攻撃を跳ね返すことができる防御の要となるひみつ道具。空気砲同様、使用時には「ひらりマント!」と叫ぶがその必要があるのかどうかは不明です。また、対象が多すぎると跳ね返しきれない描写があったりします。

名刀電光丸は目を閉じた状態でも搭載されたレーダーが相手の攻撃や動作を認識し無意識的に使用者の体を動かして相手に勝つことができるひみつ道具。最強の攻撃力を誇る反面、バッテリー切れが早く短期決戦の最終奥義として使われます。

瞬間接着銃はゲル状の接着剤を発射するひみつ道具です。ショックガンより影が薄いですが、かなり威力高めで相手の動きを完全に防いでしまいます。名前すら登場する機会は少ないですがいつのまにか手に持っている道具です。

 

たずね人ステッキ

ステッキを地面に垂直に突き立て手を離すと、探したい人の方向へステッキが倒れることで人を探すことができるひみつ道具。探索で度々使われ、たまに「探しものステッキ」と呼称されることもあります。的中率は70%なので過信は禁物です。

 

テキオー灯

浴びると24時間、宇宙でも深海でもどんな環境でも生きることができるひみつ道具。24時間経つと効果が切れ、途端に死んでしまうんですがドラえもんはこのことを結構忘れがち。

 

スペアポケット

ドラえもんの四次元ポケットと同型のポケット。普段はドラえもんの押入れの枕の下に隠されているこのポケットとドラえもんのポケットは繋がっているため、道具を共有しているし、一方のポケットの中に入ればもう一方のポケットから出る事が出来る。映画では脱出や援軍登場等キーアイテムとして使われますが、基本的にドラえもんはスペアの存在を忘れています。

 

石頭

ドラえもん最後のひみつ道具。本当に硬い。

 

 

 

 

 

 

映画ドラえもん作品のススメ

 

映画ドラえもんは2021年1月現在で、40作品も公開されております。どれも1話完結なのでどれから観ても問題はありませんが、ここまで作品数が多いとどれから観ていいのかわからない人も多いはず。

ここからは、ドラえもん映画を観た事ない方、あまり馴染みのない方にどの作品がピッタリなのかを上げていこうかと思います。ここで登場する映画は映画ドラえもんの中でも評価が高い作品ばかりなので、是非気になる作品から観てみてくださいね。

 

 

 

元祖ドラえもん映画

原点から見たいという方にはのび太の恐竜(1980)」「のび太の恐竜2006(2006)」がオススメ。

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あらすじ

スネ夫に恐竜の化石を自慢されたのび太は、裏山で偶然にも恐竜の卵の化石を発見すた。タイムふろしきで時を戻すと、フタバスズキリュウのピー助が誕生する。次第に大きくなるピー助を、遂に白亜紀へと帰してあげる決心をしたのび太たちだったが…。

読んでおきたいエピソード:「のび太の恐竜(てんとう虫コミックス10巻)」

 

この作品は原点であり基本となる映画作品なので、ドラえもん映画の特徴である物語の壮大なスケール、SF的世界観、ゲストキャラの登場、5人の旅路、そしてダイナミックな戦闘シーン等の要素がしっかり散りばめられており見やすい1作になっています。スピルバーグの「E.T.」にも影響を与えたと言われる本作は、子供時代の相棒として登場するピー助をのび太が育て、共に過ごした後に待つ本作のラストは大人になったからこそ落涙必至。

声優陣の一新後、2006年にリメイク作が公開されていますが、1980年版も2006年版もどちらでも楽しめる作品になっていると思いますので、是非お好みで選んで鑑賞して見てください。

 

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それぞれのキャラクターを知るならこれ!

のび太、しずか、ジャイアンスネ夫それぞれのキャラクターの特徴や特技を知りたいならのび太の銀河超特急(エクスプレス)(1996)」がオススメ。

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あらすじ

3日ぶりに野比家に帰宅したドラえもん。心配していたのび太が何をしていたか尋ねると、銀河センター駅発のミステリー列車ツアーのチケットを買うために並んでいたという。早速チケットを使い未来の不思議なツアーに参加した一行だったが、その列車は宇宙海賊団に襲われてしまう…。

 

この作品は西部劇、恐竜、SF、ちょっとホラーな展開とF先生の好きなものがこれでもかと詰め込まれていて、劇中ではのび太の射撃スキルやしずかちゃんの機転が利く行動、ジャイアンの漢らしい見せ場やスネ夫らしい展開とドラえもん」の定番的な演出が盛りだくさん。まずは各人のキャラクター性を知りたい方というは、ぜひこの作品から見て欲しいと思える作品になっています。ワクワクが詰まった娯楽作であることに加えて、ドラえもんシリーズではあまり描かれて来なかった、便利な未来と同じように古い文化が大切なんだということが描かれる作品でもあります。後述しますが、この作品はF先生が最後まで描くことが出来た最後の長編作品でもあり、それを意識して見ると自分の好きなものを詰め込むF先生のストーリー作りに感動間違いなし。

 

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ドラえもん」作品を好きになるにはこれ! 

ドラえもん」というコンテンツ自体を好きになるならのび太のねじ巻き都市(シティー)冒険記(1997)」がオススメ。

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あらすじ

未来の商店街の景品だった小惑星に感激したのび太は、そこに人形に生命を宿らせることができる”生命のねじ”を使って人形たちの町”ねじ巻きシティ”を作り出した。建設から繁栄とどんどん大きくなるねじ巻きシティは一同の夢が詰まった最高の町へと開拓されていくが、そこに前科百犯の脱獄囚 熊虎鬼五郎が迷い込んできて…。

読んでおきたいエピソード :

大長編ドラえもんドラえもん のび太の銀河超特急」

・「ドラえもん物語~藤子F不二雄先生の背中~」むぎわらしんたろう著              

 

ドラえもんといえば藤子F不二雄大先生。そんなF先生が作り出したドラえもんという作品、そしてそれが現在にも続いている制作側の努力が垣間見えるのも映画ドラえもんシリーズの魅力なんです。本作の大長編連載第3回目の執筆中に藤子F不二雄先生は亡くなりました。そこから先の話は藤子プロのスタッフが引き継ぎ、遂に完成したのが18作目(大長編ドラえもん17作目)にあたる「ねじ巻き都市冒険記」なんです。この経緯については藤子プロのチーフアシスタントを務めたむぎわらしんたろう氏の自伝ドラえもん物語~藤子F不二雄先生の背中~」にて描かれているので、是非本作を見る前にこのコミックスを読破しておくことをオススメします。

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個人的No.1ドラえもん作品

私が1番好きな作品でオススメしたいのがのび太と雲の王国(1992)」

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あらすじ

雲の上には天国があると信じるのび太は、ドラえもんの力を借りて自分たちで天国を作ることに。夢いっぱいの天国を開発し思い思いに遊ぶ一同だったが、ある日偶然にも本物の雲の王国を発見する。そこは天上人が管理する、絶滅したはずの動物が数多く生息する世界だった。

 

先に言っちゃいますと、この映画はドラえもんをこれから見ようと思っているような方が最初に観る映画作品としては不向きです。というのもこの映画は、映画ドラえもんでは珍しく原作エピソードがガッツリ関わってくるお話なのです。なので正直この記事の目的からは外れた映画なのかもしれませんが、それでもオススメしたくなるほど完成度の高い作品なのがこの「雲の王国」。ファンの間でも1、2を争うほど好きな人が多い本作が扱うのは環境破壊。メッセージ性の強いこのテーマを、ドラえもん映画のお約束である”何かを作り出すワクワク”を上手く逆手に取った終盤はまさにお見事。シリーズでもピカイチのピンチを迎える一同と、ボロボロになっても立ち向かうドラえもんの姿に涙し、その後のある展開には環境破壊という正直、人間が繁栄するためにはどうしようもないとも思えてしまう問題に対して”ドラえもんとしての”唯一無二の解答を示すというとんでもない作品なんです。ドラえもんにハマってきた方にこそ見て欲しい、マストな1作です。

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完成度ピカイチ!大人も楽しめる作品

ドラえもん映画は大人も楽しめる作品ばかりですが、その中でもとっつきやすく楽しめるのはのび太の月面探査記(2019)」。

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あらすじ

ルカという男の子がのび太のクラスに転校してきた。クラスは、月に動く影を撮影したというニュースで持ちきりだったがのび太は月のウサギが見つかったんだと驚く。案の定クラスメイトにはバカにされたが、そこでドラえもんは付けた人には異説が本当になる「異説クラブメンバーズバッジ」で”月のウラには空気があって、生き物が住める”という異説を唱える。一同は早速どこでもドアで月の裏側に行きウサギ王国を作り始めるが、転校生のルカにはある秘密があって…。

読んでおきたいエピソード:「異説クラブメンバーズバッジ(てんとう虫コミックス23巻)」

 

本作は直木賞作家で辻村深月が脚本を担当しました。辻村氏は「『藤子F不二雄先生ならどうするか』をいくら考えてもわからないが、『藤子F不二雄先生だったらこれはやらない』は絶対にやらないよう心がけました。」と仰っており、本作を見れば誰しもがこれが功を制していることは明白だと思います。F先生が絶対にやらないことを意識することで限りなくF先生らしい、ドラえもん映画らしい脚本に近づき、そしてさらに”想像力”を肯定するテーマ性や小説らしい無理のない丁寧な伏線が効いた脚本へと肉付けがされ、バッジを付けているいないで見え方が変わることや宇宙の壮大な描写、ラストの展開に到るまで八鍬新之介監督の映画的な演出が脚本と見事にマッチし、ドラえもん映画の中でも完成度が最も高い作品になっています。風呂敷を広げすぎてラストに収拾がつかなくなってしまっているという近年のドラえもん映画に顕著な問題点も、しっかりとお話のスケールに抑制を効かせることで防いでおり、大人が見ても見応えがあること間違いなし。

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アニメ「ドラえもん」が好きならこれ!

アニメシリーズや原作コミックスのようなテンポ感が好きならのび太のひみつ道具博物館(ミュージアム)(2013)」がオススメ。

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あらすじ

ある日、ドラえもんの鈴が盗まれた。焦るドラえもんは"シャーロックホームズセット”を使い推理を始めると、鈴は未来の世界の”ひみつ道具博物館”にあることがわかる。早速ひみつ道具博物館へ向かうが、そこに怪盗DXと名乗る者からひみつ道具を盗む予告状が届く…。

 

この映画はいつものドラえもん映画とは大きく異なり、強大な敵キャラも大冒険が待ち受けているわけでもないのが特徴なんです。「ザ・ドラえもんズ」やテレビスペシャルのようなドタバタ劇が主な軸となっている本作は、映画ドラえもんシリーズでも異質な作品になっていますが、そこが本作にしかない魅力になっている。アニメシリーズのような軽いテンポ感でサクサク見られる脚本、最多のひみつ道具が登場するワクワク展開、子供にわかりやすいオーバーなコメディ演出等、より低年層のドラえもんが好きな子供達にも入りやすい映画になっている一方で、いつもより可愛さ5割り増しのドラえもんと活躍多めののび太の絆というこれまでにないほどわかりやすい本作は清々しくド直球な感動が味わえるので、ドラえもんは好きだけど映画ドラえもんはちょっと怖いという子供達から、普段のドラえもんが好きな大人まで万人が楽しめる作品になっています。

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魅力的なゲストキャラといえば

映画に登場する数多くのゲストキャラの中でも最も魅力的なキャラクターが登場するのがのび太と鉄人兵団(1986)」

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あらすじ

のび太は北極で巨大ロボの足を拾った。その日以来、野比家には巨大ロボのパーツが次々とワープで送り込まれてくる。流石に部屋には置けないと、ドラえもんは”逆世界入りこみオイル”で鏡面世界でロボットを組み立てることに。鏡面世界で完成したロボットを操縦するのび太達だったが、このロボットにはある秘密が隠されていた…。

 

ドラえもん映画といえばゲストキャラなんですが、その中でも度々話題に上がるのがのび太の鉄人兵団」に登場したリルル。基本的に味方側として登場するゲストキャラの立ち位置を逆手に取り謎の少女として登場するリルルに涙すること間違いなし。ファンの間でも最も人気の高い作品になっています。

”文明の発展”と”奴隷”というテーマを扱う本作は、シリーズの中でもかなり絶望的な展開を迎えます。絶対に勝てない戦争に挑まなければならなくなった一同の勇姿、そしてある人物の友情が同時に進行するラストは何度観ても嗚咽するほど泣いてしまいます。リメイク作「新・のび太と鉄人兵団 〜はばたけ 天使たち〜」も映像的なクオリティアップ、演出面の細かいチューニングがなされて観やすい作品にはなっていますが、終盤のある展開を改変してしまったのが個人的には残念な部分ではあるので、「のび太と鉄人兵団」を観てから「新・のび太と鉄人兵団 〜はばたけ 天使たち〜」を見るとより楽しめるかと思います。

ドラえもんに”お前もロボットやん!”ってツッコミは無しです!

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リメイクが成功した作品

2006年以降作られているリメイク作品の中でも最もオススメしたいのが 新・のび太の日本誕生(2016)」

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あらすじ

家出を決意したのび太だったが、近所はどこもかしこも私有地でのび太が住める場所なんて存在しなかった。そんな現代に嫌気がさしたのび太は、まだ誰も土地を所有していない7万年前の日本へ向かうことに。理想の家出生活を満喫する一同だったが、時空の歪みにより7万年前から現代に飛ばされてしまったククルと出会う…。

読んでおきたいエピソード:

大長編ドラえもんドラえもん のび太の日本誕生

・(後日談)「いつでもどこでもスケッチセット(てんとう虫コミックス41巻)」

 

ドラえもん映画は声優が一新された2006年以降、旧ドラえもんのリメイク作品とオリジナル作品を使い分けて制作されています。2021年公開の「のび太の宇宙小戦争2021」を含めるとリメイク作は7作品も作られていますが、それぞれの評価にはバラつきがあるのも事実。リメイクで良くなった部分、悪くなった部分はそれぞれの作品にあれど、本作に関してはオリジナル版の気になる点を解消し作品としてのクオリティが格段にアップしており、ファンの間では理想のリメイクだとも言われています。そもそもオリジナルの「のび太の日本誕生」は、ドラえもん映画10作目ということもありかなり気合の入った作画になっていて今見ても難なく見やすい作品なんです。逆にいえばリメイクする意義を見出すのが難しい作品だとも言えるんですが、本作のすごい部分はそこ。”家出”と”日本的文明の誕生”というテーマをはっきりさせ、ペガ・グリ・ドラコそしてククルとの友情をより細かく描写し、原作では駆け足になってしまったラストにエモーショナルさを追加することで映画作品としてのレベルアップが目に見えてわかるんです。ネタバレしないよう経緯は省きますが、私の好きなセリフでコミックス版にはあったけどオリジナル版ではカットされてしまった「残念、1世紀負けたか!」というセリフが復活しているのにもニヤリとしてしまいました。オリジナル版とリメイク版で見比べると楽しめる骨太作品になっているので是非。

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2021年新作のために。

2021年公開の新作を観るならのび太の宇宙小戦争(リトルスターウォーズ)(1985)」がオススメ。

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あらすじ

スネ夫が自分のラジコンを使った特撮映画を作っていることが飛び火し、のび太は裏山でぬいぐるみを使った特撮を撮ることに。そこでのび太は小さな宇宙船を見つけるが、そこには小さな宇宙人パピが乗っていた。一同がスモールライトを使ってパピと遊んでいると、そこにPCIAと名乗る者達にしずかちゃんが拐われてしまう…。

読んでおきたいエピソード:「天井裏の宇宙戦争(てんとう虫コミックス19巻)」

 

2021年3月5日公開予定の新作「のび太宇宙戦争2021」のオリジナル版となるのがこの作品。この映画は「ガリヴァー旅行記」や「スターウォーズ」をモチーフにしており、そこでニヤリとしてしまう作品です。そしてこの映画で最もクローズアップするべき点はやはり武田鉄矢が歌う主題歌「少年期」です。映画ドラえもんは毎回主題歌が用意されていますが、その中でも最も人気なのが本作の「少年期」という曲なんです。本作は特撮やラジコンとスネ夫に焦点を当てた作品になっており、弱虫なスネ夫の心境に載せて歌われるこの主題歌が、しみじみと大人になった私たちの心に響きます。リメイク版でこの歌が使われるかはわかりませんが、そこを楽しみにするという意味でも新作の前に見ておいて欲しいスネ夫作品です。

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2021年公開「映画ドラえもん のび太宇宙大戦争 2021」

予告→

www.youtube.com

 

 

 

 

最後に

いかがだったでしょうか。映画ドラえもんというのは、その時代や社会問題、流行を取り入れ多種多様に進化してきた大人も子供も楽しめる娯楽シリーズです。今回は9作品に絞りましたが、現在観ることができる40作品どれから見てもきっと楽しめるはずです。

この記事をみて、映画ドラえもんという日本を代表する娯楽シリーズを好きになってくれる方が1人でも出来れば、私にとってそれ以上の幸せはありません。長文にお付き合い頂き、ありがとうございました。