「SHADOW / 影武者」感想 傘×刃=アンブレラソード!!!もうそれだけで満足じゃないですか…。

「SADOW / 影武者」

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傘×刃

黒×水

陰×陽

 

厨二心にグっとくる、中国産アクション大作!!!

 

 

 

 

 

 

 

水墨画

この映画、予告からもわかる通りほとんどモノクロじゃないかってぐらい色味が無いんですよね。そして常に雨が降っている。

水と黒というなんとも親和性の悪そうな両者が合わさることで、この映画は常に水墨画のような独特の魅力溢れる絵になっていて、その絵で行われるアクションが本当に映える。まるで筆でなぞるかのようなトメ、ハネが見事。ドラマチックなシーンも、外連味たっぷりなアクションシーンも、どのシーンも額縁に納めたくなるような魅力がある。

 

 

傘×刃=アンブレラソード

そしてなんといっても、この映画最大の魅力が傘のように刃を連ねた武器であるアンブレラソード。もう名前からして、最高に厨二心をくすぐってきますが、この武器のビジュアルがツボを押さえまくりなんですよね。この武器が最初に出てくるシーンは、うっかり小さい声で(かっこいい……)と呟いてしまいました…。

そんなアンブレラソードを駆使して行われる中盤のアクションシーン。正直ここが本作の白眉だと思うんですが、このアクションシーンが外連味溢れまくってて最高。渋いバーフバリというか、とんでもアクションなのにかっこいい絵だから渋く見える、笑っていいのかわからない、けど最高なんです。しかもアンブレラソードにはギミックがついていて、柄の部分を伸ばすことで刃が飛んでいく。刃を飛ばしながら、女人のように流れるように敵の攻撃を受け流す。こんなの、好きに決まってるじゃない!!

文章で伝えるのは至難の業ですが、この厨二心を持つ人には是非観てほしい!!

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裏切り祭り

そんな本作のストーリーは、ほとんど裏切りで構成されている。序盤から騙し騙されが繰り返されるのに加えて、終盤ではもう、あいつも!こいつも!え!?お前も!?とどんどん殺されていく。なんだか笑っちゃう天丼ギャグのように繰り返される裏切り合戦は、逆にストーリーを単純化しているようにも感じました。

 

 

 

 

 

変なバランス

ただ本作唯一、しかし大きな欠点が。それは、バランスがおかしい。序盤の、ゆったりとした会話劇はかなり好きなんです。なぜなら後半に大掛かりなアクションがあるとわかっているから。そして、中盤に上記したアンブレラソードでの決戦シーンが加わり、ここで私は「あれ?ここでもうこんなスケールのアクションしちゃうの?」と、後半でもっと凄いのが見れるのか?それとも……と一抹の不安が過りました。

端的に言うと、その不安はかなり当たっていて。せっかく中盤に魅力たっぷりのアクションシーンがあったのに、終盤は背後からブスっ!背後からブスっ!しかやらない。そして何より、アンブレラソードが出てこない!!!

これならいっそ、終盤と中盤の順番を逆にしてくれたら、もっと気持ち的にも盛り上がれたのになぁ…。

 

 

 

 

最後に

あまり上映館が多くない&今週終了の映画館も多いとのことなので、是非この傘映画をお見逃しなく!!特に、厨二心を持ったそこのあなたは是非!!!