「T-34 レジェンド・オブ・ウォー」感想 戦艦、歩兵、潜水艇……次は戦車だ!!!
「T-34 レジェンド・オブ・ウォー」
オイルまみれになりながら、叫べ!撃て!!
最強の戦車アクション映画、ついにロシアから爆誕!!
TANK!!!
「ハンターキラー 潜航せよ」がカルト的大ヒットをしたのも記憶に新しいですが、じゃあ戦車でもそういうのが観たいよ!という欲望を叶えてくれたのが本作。
地面を押し付けるような走行音、鉄が犇めく音、そして耳を劈くような砲撃音。絶品な音響に負けじと戦車の見せ方も俯瞰だったりFPS視点だったり多種多様に見せてくれる。”戦車”というモノが持つ魅力を、これでもかと詰め込んでいるんです。本物の戦車を、役者自ら操縦しているからこそ生まれたこれらの魅力は、「ハンターキラー 潜航せよ」「バトルシップ」「世界侵略:ロサンゼルス決戦」…どれかにピンときた方なら、絶対に楽しめる!!
恋しちゃったんだ
そんな戦車アクションに欠かせないのが熱い仲間ですよ。潜水艇や戦艦と違って戦車は乗組員が限られているから友情が生まれやすい。熱い漢の友情で、敵に打ち勝つ!それ以上に必要なモノがあるでしょうか?
そんな意味でも本作は秀逸で、戦車長を務めるイヴシキンの頼れるリーダーシップ、ひげ面でだらしないけど頼れる操縦手、プライド高いけどバカな砲手、変わってるけど純心で可愛げのある装填手。この個性的な4人がとっても愛らしい。さらに、ドイツ側のライバルであるイェーガー大佐も、復讐に燃えるザ・悪役!!って感じが最高に良い。
ヒロインとして捕虜で通訳係の女の子が出てきて、バス停でのシーンとかは割と可愛かったりしますが、こっちのラブロマンスは本当に適当。なんか目が合ったから惹かれ合って、とりあえずやることやって、ラストに一応抱き合う。それよりも重要なのはやっぱり、ライバルとのロマンスですよ!!!熱い敵意が友情に代わる瞬間。これを決定的に描くラストはもう最高!!!絶対、こっちのロマンスを描きたかっただろ!!
愛すべきバカ
設定や装備など、かなり時代考証がちゃんとしている(らしい)本作。それだけ聞くと真面目な映画なのかな?と思ってしまいがちですが、本作は良い意味で本当にバカなんです。
サービスカット的に男だけで水浴びしたり、鹵獲した戦車から弾を抜いてなかったり、テンション高めのバカな描写がいくつも用意されている。中でも最高なのが、整備した戦車のお披露目として「白鳥の湖」を戦車で踊るシーン。戦車の操縦手の腕前を発揮するシーンなんだけど、これが最高にバカやってて、もうニヤニヤしながら観てしまう大好きなシーンでした。
愛すべき登場人物たちが、愛すべきバカなことをやってくれる。
それ以上に必要なモノがあるでしょうか?
戦車アクション
あるんです。そう、アクションですよ。
まず冒頭、給仕用トラックで敵戦車と遭遇して蛇行運転で逃げるシーン。このシーンで主人公イヴシキンの能力が発揮される。「4秒数えろ!」
そして迎える防衛戦。戦車1台という絶望的な戦線の維持を任されたイヴシキンが、藁で戦車を隠して歩兵と協力して行う奇襲作戦。歩兵と一緒に戦うのはこのシーンだけなのもあって、ここは戦車の圧倒的な力強さを楽しめるシーン!
次に、演習での脱出戦。ここでもバレるかバレないかサスペンス…には一切振らないでアクションのみに集中させてくれる。煙幕で攪乱しつつ、弾を持っている事がバレた瞬間のハジけたようなテンション高めの脱出が見事!
さらに終盤の市街地での逃亡戦。もうここは敵も全力で戦力を投入してきて、戦車VS戦車をのみ純粋に楽しませてくれる。弾のバウンド撃ち、マトリックスのような避けなど見せ場たっぷり。そして最後には、橋梁での西部劇的決闘シーンが待っている。
どのシーンも、異なる見どころたっぷりな最高のアクションだった!!
戦車ロジック
でもはちゃめちゃなだけの映画ではないのが、本作の魅力なんです。それこそ「バトルシップ」やアニメ「ガールズ&パンツァー」もそうでしたが、この映画ではちゃんとルール設定を丁寧にしている。戦車に乗らないといけない、弾は6発、〇〇までいけばゴール。。。このように、ルールがあるからとんでも戦車バトルも理屈込みで楽しめる。さらに戦車バトルでも、正面からなら大丈夫、履帯は弱点など戦車ならではのルールに乗っ取って戦うので、戦車バトルとしても登場人物と同じように頭を使いながら楽しめる。派手な見せ場を用意するだけではなく、それを体感できるようにブラッシュアップされているのも、本作の特徴だと思う。
最後に
確かに緩い部分もある映画です。だけど、これを特に戦車好きが映画館で観ないでどうするんですか!!
音響、映像の迫力ともに映画館でしか楽しめない最高の体験になると思いますので、是非映画館でお楽しみください!!