MGSFN---第3章---「死が残す意志」 前編

お待たせしました。更新が遅くなり、申し訳ないです。
※このブログはMGS4の、その後をストーリー仕立てで考察するものです。第1章を上げているのでまだ見てない方はそちらからお願いします。
MGSのネタバレを含むので、ご了承ください。
MGSファンの方の意見や感想が聞きたいので、出来ればコメントお願いします!
Twitterでの更新は中止になりましたので、このブログで随時更新していきます。Twitterでは前回までのあらすじや更新告知なんかをします。


次回→




ヘリの騒音に遮られながら博士は雷電に話しかける。
雷電!マレーシアにはアジアで有数の熱帯多雨林がある。そのジャングルを海岸沿いに進むとプラントが現れるはずだ。このプラントは、衛星写真で見つけたものなんだけど、奴ら、この基地を隠す気はないみたいだ。プラントにはヴァジリスクと思われる影も映っていたからね。
このヘリでまず君をジャングルでも少し拓けた場所に降ろす。君はそこから海岸に向かってくれ。そしてヴァジリスクをはじめとする、奴の計画の詳細な情報を入手するんだ。
あとそうだ、僕は昔の友人に会ってみるよ。彼女なら、ヴァジリスクへの対抗手段を持っているかもしれない。」


ヘリは降下地点へ着いた。
雷電「…博士、あんたは気になったことはないのか?。」
博士「?」
雷電「故人についてだ。俺は父さんの最後の意志がどんなものだったのか、知りたい。あんたは、ソリッドスネークが何を思っていたのか、気にならないのか?」

博士「……雷電、降下地点に着いたよ。潜入は任せた。出来るだけサポートはする。……すまない、雷電

頑張ってきてくれ。

雷電は、無言で降下した。





ジャングルの、鬱蒼と生い茂った木々は潜入を困難にも容易にもしてくれる。目を凝らし、先に敵を見つけた者が完全に有利だからだ。生きるか死ぬか、それは自らの注意深さと運に託されていた。



雷電は木々をかき分け進んでいく。すると奥から声が聞こえた。
2人の兵士が世間話をしている。ジャングルでは、少しの油断が死に直結する。雷電はその敵兵を見て、改めてそう感じていた。

雷電は兵士達の頭上にハチの巣があるのを見つけた。ハチはかなり大型の個体で、巣もかなり目立っていた。

雷電はハチの巣を打ち抜き、地面に落とした。
途端に兵士達を大量のハチが襲った。もう警戒どころではない。

その兵士達をしり目に雷電は先に進んだ。



進むにつれ敵兵は増えているが、雷電にとっては楽勝の相手ばかりだった。
ここの兵士は、SNAKE HOUND部隊ではないようだ。



しばらく進み続けると、潮の香りがしだした。海岸が近いのだ。


海岸に沿って進むと、エンジン音が聞こえた。広場のように拓けた場所に、何か車両が配備されている。

2つのバルカン砲が上空に向けられている。主砲はない…対空車両か…?
雷電は目を凝らす。

…あれはロシアの対空自走砲、2k22ツングースカだ!

拓けた場所故に、ここを気付かれずに通過するのは不可能だ。しかし相手は対空砲、歩兵相手は分が悪いはず。

雷電は対抗手段を探した。今の装備では、攻撃を加えることができない。


ツングースカの後ろから、随伴兵と思われる兵士が3人出てきた。そのうち1人はRPG-7を持っている。
これを利用しない手はない。そう確信した雷電は、出てきた兵士達に向かって全速力で走った。

それに気づいた兵士は、対象物を撃とうとサイトをのぞき込む。
雷電はその一瞬の間に、3人の頭を撃ち抜いた。

そして滑り込むようにRPG-7を掴むと、近くの岩陰に隠れた。
ツングースカはすぐさま雷電に狙いを定める。明らかに対空砲の挙動ではない。このツングースカは、対歩兵用に改造されているようだ。

雷電RPG-7を構え、少し岩陰から顔を出す。するとすぐさまツングースカの30mm機関砲が火を噴く。

完全にマークされてしまったこの状況では、撃つどころか狙いを定めることもできない。岩は、砲撃によりかなり脆くなっていた。
チャンスは一瞬しかない…。機関砲の掃射によって岩が崩れた砂煙で、敵が雷電を見失うその一瞬しか…。
一歩間違えれば機関砲の餌食だ。

雷電は静かにその時を待つ。まだだ、まだだ……

岩はさらに脆くなり、砂煙は次第に増えている。
もう少し…もう少しだ…


今だ!

雷電は岩から滑るように這い出ると、RPG-7を放った。

放たれた弾道はツングースカまで届き、ツングースカは大破した。

長い緊張から解放され、雷電は大きなため息をついた。


そしてその先に進むと、海岸から道が続いている洋上プラントが現れた…。