「宮本から君へ」感想 告白に”俺は、お前が、好きだ!”以外の言葉は要らない。まさに漢のための恋愛映画。

「宮本から君へ」

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男とは、漢とは何か。

力が強かったら漢なのか。女にモテたら漢なのか。

 

この映画には、何が漢なのかが詰まっている!!!

 

 

 

 

 

 

 

宮本と靖子

原作、ドラマ共に未見で正直この映画はスルー予定でした。しかし、Twitterにてなんとも熱いピックアップを何度も何度も眼にして鑑賞してまいりました。

この映画、宮本のキャラが魅力的過ぎる。とにかく正直で、バカで、面倒くさい奴。でもそれが愛おしく共感してしまう。そしてそんな宮本が恋をする靖子もまた、バカで、面倒くさくて、情緒不安定な女。彼女もまた、それこそが魅力になっている。

似てるようで似てない、似てないようで似てるこの2人が繰り広げる熱い、ほんとに高カロリーな恋愛映画。

 

 

 

 

 

漢の恋物語

本作はイケメンの彼と地味な私のシンデレララブストーリーでも、クラスで1番可愛いあの娘と帰宅部の俺との恋愛物語でもない。

面倒くさい男と女が、面倒くさい過程を踏みながら少しずつ前に進んでいく、まさに漢のための恋愛映画なんです。特に昨今は暴力に訴えたり、感情を表に出すのはタブーとされている。それは当然で真っ当な事なんだけど、大切な人さえ守れないような奴ではなく、大切な人のためなら拳を握りしめられる漢になるための物語。脅されても、殴られても、何があっても突き進む。

 

 

 

 

 

やるしかない

そんな宮本と靖子の前に現れるのは、2人の男。1人は女に暴力をふるい、女の弱みに付け込む裕二。もう1人は運動部の嫌味を全て体現したような野郎、拓馬。この2人は別方向な男を表していて、裕二は話術で、拓馬は暴力で支配しようとする。そんな最大の強敵に囲まれた靖子を守るために宮本は立ち上がる。裕二にしろ拓馬にしろ、男にとってここまで嫌な存在は居ないと思うんです。口八丁手八丁で女にだらしない奴も、自分が暴力で何でも言うことをきかせられると知っている奴も、最低野郎なんだけど同時に勝てないと知っているから。そんな奴らと”勝たないといけない”喧嘩をする宮本には共感するに決まってる。

靖子がレイプされるシーンや、裕二に慰められるシーンは心から「何してんだ宮本!!!」と叫んでるし、ラストのらせん階段での喧嘩は「やっちまえ!!」と応援してしまう。

 

 

 

叫べ!!

宮本も靖子も、とにかく叫ぶ。「頑張れ!頑張れ!頑張れ!」「結婚!結婚!結婚!」と、バカみたいに叫ぶ宮本と、それに対して叫んで怒る靖子。この非現実的に叫ぶ2人を見ていると、叫ぶ大切さを感じてしまう。最近、大声で叫んだのっていつだろう。自分の気持ちを、素直にぶちまけたのっていつだろう。そう考えれば考えるほど、心に何かが”詰まっている”ような気がしてくる。

叫ばずに、自分を我慢して抑えつけて生きるより、恥ずかしくても叫び、自分に正直に生きるほうが、生きている意味がある。だって人は、生きてるだけですげぇんだから。

そして、叫び続けた宮本が最後に「俺の人生はバラ色なんだ!だから、お前も子供も幸せにしてやる!」と叫ぶ。なんの包み隠しもない、相手も気持ちさえ考えないこの、全裸な言葉こそ、体裁を気にするようになってしまった俺達が宮本から学ぶべきモノなんだと思う。

鑑賞後は、体裁を気にせず突っ走れる宮本がすっごく羨ましくなってしまう。

 

 

 

 

 

最後に

色々語ってきましたが、この映画は文字にするより言葉。言葉より感じるべき映画なんです。是非、いや絶対に映画館で鑑賞してください!!!語彙力のない感想、失礼しました!