「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」感想!!!"放射能を吐く大怪獣の脅威は、ハリウッドをも恐怖のどん底に叩き込んだ!"

ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」(次世代IMAX3D字幕)

ãã´ã¸ã©ã­ã³ã°ãªãã¢ã³ã¹ã¿ã¼ãºãã®ç»åæ¤ç´¢çµæ

 

恐怖の象徴、守護神、大怪獣、生物、亡霊。様々な形で具現化してきた怪獣が、遂にハリウッドに目覚める。

怪獣の中のキングを決める決戦。怪獣たちの、壮絶な死闘を目撃せよ!!

 

 

 

 

 

本日のお品書き

 

 

 

 

ゴジラシリーズ

本当は公開初日に観に行く気満々だったんですよね。けど、それまで私はちゃんとゴジラシリーズを観たことがなかったこともあり、”こんなゴジラ愛が薄いまま行きたくない!”という思いもあって、数作にはなってしまいましたがざっくりゴジラシリーズを観てから本作の鑑賞に臨んだんです。

一応、鑑賞した作品は

ゴジラ(1954)」

空の大怪獣 ラドン

モスラ(1961)」

モスラ対ゴジラ

「三大怪獣 地球最大の決戦」

ゴジラ対ヘドラ

ゴジラvsビオランテ

ゴジラvsキングギドラ

ゴジラvsモスラ

ゴジラ モスラ キングギドラ 大怪獣総攻撃」

の10作。このシリーズを見て思ったのは、私は”怪獣を利用する話”よりも”怪獣をなんとかしようとする話”のほうが好きだということ。作品ごとに良し悪しはありましたが、特撮という手法や魅力的な怪獣がもたらすパワーは、本能的な部分を刺激する。ビル群が破壊されたり、光線が出たり、怪獣同士が殴り合ったり。この魅力は、言葉にはできない熱い何かなんですよね。

 

 

 

 

ギャレスエドワーズ版ゴジラ

そんな中、ハリウッドに輸入されたゴジラ。正直、前作はまさに良い所もあるけど悪い所もある作品だった印象なんです。水爆実験の設定というゴジラの根幹を成す設定を変更したり、杜撰すぎる日本描写に原子力発電所地震で崩壊など、全体にゴジラというより怪獣映画を撮りたいんだ感を感じてしまった。見せ方、溜めの作り方はめちゃくちゃ良いし、そこからの放射熱線も最高なんだけど、何か違う…。

 

 

 

キング・オブ・モンスターズ

ゴジラシリーズをある程度観たことでゴジラ愛がMAXに達した状態で観た本作がどうだったのか。先に結論を言ってしまうと、前作とはあらゆる部分で真逆な作品でした。

怪獣は見せまくるし、人間周りの話もちゃんと怪獣に絡めるし、ゴジラシリーズの要素をちゃんと抽出してるし…。

 

 

 

 

怪獣

本作の怪獣は、魅力的過ぎました。でもこれは、シリーズをしっかり見た”愛”も相まった、とんでもなく身内擁護な感情も含め、相乗的に良かった!!

まずはラドン。いやぁ、ラドンですよ!!メキシコの火山が出てきた瞬間、「ああ、ラドンだ!!」とテンションが上がる。噴火する火山に昇って、羽を広げて飛び立つ。そこから起こる大惨事については、ラドンは”飛んでるだけ”というお約束。飛んでるだけで人や建物をなぎ倒していくラドンだけど、今作の彼は、特撮ではおそらく不可能だった、回転して周りの戦闘機を打ち落としたり、機動力を生かした戦法をとってくる。CGになったことで、彼の魅力的な部分をしっかり協調出来てました。…というか、ラドンは他の(ほとんど描写のない)怪獣たちとほとんど同じ立ち位置なのに、なんでここまで出番があったんだろう…w

モスラに関しては、登場シーンが最高過ぎました。成虫になるとき、”まぁ流石にあの歌は流せないよなぁ”と思っていたら、小さくドンドンドコドコと聞こえ出し、モスラの歌がBGMに流れ出す、あの場面はまさに名場面!!でも、ラドンと対極にモスラは、CGになったことで魅力が半減した感があった気がします。モッフモフで可愛いあのモスラは見る影もなく、どちらかというとムートーに近いビジュアルで正直、優しい怪獣に見えない!けど、彼女の行動は本当に優しい怪獣で、絶望的な状況でも彼女の存在による安心感は半端なかった!!ラドンvsモスラという飛行系の対決も魅力でしたし、即効性抜群の糸も最高だった!!さらに彼女がとる最後の行動は、明らかに「GMK 大怪獣総攻撃」を意識している(今回は攻撃する側と守られる側が逆になってたけど)し、何より彼女らしい悲しいラストでした…。てか、もっと出番あげてよ!!

そしてギドラゴジラの最大の宿敵である彼をどう描くんだろうと思っていたら、登場する場所がまさかの氷山!しかも氷漬けになって発見される!!ここだけでテンションが上がる。さらに今回の彼は、これまで以上に”明確に”強い。首が3つ、尻尾が2本あることによる有利性が、CGになることでより際立っているおかげで、ゴジラより構造的に強い。さらに設定として”宇宙怪獣”は出てくるし、今回の映画は「三大怪獣」鑑賞必死でしたねぇ!!ギドラといえば光線だけど、その光線が映えるのなんの。嵐の中に稲妻のような光線が光り、電気を食うことで羽からもバチバチ光る。度々高い所で羽を広げるギドラは、どのシーンも絵になる、最高の敵役だった!!!

最後にゴジラ。言わずもがな、登場シーンから爆上がりですよ。いや、IMAXで見れば、冒頭の足音でもう爆上がり間違いなし。今回のゴジラは、最終的には人間の相棒のような関係まで厳格に善玉だったことは賛否分かれそうですが、しかしその設定から生まれる、人間との共闘感はすさまじい。「ジュラシックワールド」の時もそうでしたが、これまでの因縁の生物との共闘に、燃えない人はいない!!力強く、窮地を救ってくれる救世主なゴジラ。前作とは設定が変わって、水爆実験で起きてしまったことになったことも相まって、このゴジラは愛らしいんですよね。感情が伝わってくるというか。パワフルさ、表情、人間との関係など、日本版ゴジラとはかなり異なるけど、まさに”ハリウッドゴジラ!!”って感じがして良かった!!ハリウッドのゴジラなんだけど、それはこれまでいろんな設定を加えてきたゴジラシリーズの延長線上にちゃんと存在しているから、違和感はないようになっている。ゴジラじゃないけど、ゴジラ…というかなんというか。

 

 

 

 

芹沢博士

そんなゴジラと同等に物語の鍵を握っていたのが芹沢博士。前作では「ゴジラ…」と言うだけの人でしたが、本作の芹沢博士はちゃんと芹沢博士になっている。というより、初代ゴジラ生物学者山根博士と芹沢博士を足したような人物に。彼の最後は明らかに初代ゴジラと同じなんだけど、初代ゴジラゴジラを殺すために、今回はゴジラを生かすために、でも結果はどちらも人類を救うために行うという、完璧なまでの初代リスペクトからの「さらば、ともよ…」はもう泣くに決まってますよ…。

 

 

 

 

ラストバトル

芹沢博士の決死の行動によってゴジラが目を覚まし、事態は最終局面へ。ここまでの人間側のストーリーは、良い意味で怪獣に振り回されていたしテンポの良さもあってそこまで気にならなかったけど、ここでのマディソンちゃん探しのシークエンスは長すぎる。人間、特に主人公サイドにやることがほとんどないのはわかるけど、なんで家帰るかなぁ…。

でも、怪獣周りの描写はまさに最高調。ゴジラと共に出撃する空軍とモナーク。嵐の中待ち受けるギドラ。そして参戦するラドンモスラ。怪獣同士が入り乱れ、まさに地獄絵図な破壊シーンは”ゴジラシリーズ”としてテンションが上がり続ける。

ギドラに襲われるマディソンちゃんのもとにゴジラが登場した時のあのニヤケ顔は、もう同じ顔しちゃってたよ!!恥ずかし嬉しい!!

そこから、ギドラは電気を食べてパワーアップ!!もう駄目だぁ…という状況からの、バーニングゴジラ!!!(vsデストロイア見とけばよかった……orz)こういうロジックが過剰に重ねられるパワー合戦は、全男子が好きだと思う(女の子も?)。

 

 

 

 

”眼”と”声”と”共存”

今作は、鳴き声の周波数によって人間が怪獣と共存しようとしたり、ギドラが怪獣たちとコミュニケーションを取ったりする。けど、それはことごとく上手くいかない。いや、上手く行くけど、それは共存には至らないんですよね。では、何で共存するのか。この映画は何度も何度も、”眼”で見つめ合うゴジラと見つめ合うことで、ゴジラの感情を読み取り共有する。ギドラと見つめ合うことで、彼が殺意ある行動に出ることを予測する。そういう風に、この映画は見つめ合う。言葉が通じなかったり、見た目が違う、サイズが違う相手でも、目を見て感情を読み取ろうとお互いがすることで共存できる。”眼”に着目すると、また違った見方が出来て楽しい映画でした。

 

 

 

最後に

言いたいこともないこともない…。古代文明にカタカナ「ゴジラ」とか…w

けどそれを含めて、”ハリウッドのゴジラ”を作り上げた本作。ちゃんと敬意を払いつつ、自分たちのアイデンティティを確立した。だからこそ、本作はゴジラシリーズを見ていれば見ているほど、好きであれば好きなほど楽しい。さらに、より次回作が楽しみになる。是非、IMAXで見てください!!!!!!!!

 

 

 

……でもムートーは出すなよ!!!!!!!!