「セッション」感想!ネタバレありです。

「セッション」
イメージ 1


点数は85点!
見始めてすぐ、フレッチャーのドS指導っぷりに「スポ恨ものか」と察したんですよ。こういうスポ恨ものって、最後は先生と生徒が互いに認め合い、感謝するような展開になりがち・・・というかこの映画もラストまで「あー、フレッチャーも最後は良い人になるんだろうなぁ」と思わされるんですよ。それを誘導するようにラスト手前で優しくバンドに誘ったりするわけです。しかし!この映画はフレッチャーを”良い人”または”音楽を追い求める者”のように好意的な人物としては描かないんですよ!わざわざ「良い奴と思わして最低!」という上げて下げるようなドSっぷりまで見せてくれるんです。
それを見て「こんなサディストな人で終わるなんて!」と怒る人もいるかもしれません。

だけどこの映画のフレッチャーは、”好意的になってはいけない人物”なんですよ!!!誰かに好かれる、または好かれるようにするということは相手の成長を止めてしまうんです。例えばアンドリューのお父さん、彼はアンドリューにとても優しく接していました。だけどもしアンドリューが父に甘える決断をしたら?そこで成長は終わりを迎えます。こうならないためにフレッチャーは自らを”心の底から嫌な奴”にすることを徹底し、アンドリューに接しているんです。よくあるスポ恨もののラストで先生と生徒が解り合うというのは、同時に生徒の成長をそこで止めてしまう事になる訳です。
ラスト、アンドリューの復讐ともいえる演奏が終わり映画も終わりますが、そこでアンドリューにフレッチャーはきっとまた「お前は無能だ!」と言ったんだと私は思います。


総括すると、この映画でフレッチャーを”怖い人”や”嫌な奴”と最後まで思えたなら、あなたはこの映画を最高に楽しんだんですよ!!