「ガメラ2 レギオン襲来」Dolby Atmos感想 4Kでまさしくレギオンが”襲来”する。

ガメラ2 レギオン襲来」(4K Dolby Cinema)

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あらすじ

ギャオスの出現から1年後、北海道に降り注いだ流星群が恵庭岳に落下した。しかし落下地点には何かが落ちた痕跡しか残っておらず、隕石は発見されなかった。さらに近隣のビール工場ではビール瓶が紛失する事件、そしてNTTの光ファイバー網が紛失するという事件が発生していた。その怪現象の位置情報は、次第に札幌市へと向かっていた…。

G2が25年ぶりにDolbyシネマで蘇る!

 

予告

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サイエンス怪獣映画

1996年に上映されたG2。私にとって今回のリバイバル上映は、特撮映画の中でも随一に大好きな本作を25年経った今、劇場で堪能できるという奇跡のような体験でした。なぜG2が25年も愛されているのか。その最も大きな要因が”大人も楽しめる”特撮映画になっているからなんです。

平成ガメラ3部作全てに共通してはいますが、特にG2は科学的ワクワクを重視しているんですよね。レギオンという謎の宇宙生物はどんな生態なのか、何が目的なのか、何が弱点なのか、どんな作戦が考えられるのか。そんな説明し出すと面倒臭くなりそうな話題をしっかり掘り下げ、そこにこそ面白さを見出したのが本作の魅力の1つ。本作のヒロインである穂波碧は、レギオンの生態を説明する時にハキリアリや解剖シーンのように必ずと言っていいほど地球に現存する生物の生態を根拠に話すんですよね。こういう論理的な話し合いで異生物であるレギオンを解明していくワクワクが堪らないし、特撮映画というファンタジーにリアリティを担保しているんですよね。

 

 

 

 

 

”熱い”怪獣映画

本作のもう1つの魅力が自衛隊による軍事描写。この映画では怪獣映画でよくあるような”科学者の意見を無視して強行手段に出る”ような展開が無いんです。ガメラを敵と認識した作戦を立案したのも「ガメラを味方と想定した作戦中に敵となった場合」を警戒してのことだったりと自衛隊自衛隊なりの論理的行動をするんです。敵の正体がわからなければ作戦の立てようも無いからこそ、捜査班を手助けする立ち回りをする。そして最前線での戦いでは彼らが現場に出向くのではなく自衛隊のみで戦えるように作戦を念密に計画する。そんな論理的な展開に敵怪獣レギオンは相応しい生態を持っているんです。小型レギオンガメラに強いが自衛隊に弱い、逆にマザーレギオンには自衛隊は全く歯が立たない。この明確なパワーバランスがあるおかげで、自衛隊がただのやられ役ではなくガメラと共闘する戦力として機能しているんです。そこに終盤での師団長のあのセリフがくればもう胸熱ですよ。人々の努力とガメラの決死の勇姿がレギオンを殲滅するに至るという完璧なまでのストーリーになっている。

 

 

 

 

 

圧巻のDolby上映

と、ここまで簡単にではありますがG2の魅力を語ってきましたが、今回の記事の目玉はそんなG2がDolby Cinemaでどう進化したのか、ということ。

今回の4K Dolby Cinemaによって如実に進化したのは、総じてレギオンの描写だと思います。もちろんガメラや人間の描写も美麗になっていますが、レギオンが出るシーンの進化が凄まじい。地下鉄で小型レギオンに襲われるシーンでは、暗すぎたシーンをくっきり見やすく、しかし明るくしすぎない絶妙なバランスに調節されていたことでより恐怖を感じるシーンになっていました(ちなみに大泉洋さんもはっきり認識出来るようになりました!)。さらに仙台における日中のマザーレギオンは土埃などの描写の進化によってより一層、質感や巨大感が伝わってくるようになっていました。そして極め付けは終盤の利根川決戦シーン。ナイトバトルであるこのシーンは、小型レギオンの羽音の不快感のレベルが格段に向上し、さらにマザーレギオンの攻撃全てが夜に”映える”美麗さになっているんです。

格段に進化したレギオンの襲来を、是非映画館で堪能してください!