「ターミネーター ニュー・フェイト」感想 ”三大怪獣”のようなお祭り的面白さに酔い痴れろ!!

ターミネーター ニュー・フェイト」(THX2D字幕)

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幾度となく繰り返される改変……。

そして遂に辿り着いたのは、シュワちゃんにリンダハミルトン、ジェームズキャメロンという三大怪獣による決戦だった!!

 

 

 

 

 

 

 

 

ターミネーターシリーズ

シリーズモノって大変なんだと思うんです。興行的に振るわなかったり、制作側が納得いかなかったり。このシリーズはそんな苦労を、新たな形で乗り越えてるんですよね。ターミネーターは映画が全部で6作、ドラマシリーズが1作ありますが、2作目にあたる「ターミネーター2」の続編は本作も含めて映画3通り+ドラマ1通り+アトラクション1通りの合計5通りにも。

これだけややこしくなったターミネーターシリーズですが、それぞれに良し悪しがあるので、まずはシリーズについて個人的な感想を軽く語りたいと思います。

 

まず1作目2作目は、ここで語りだすと別の感想回になってしまうのでほんとに軽くですが、どっちも好きですがどっちかというと2が個人的には好き。敵であるT-1000をはじめとして、ジョンやサラ、T-800まで魅力的なキャラクターと、シリーズで定番となる追いかけられる→助けられる→爆破オチ の完璧さは2作目が1番良かった!

そしてそんな2作目の続編Ⅰが3作目「ターミネーター3」色々言いたいことがある作品ではありますが、3作目はちゃんとターミネーター的追いかけっこを守っているし、何よりラストのオチは良かった!

次が4作目「ターミネーター4」。これは一応3の続編で、遂に訪れた審判の日以降の話。ガラリと変わった世界観が魅力な作品で、これはこれで嫌いになれないのも事実。

そして前作にあたるのが5作目「ターミネーター:新起動/ジェニシス」。これは1作目からの時系列で別次元という設定。開き直ったように別次元を連呼する作品で、正直シリーズでは一番魅力的部分が少ない作品という印象。ただ、タイムトラベルには服を脱がないといけないという設定を一番活かしたのは本作だと思う!見るなら1人で!!

最後にUSJで見ることが出来るアトラクション「ターミネーター2:3-D」。2作目以降ジェームズキャメロンが監督した(現状)最後のターミネーターシリーズ。エドワードファーロングが演じたジョンコナーが観られたり、アトラクション的に体験できる作品となっている。時間は約30分と短いものの、「ターミネーター2」のエピローグ的な楽しみ方が出来て、”気軽に楽しめるT-2の続編”という意味では一番正当続編らしく面白い作品になっている。

(ドラマは未見です…)

 

 

ターミネーターのお約束

上記しましたが、ターミネーターシリーズにはいくつかのお約束があるんです。1つ目は 追いかけられる→助けられる→また追いかけられる→爆破オチ という流れ。1作目から続くこの一連の流れあってこそ、ターミネーターだと思う。

2つ目はアーノルド・シュワルツェネッガー。彼が出てこそターミネーターですよ。シリーズモノには、顔と言えるような人物がいると思うんです。例えば、ワイルドスピードの最新作である「ワイルドスピード スーパーコンボ」で何が寂しかったかって、やはりヴィンディーゼルが出ていない事。ただでさえもう1つの顔役だったポールウォーカー不在の中、彼も出ないせいでワイスピらしさが本当に薄かった。これはターミネーターシリーズも同じで、シュワルツェネッガーが出てこそ僕たち観客は”ターミネーターらしさ”を感じてしまうんです。

そしてこのようなシリーズのお約束を、本作ではしっかり踏襲している。4作目5作目がそれを出し過ぎないようにしたのに対して、露骨なほどシリーズ、特に1作目2作目が好きな人向けに作られた作品だと感じました。

 

 

 

三大怪獣

ただ1作目2作目の真似事だけしたら良いってわけじゃないのが続編なんです。そこで本作が追加したのが、シリーズとしての強みを存分に活かすこと。つまり人気キャラをいっぱい出す!

制作にジェームズキャメロン。そしてT-800はもちろん、今回はちゃんとリンダハミルトンを呼んできて登場したサラコナー。この、”ちゃんと本人を呼んでくる”というのが大切なんです。3作目、4作目、5作目で何がいけなかったのか。それは俳優が変わったことにあると思うんです。シュワちゃんが出てても、サラやジョンの顔が違ったりするとどうしても違和感を覚えてしまう。シリーズとしてちゃんと流れを汲んでいても、この違和感をぬぐえないとどうしても続編として成り立たないんですよね。だからこそ、USJのアトラクション版「ターミネーター2:3-D」を正当続編と評価する声が多い。あれもT-800やT-1000の再登場やタイムワープの設定無視など変な所を上げるとキリがないのに、T-2と俳優や監督が同じというだけで出る”信憑性”を存分に活かしているから、続編として面白い。

しかし今エドワードファーロングを呼んでくるのはなかなか厳しいから、本作のリンダハミルトン&シュワちゃんのタッグを復活させただけでも、かなり健闘したと思う。

 

そんな本作はいわばゴジラシリーズの三大怪獣 地球最大の決戦のような作品。ゴジララドンモスラが共闘したようにT-800、サラ、そしてダニーによる共闘が描かれる。T-800とサラは最初は喧嘩するけど、庭先での飲み会(三大怪獣でいう会議シーン)で仲良くなり、最後にはダムで共闘して絶対勝てない敵に打ち勝つ!こんな、誰でも楽しめる魅力が本作には詰まっている。

 

 

 

とはいえ

ただ言いたい事もあるんです。

まず、敵の魅力の無さ。本作の敵役であるRev-9は、眼が笑ってない愛想のいい笑顔だったり、感情が無いのに取り繕ってる感じで演技は良かったんです。でも能力がよくわかんないんですよね。これは5作目もそうでしたが、液体金属っぽい敵多すぎるんですよ。これなら3作目のT-Xの武器いっぱい持ってる!能力のほうがまだ面白い。ここまで液体に拘るなら、いっそのこと固体→液体ときて次は気体でもやっちゃえばいいのに。

あと、シュワちゃん演じるT-800の設定はシリーズで1番苦手でした。人間味を理解し始めた…というよりは、明らかに人間になり過ぎてる。折角機械って設定があるのに人間に寄せていく設定自体疑問だけど、その方向なら5作目が忠犬ハチ公っぽくて好きかも…?。家庭を持ってるは明らかにやりすぎですよ。これならターミネーターでなくても、シュワルツェネッガーでなくても良いじゃない…。

 

 

 

次回に期待?

そんな山あり谷なりなシリーズだけど、ここまでくれば次回作に期待するものはニューフェイトの続編でも、ジェニシスの続編でもないんです。MCUやDCEUが流行ってる今だからこそ、色んな世界観を持っているこのシリーズで、その世界観全部ガッチャンコしちゃえば良いじゃない!

絶対にバカ映画になるけど、ここまでくればそういうのもやっちゃってくださいよ!もう良いじゃない!

 

 

最後に

色々語ってきましたが、何度裏切られても嫌いになれない、そんなシリーズにまた1つ新たな作品が加わったような映画でした。これの続編なんて言わずに、どんどん色んなパターンの"T-2の続編”を作って欲しい!