「悪女/AKUJO」感想!!重大なネタバレはありません。

バイクチェイスのシーンで一目惚れして見てきました、「悪女」!!!
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いやもうね、惚れ惚れするアクション!!
冒頭のビルでの殺戮から、バイクチェイス、そしてバスでの流れるような戦闘!!全てが圧巻!!ホント、どうやって撮ってるんだこの映像…

まず冒頭!!「ハードコア」のようなPOVでのバイオレンスアクションからの鏡に映ったスクヒで三人称へ。そして殴り合い刺し合い血みどろアクションをグルグル見せつけるカメラワーク!!

バイクチェイスは、カメラがバイクを追いかけて、追いつくとバイクの車輪の間をすり抜けてさらに刀で戦っている両者の腕を舐めるように追いかけ、そしてまたバイクの後方に移動する。この流れが最高にカッコイイ!!!!

そしてバスでの戦闘は、車で衝突後からバス内での戦闘までがものすっごいシームレス!!そしてバスという冒頭よりも閉鎖空間でカメラが縦横無尽に動き回る!!!
見ててクラックラしてしまった・・・w
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アトミック・ブロンド」とはまた違う、バイオレンスと外連味と泥臭さの融合というか、全てが調和されたアクションの動きと、力強いカメラワークで全く見たことがないアクション映像になっているんですよね。これを見るだけでも、映画館で観る価値は十分にあります!!

物語の大筋は、なぜスクヒという女性が悪女になったのか…というもの。このストーリーも、前半は「エンジェルウォーズ」っぽく、後半は恋愛映画でスクヒは幸せそのものなのにどこか殺意が見え隠れする、胃がキリキリするような、でも幸福な物語(キルビルっぽい?)。
個人的には、このストーリー面も悪くはないと思うんです。でも、でも、やっぱり2時間20分という尺は長い。
もっとタイトにできたんじゃないこれ…と思ってしまうのも事実。物凄く濃密なアクションが売りの映画なのに、ストーリーも濃密だから見ていて疲れてくるんです。
どちらか一方は薄味にしないと胃もたれしちゃうよ…

あと、登場人物電話しすぎじゃない?なんでもかんでも、事のきっかけが電話ってのもどうなんだろうか…
登場人物も出すぎだし、何より話が無駄に複雑。過去の回想と現在を何度も何度も行き来するから、アクションシーンで(いい意味で)疲れた脳を一切休ませてくれない!!

それに冒頭でものすごい人数の敵と相反しているのに、ラストの戦闘はそこまで敵の人数は多くないんですよね。これ、ラストと冒頭のアクションを入れ替えたらもっとアクション映画として面白いと感じられたと思うんだけどなぁ…



アクション、ストーリーのミスマッチな感じがどうにも残念な映画でした。アクションシーンとドラマシーンのテンションが全然違うんですよね…アクションでは肉体的にどんどん悪に堕ちて行っているのに、ドラマでは精神的に悪に堕ちていっている。その違いのせいで、アクションシーンとドラマシーンが1つの映画に見えなくなっちゃってると思います。