「ボヘミアン・ラプソディ」感想!!!!僕らは、伝説に”再開”する。

ボヘミアン・ラプソディ」(2D字幕)
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魂が震える、そんな言葉がぴったりの映画に出会えるとは……。
震えるほどの興奮と感動と、パフォーマンスを、ありがとう。




なぜ今?
多分、昔からのファン、コアなファンの方にとっては、待ちに待った映画だったのかもしれません。その反面で、不安な面もあったのかもしれません。
そんな中で、ごめんなさい。正直私は、QUEENというバンドにそこまで明るくないんです……。
超有名な、Live Aidの映像だけは観たことあったり、それこそ「Bohemian Rhapsody」や「We will rock you」をはじめとした、超有名ソングしか知らないにわかなんです。
そんな私でも、超絶楽しめた本作。その理由の1つとして、こういう”誰もが知ってる超有名曲”を徹底的に散りばめたからだと思うんです。もちろん、QUEENファンの方からしたら「この曲がないなんて!!」という意見があると思う。けど、それこそが、本作を”今”作る理由なんです。
私の身の回りでは、私よりもQUEENを知らない人がかなり多かったんですよね。それこそ、QUEENの存在自体を知らなかったり。そんな、彼らの活躍を、伝説を知らない世代が溢れている。この映画は、QUEENの伝説を、”再び”思い出させる映画なんです。それは、当時から知っている人とか、後から追いかけた人とか、全く知らない人とか、そんなものを取っ払った規模の全人類に、知ってる人はもちろん知らない人にさえ伝説を”思い出させる”映画なんです。だからこそ、知ってる世代、知らない世代が入り乱れる”今”作られるべき映画だと思う。




オープニング
オープニングでテンションの上がる映画って、最高だ!!!!
近年なら「ベイビードライバー」のように、オープニングが良い映画って、それだけでこれから2時間弱観る心構えが違ってくる。
そういう意味で本作は、圧倒的にこれまでの”オープニングが最高の映画”をぶち抜いてる。20世紀FOXのファンファーレをギターアレンジし、彼らの乗るワゴン車をノックし、彼らが堂々と歩き始める。そして、アタッシュケースを開くと酒とタバコと、そしてマイク。そしてギターケースからゆっくりとギターを取り出す。フレディがマイクを取り、決して大きくはない背中をこちらに向けて歩く。その先には、ガタイの良い警備員が2人。体格は明らかにあちらのほうが良いのに、その背中越しから見れば、マッチョな男さえ小さく見えてしまう。そして小さくジャンプし、ステージへ…。

こんなの、最高に決まってるやないか!!!!QUEENを知ってる人も知らない人も、一気に彼らのことが好きになり、彼らのお話を紡ぎたくなってしまう。







奇想天外な曲作り
この映画の、曲作りのシーンは本当にワクワクしっぱなし。コインを置いてドラムを叩いたり、超高音を何テイクも出させたり(「ガリレオって誰だよ!!」はふきましたww)、アンプを紐で吊って振り回したり…。そして、観客と一体になりたいといって作られる、「We will rock you」のあの足踏み。全てが、彼らの成長を物語り、そして彼らの音楽に対する愛が伝わってくる。好きで好きで仕方ない。誰かを楽しませてやりたくて仕方ない。だから、彼らはぶつかるし、そこから出来る曲は、最高なんだ。劇中でも語られるけど、喧嘩できるような間柄だから、最高なんです。仲良くニコニコしあってるような、本音の言えない集まりなんかより。





昇りつめ、転落し、そして蘇る
最初、びっくりしたのはこの映画のお話のテンポ。QUEENが結成し、頂点に昇り詰めるまでは本当に早い。特に悩むことなく、グイグイ進んでいって、いつのまにか頂点に君臨してる。そんなテンポの良い成長から一転、フレディの私生活や仲間との悩みが溢れだし、転落する話は、かなりゆっくり、スローテンポで描く。しかし、それを乗り越えた先に待っている復活は、そういうテンポを超えた、ただただ陶酔するしかない領域になる。約20分間、彼らのパフォーマンスを観る観客は、言葉に出来るような感想さえ持てないような、心が震え、体が騒ぐのを必死に抑え、ただスクリーンを涙ぐみながら観るしかない。
頂点が一度崩れ、そして高らかに飛翔してみせる。フレディという男が、パフォーマーを目指し、仲間を得て、自分こそがチャンピオンだと自惚れ、自分のセクシャル的な悩みを抱き、仲間を失い、そして、復活する。
そんな彼が歌う、「We Are the Chanpions」。QUEENという伝説に惚れた人、そして、伝説を今目の当たりにした人、そして、QUEEN。そんな”We”がチャンピオンなんだ。

この、テンポが異なる寄せ集めが、最高の”作品”であり”パフォーマンス”になっているこの感じこそ、「Bohemian Rhapsody」なのかもしれない。



QUEENという伝説を、映画館で観られる日が来るとは。そして、今私は最高の形でQUEENに惚れることができたと思う。それは、当時QUEENに惚れた人ほど。そんな、至高こそ、この映画であり、パフォーマンス。
絶対、絶対に映画館で観るべき、傑作だ!!!!!