MGSFN---第3章--- 中編


またも更新が遅くなり、申し訳ないです。緩やかなスピードですが、頑張ります…。
※このブログはMGS4の、その後をストーリー仕立てで考察するものです。第1章を上げているのでまだ見てない方はそちらからお願いします。
MGSのネタバレを含むので、ご了承ください。
MGSファンの方の意見や感想が聞きたいので、出来ればコメントお願いします!
Twitterでの更新は中止になりましたので、このブログで随時更新していきます。Twitterでは前回までのあらすじや更新告知なんかをします。


次回→


建物に近づくと、正面ゲートが見えてきた。

その奥は橋になっており、海上に伸びている。その奥に、ハチの巣のように建造物が連なっている。

雷電「博士、海上に浮かぶ建物を見つけた。あれか?」
博士「ああ、それだよ。衛星から確認した。君の目の前にあるのが、奴らの砦だ。雷電、一刻も早く、ヴァジリスクの情報を入手してくれ!」


雷電「了解。」


雷電は正面ゲートの壁をよじ登り、橋にぶら下がる形(エルード)で少しずつ進んだ。
敵兵が橋を巡回している。入口を狭い一本道の橋にすることで、少ない兵士で厳重な警備をすることができる。
だがそれは同時に、兵士1人1人の油断を生んでしまう。

油断は死角を作り出す。雷電は今、その死角上にいる。



エルード状態でしばらく進むと、橋が終わり建物が立ち並ぶ場所へ着いた。雷電は橋から繋がる手すりにつかまりよじ登った。

すぐに遮蔽物へ身を隠し、辺りを警戒する。

そこにいる兵士は、今までの兵士とは空気が違った。張り詰めるような空気が辺りを包んでいる。

雷電「奴らだ…。蛇達だ。」
いつか来るとわかっていた、最悪の状況が、ついに訪れたのだ。伝説の傭兵、最高の潜入技術を持つ男のファントムに、俺は今から潜入で対抗しなければならない。その絶望感は計り知れない。しかし俺の中には、自分にもわからない高揚感が疼いていた。


今まで以上に慎重に、ゆっくりと突き進む。まるで蛇のように音もなく進む。

一歩、また一歩と前へ進む。それと同時に、スネーク達に近づいていく。


1人、前方にいた兵士を通り過ぎると、その先に他の兵士は見えなかった。一瞬、安堵する。

また1人、また1人と兵士を通り過ぎる。どうやらここの兵士は、1人1人の間隔が広いらしい。


しばらく進み続ける。相変わらず兵士達は1人で行動しており、段々と雷電は慣れてきていた。

前方にまた1人、兵士が見える。雷電は今までのようにスルーする。
雷電は警戒を緩める。


そのとき、周囲に視線を感じた。そう、雷電は慣らされていたのだ。
ここ兵士は連携をしていない、潜入する者の心理がそう確信するような配置で、彼らは警備していたのだ。


取り囲まれた雷電は、近くの扉に飛び込んだ。

潜入は終了だ…。雷電は銃を取り出す。
騒ぎが起きれば、ガデューカが気づくかもしれない。それを願い、雷電は彼らとの一騎打ちを決心した。



雷電は敵の位置を把握するため、少し顔を出す。彼らの射撃はその瞬間、常人ではありえないほど正確な射撃で雷電を狙った。

咄嗟に雷電は頭を下げる。身を隠すのが精一杯で、撃ち返すことなど到底出来ない。

何かないか…


雷電はスモークグレネードを投げつけた。もうやけくそだ…


少し訓練した兵士なら、スモークが炊かれた時、どう味方と連携すれば失われた視力を補えるか、の訓練は必ずしているはずだ。まして、今戦っている敵は伝説の傭兵…効くはずがない…。

しかし彼らの行動は、雷電の予想に反していた。
1人1人はその場で最善の行動をしているが、全く連携している様子はない。

よく考えれば、当然かもしれない。1人1人は最強でも、それが最強のチームを作り出すとは限らない。チームに必要なのは、強さではない。バランスだ。彼らにはそれがない。そんな彼らが連携なんてできるはずが無かったのだ。


雷電は彼らが困惑している隙に、その場から離れて先へ進んだ。

先へ進むと、研究室があった。ヒューイの部屋だ。

ヒューイの姿はない。雷電は部屋に沢山あるコンピュータの1つに、博士から貰ったUSBを差し込む。これでリンクス達の計画、そして兵力を探る。

雷電「どうだ博士?情報はありそうか?」

博士「…ああ、すごいよ。彼らの計画が事細かに書かれている。ヴァジリスクの武装も…。雷電、帰還してくれ。ブリーフィングで、この情報をまとめよう。」

雷電「了解した。」
博士「そうだ、雷電。彼女と連絡が取れた。対メタルギア用兵器をこちらに送ってくれたようだ。万一には、これを使おう…ヴァジリスクに効果があるのかはわからないけど…。」

雷電は『彼女』が誰かわからなかった。時折博士は、説明を端折る。しかしこれを問うと、博士の話は長い…。
雷電はあえて聞き返さなかった。


暗い部屋が、いきなり明るくなった。
雷電は銃を構え警戒する。そこにはリンクスがいた。しまった…。

リンクス「雷電!!ここまで来るとはな!!だがここまでだ。お前の役目は終わった。おい、取り押さえろ!」

リンクスの後ろにいた兵士達が雷電に駆け寄る。
雷電はその兵士の1人を殴りつけ、首を絞める。他の兵士が雷電を銃床で殴りつける。意識が朦朧としながらも、最後まで雷電は抵抗した。ここで捕まる訳にはいかない。いかないんだ…。

雷電の健闘も空しく、地面に倒れ込んだ。

目が覚めると、雷電はガラス張りの部屋に、手足を繋がれ椅子に座らされていた。無線は繋がらない。装備は全て取り上げられていた。

足音がする。誰だ…?


リンクスだ。奴は部屋に入ってくる。
雷電、目が覚めたか。…お前に聞きたい事は1つだ。ハル・エメリッヒ博士はどこだ?…何処にいる!!」
リンクスは、雷電を殴りつける。血が口いっぱいに広がる…。

なぜ博士を?その疑問を問う気も、今は失せていた。