「ゾンビランド:ダブルタップ」感想 トゥインキーの賞味期限が切れた世の中で生きる4人の、ハッピーセットのような娯楽大作!!

ゾンビランド:ダブルタップ」(2D吹替)

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10年ぶりのまさかの大復活。

10年というブランクが生み出す巧妙なギャグにゾンビに、友情は目が離せないこと間違いなし!!

 

「ヴェノム」×「デッドプール

このアメコミファンに勘違いさせるような肩書に恥じない、いやそれ以上の大傑作!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今では豪華な俳優陣

ジェシー・アイゼンバーグウディ・ハレルソンエマ・ストーンアビゲイル・ブレスリン。今では豪華俳優陣となったこの4人ですが、前作が公開された2009年では「なんだか主軸となる有名俳優いないなぁ」と言われるような4人だったというのが驚き。

それぞれが様々な賞レースで活躍する役者に成長したメンバーが再集合して作られた本作は、しっかり当時のノリを忘れていなかった。

ジェシーアイゼンバーグはもはや名人芸ともいえる童貞(?)演技を披露し、ウディハレルソンはテキサス風ワイルドおじさん芸を、エマストーンは久しぶりにはっちゃけた役をパワーアップした演技力で見事に演じ、久しぶりの大作映画出演となったアビゲイル・ブレスリンはずっと微笑ましい。4人ともそれぞれに役者としてアップグレードされたことで起こる化学反応が爆発的に面白い作品になっていました。

 

 

 

 

マディソンには気を付けろ!

そんな主役陣の脇を固めるのが今回から登場したネバダバークレー、そしてマディソン。このマディソンは、主役4人を食う勢いで突き抜けたキャラクターなんですよね。10年間冷凍庫に居たせいで世間知らずになってるって設定らしく、これが正真正銘のバカ。4人みたいに言葉遊びで笑わすのではなくマディソンはもう行動から言動まで常軌を逸している。呆れるほどバカでウザいのに、どこか憎めないバランスで登場する彼女に、本作では目が離せない。10年ぶりの続編ということで4人のノリが前作の延長線になっている反面、マディソンのような突き抜けたキャラクターによる影響を受けることで新鮮味と懐かしさを両立した理想的な続編になることが出来ているんです。あれだけキャラの濃いマディソンも、ちゃんと4人より目立ち過ぎないぐらいの登場頻度なのもプラスでした(アレルギーは無理がある気もしますけどねw)。

 

 

 

 

 

アメリカ製ゾンビ映画

ゾンビ映画は数多あれど、本作がなぜここまで愛されるのか。昨今、ゾンビ映画はより多様化し、例えばインドの「インド・オブ・ザ・デッド」や韓国の「新感染 -ファイナルエクスプレス」に日本でも「アイアムアヒーロー」などお国柄の出る作品が多く存在している。これらの作品の共通点はその国のあるあるを提示している点で、それを最もサクっと楽しめるのが小説版「ワールドウォーZ」なんですが、この小説は各国で生き残った人物たちがオムニバス形式で色んなお国柄の現れたゾンビストーリーを語っていく。この”お国柄”こそ、ゾンビ映画のような感染パニックモノを面白くするスパイスになる。

 

そんな世界中が大好きなゾンビですが、中でも最も愛しているであろう国こそアメリカ。低予算から超大作まで、右も左もゾンビだらけな国であるアメリカでは普通のゾンビ映画だけでは飽き足らずに色んな国が舞台のゾンビ映画をハリウッドで作ってしまうほど。

では本作でのゾンビ映画的スパイスがどこにあるのか。それこそ、”お国柄”だと思う。アメリカ合衆国というお国柄を最大限活かしたギャグセンスに満ちた本作は、アメリカでしか作り得ない、アメリカによるアメリカのためのゾンビ映画ホワイトハウスやエルヴィス、ビルマーレイにシンプソンズそしてT-800だったり……。このアメリカ合衆国的文化×ゾンビが最高に面白い。誰もが思いつきそうで思いつかなかった、アメリカらしさを前面に打ち出した作品こそ、本作なんです。

 

 

 

 

磨かれたギャグセンス

そんな本作のアメリカ合衆国的ギャグセンスは秀逸で、それこそ前作は勿論のこと、脚本として参加している レット・リース、ポール・ワーニックが手掛けたデッドプールのギャグセンスをもアップデートしてみせ、一方で監督を担当したルーベン・フライシャーが前作との間に監督したL.A.ギャングストーリー「ヴェノム」のような仲間内でのファミリー演出の血も脈略と引き継いでいる。俳優陣のアプデートと同様に、制作陣も10年前から確実にアップデートがされていて、前作よりも会話劇が多めになったのにも関わらずその秀逸なギャグと良いバランスで組み込まれたゾンビ描写も相まって、とっても見やすく楽しい娯楽大作になっていました。

 

 

 

 

最後に

ここまで”観客を楽しませること”にステータスを全振りした作品も久しぶりで、劇場から出ても熱を帯びてるようなとっても楽しい映画鑑賞でした。

安定かつ確実に楽しめる本作を、是非映画館で楽しむべき!!!デートにも大丈夫!

 

 

………ニンジャゾンビ、出てた!?