「スパイダーマン:スパイダーバース」感想!!!!最高のギャグセンスとスパイダーセンスが組み合わさった、大傑作!!!
「スパイダーマン:スパイダーバース」(Dolby ATMOS 吹替)
色んな世界のスパイディたちが合流するって設定から、ゴチャゴチャしちゃうんじゃない?と不安だったけど、ふたを開けてみればフィルロード&クリスミラーのギャグセンスと、半世紀以上続くスパイダーセンスが見事にマッチした、超大傑作だった!!!!!
本日のお品書き
Dolby ATMOS
実は初めてのDolby ATMOS体験でした!TOHOシネマズ梅田だけかもしれませんが、迫力満点のサウンドも良いけど、あの見上げる感じのスクリーンは良かったなぁ…。
音自体は、THXとか色々ある中で特別ここが凄い!とまではわからなかったものの、やっぱり音の奥ゆきが違いますね。せっかく映画館で観るなら、こういう音にもこだわった映画館で観たいものです。
(でも+200円は高い!!THXは同額なのに!!!)
実写でもアニメでもない、コミックな映像
まずこの映画、ただ観てるだけでも楽しいんです。それは、MCUのような実写のリアルな映像ではなく、そしてアニメのような滑らかに動く映像でもない、コミックを”観る”という非現実的なことをやってのけてるから。まるでコミックのページをめくるように、次の展開が、また次の展開が気になっちゃう。
何がコミック的なのか。まずは、効果音や環境音をわざわざ文字で表現したり、スパイダーセンスみたいな目に見えない動きに絵を付けたりするような漫画的表現。さらに、CGアニメのような滑らかさをわざと廃して少しだけカクついた動きにしている。そして、これが1番の理由だと思うんですが、この映画、テンポが絶妙過ぎるんです。これは「300」や「バットマンVSスーパーマン」つまりザックスナイダーがやってきた、コミックのコマのようにアクションする…という訳ではなく、アクション、ストーリー、キャラ同士の掛け合いの全てが、コミックを読むような速度感でサクサク進む。だから、観ているだけで”気持ちいい”し、不思議な映像に仕上がってるんだと思う。アニメでも実写でもない、”コミック”という新しい映像ジャンルを築いてしまったんじゃないでしょうか…。
フィルロード&クリスミラー
本作では脚本、制作として関わっていたこの2人。もうね、この2人の映画はどれもこれも最高に面白いんですよね。ブラックで外したギャグセンスと、それを見事に回収してみせる脚本の巧さは本作でも健在でした。スパイダーマンとして目覚めたマイルスが高いビルからジャーーンプ!!…と思ったけどビビって低いビルからジャンプ…!という外しギャグから、マイルス覚醒で超高層ビルからジャンプさせたり、「女の子落とすなら、ショルダータッチして『HEY~』だ!」とそれでモテるかよwってギャグから、ラストにそれが最高の形で回収されたり。こういう、そのシーン単体で面白い外しギャグが後々回収されるのが面白いし気持ちいい。この2人を制作から外した『ハンソロ』には失礼かもしれないけど、彼らが制作に関わっていたからこそ、3度の実写化で一歩間違えばマンネリ感が隠せなかったであろう”スパイダーマン”の新作としてここまで新鮮なものが出来たんだと思う。逆に、『ハンソロ』はそこが全く出来ていなかった。
あとこの2人繋がりといえば、エンドロールでのあのシーンは『22ジャンプストリート』のラストみたいで滅茶苦茶笑いましたw
魅力的過ぎるキャラクターたち、スパイディたち
そんな魅力たっぷりな本作でも1番の魅力はやっぱり”スパイダーマン”。当たり前みたいにやっているけど、どのスパイディも能力は(ほぼ)同じなのにキャラが被ってないんですよね。全員がちゃんと個性を持ってるし、全員が主役なんです。でも、本作の中ではあくまでマイルズが主役というスタンスだけは崩さないから、ゴチャゴチャになることもなく、ちゃんと1本筋の通った作品になってる。
ここからは1人ずつ、好きな所をたっぷり語ります!
マイルス
本作がこれまでのスパイダーマン映画と一線を画していたのは、彼が主役という部分だと思う。より幼く、でも賢いキャラクターなんですよね。幼いといっても、子供だまし、マスコットみたいに幼いんじゃなくて、幼さをなんとか自分で補おう、成長しようとしている。だからこそ彼を応援したくなるし、共感できる。あの歳で壁登り&透明化なんて能力を得たらと思うと…w
ピーター・B・パーカー
最も”現実”的なスパイディ。ヒーローというよりは、おっさんだし、言う事がいちいち弱気だし疲れ切ってる。けど、そんな彼の目の奥にはしっかりと”ヒーロー”としての意思があるのを感じるんです。そして、マイルスと関わることで、それが再び燃え上がってくる…。ダメ男がヒーローに再び立ち上がる…こんなの、カッコよすぎるでしょ!!!
グウェン・ステイシー
スパイダーウーマン。超クールな女の子なんだけど、無口なわけじゃないんですよね。ツッコミ役として、ギャグ要員ばかりのスパイディたちを纏め役なのもそうだけど、彼女は時に優しく、時にドライに周りと関わるからホントにカッコイイ。女の子だけど、マジでカッコイイ。
「1人でなんでもできちゃうわ」って感じではなくて、バカばっかりなメンツをしっかり理解している。お母さん……というよりは先輩って立ち位置かな。あとフードがいいよね!
スパイダーマン・ノワール
ノワールですよ。白黒なんですよ。コートがハタハタするんですよ。
こういう渋いキャラと思わせてちょっと抜けてるキャラ、好きなんですよね…。「SPY/スパイ」のジェイソンステイサム的な、凄腕と思わせて実はポンコツ、というかさらっとギャグ連発。このギャップが堪らん!!!それに、彼はずっとルービックキューブをいじってるんですよ。これが可愛いのなんの。色が白黒しか見分けられないから、みんなに「これは何色だ?赤紫?」とか聞いちゃう。しかも、自分の世界に帰ったらそれを完成させてドヤー!!ってw
こんなギャグ要員なのに、ラストでペニーにそっと声をかけるのも彼なんですよ…。渋いと思わせてギャグ要員…と思わせて渋い。あ、これ好きな奴だ…。
ペニーパーカー
ハロー!(字幕だと「コンニチハー!ハジメマシテ!ヨロシク‐!」)
え!?と言いたくなるような、純日本アニメ的キャラクターなペニー。表情豊かで日本アニメ的な可愛さに溢れた彼女だけど、まぁまぁ性格が悪いwマイルスが能力を使いこなせなくて1番イライラしてるんですよねwビジュアルは日本アニメ感満載なのに、日本の萌えアニメではやらなそうな性格の悪さ。これが彼女の良さなんです。絵柄的に周りのみんなとかなり違和感があるし何なら平面にすら見えるんだけど、それでもこの見た目と性格のギャップのおかげで彼女も生きた人間に見える。おかしバクバク食べながら戦う姿も良かった!
スパイダーハム
絵柄、言動、リアリティ。全ての意味で規格外。「トムとジェリー」「パワーパフガールズ」で育ち、「ルーニートゥーンズ」が大好きな私にとって、このカートゥーンなキャラクターが放つ、カートゥーンアニメと現実がごっちゃになったら的なギャップギャグが最高だった!どっから金床出したんや!!ハンマー出したんや!!ってギャグがさく裂した後、別れ際に「これ、やるよ…。ポケットにピッタリなサイズなんだ…」って、そんなわけないやろ!!っとツッコミながら泣かせてくれる。まさかカートゥーンアニメなキャラに泣かされるなんてよ!!!
手を洗ったらちゃんと拭こうな!
その他にも、メイおばさんもマイルスの両親もアーロンおじさんも、キングピンもみんな魅力的!こんなにキャラを詰め込んでるのに全く渋滞してないのは、本当に凄い。
そして、こんなに魅力的で主役級のキャラクターばかりだからこそ、これはそれぞれの視点でまた見てみたいな、とも思いました。私達が見たのはマイルスが主役だけど、これが例えばペニーの視点だったら…とか考えると、それだけでまた作品が出来そう…。
仕方ないんだけども
でも、これだけは言わせてほしい。マイルスを軸にした話だから、他のスパイディ(特にペニー、ハム、ノワール)はあまり目立ち過ぎないようにしてるんだとは思うんだけど、ラストバトルぐらいは、個々に戦うんじゃなくて、それぞれの能力を結集した共闘感を出してほしかったし、何より、もっとわかりやすく人助けをして欲しかった。これがあるとないとで、ヒーロー感が全然違うんだよね…。
とはいえ、全員がちゃんと見せ場のあるラストだったと思うし、そこまで不満ってわけじゃなくて欲を言えば…程度なんですけどねw
最後に
アニメとも、実写とも違う新たな映像体験。絶対映画館で観てください!!吹替もオススメですよ!
はてなブログをお使いの先輩方!
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