「愛がなんだ」感想!!”好きな人”と”丁度良い人”って、違うんだろうか。

 「愛がなんだ」

 

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相手にとって”丁度良い”人間になりたい。そう願うことは、”愛”なんだろうか。

逆に、相手を”丁度良い”と考えるのは、愛なんだろうか。

 

”好き”=”愛”=”付き合い”

そんな、何の意味も成さない役割の押しつけに抑圧された、全ての人の応援歌的映画だった!!!

 

 

 

 

本日のお品書き

 

 

 

 

テルちゃん

人を好きになるとき、どこで惚れますか?

顔が良いから?

正確が良いから?

趣味が合うから?

ヤりたいから?

その場の雰囲気で?

 

その理由は様々で、十人十色。けど、もちろん好きな点がある一方で嫌いな点もあるし、そこを上手く見せ合い、理解しあえる関係こそ”理想の愛”なのかもしれない。

 

じゃあもし、まるで恋愛ドラマのように、相手を100%好きになったら?どんなことも大好きで、どんな失礼なことされても大好きで、ずっとずっとその人のことしか考えられずにどんどん自分の人生まで放り出したら?

テルちゃんはまさに、ドラマのような恋愛を”してしまった”人。

マモちゃんのためならなーーんでもするし、してほしいと言われる前にしちゃう。マモちゃん視点で観るとそこが面倒くさいし、煩わしいんだけどそこに一切気づかないテルちゃんは、なんでもかんでも引き受ける。

でも恋愛は進まず、そんなフワフワした関係のまま次第にマモちゃんが自分の行動を迷惑がっていることを理解しはじめる。けど、けれど彼女はなんでもしようとしてしまう。だってそれが唯一、彼女が思いつく”彼に出来る事”だから。もっとマモちゃんにとって”丁度良い”人間になろう。”丁度良い”人間なら、もっと会ってくれるかも。連絡くれるかも。もっと思ってくれるかも。

 

そんなある日、マモちゃんにすみれさんという好きな人ができたことがわかる。すみれさんは、ガサツだし清潔感ないし、化粧も雑だし、テルちゃんはなんでこんな女のことが好きなのかわからない。

 

男ウケする顔で、男ウケしそうな”丁度良い”行動をするテルちゃん。

男ウケしなさそうな顔だけど、男ウケするすみれさん。

 

”丁度良い”女。

”楽観的な”女。

 

どっちが楽しくて、一緒にいたいと思うか。と聞かれると正直、圧倒的にすみれさん。男が、男友達との間に見せる楽観的な関係の延長線で生きてる彼女の魅力は、テルちゃんとは真逆で、そこに勝てる要素がない。

でもすみれさんは田中くんに一切興味なく、マモちゃんは負け犬のようにくやしい毎日を過ごす。山田さん経由で会っても上手くいかない。

そこで空いた隙間を、マモちゃんは山田さんで埋めようとする。そんな、客観的に見たら”最低”な行動でも、テルちゃんにとっては”最高”な時間。ヤらして?と言われたらヤるし、立たなければやめる。弱ったマモちゃんを見て、テルちゃんはつい「もうさ、私でいいじゃん」と言ってしまう。この瞬間、マモちゃんとテルちゃんが”恋愛”をする可能性は一切消える。

後日、マモちゃんからもう会わないようにしよう、と言われたテルちゃん。焦りに焦った結果、彼女が見出したのは「全然マモちゃんのこと好きじゃないし、もっと会おう」という選択。前々からもう好きじゃないよ?何勘違いしてんの?と言いつつ、風邪ひいてるのに冷蔵庫まで歩いて、お茶をマモちゃんの分まで注ぎ、持ってくる。「なんだぁ、でも良かった。丁度良い距離感で。山田さんが僕の事好きじゃなくて良かった。」と言いながら、山田さんに手渡されたお茶を飲み干すマモちゃん。

その後、マモちゃんの知り合いを紹介してもらい、2人っきりで飲みに行くことにするテルちゃん。でも、その視線の先にはマモちゃんがいる。

マモちゃんのことは大好きだけど、恋愛はもう考えられない。マモちゃんは、アイドルみたいな存在に。

”愛”がなんだ、”恋”がなんだ。そんな言葉で括れるような気持ちじゃないんだよ。大大大大大好きだけど、”愛”じゃないんだ。けど、大好きなんだ。それで良いじゃない。

 

 

 

 

丁度良い

この映画のキーワード、というか自分に思いっきり刺さったのが”丁度良い”。

私はこれまで、恋愛においても交友関係においても、”丁度良い”人間になろうと努力してきた。その結果、恋愛は長く続かないし交友関係も、広く浅く、というような感じに。”丁度良い”人間は、”ベストな”人間にはなれないんですよね。

じゃあ、どんな人間がベストになれるのか。

それは”丁度良くなりたい”と思わされる人間。顔が良いだけでも、性格が良いだけでもダメ。”丁度良くなりたい”と思える人間はモテるし、深い友情を築ける。

僕ら”丁度良い”人間たちは、そんな”ベストな”人間を時に羨ましく、時に悩みなんてないんだという目で見てるけど、それは大違いで、彼らは彼らなりに悩み、苦しみ、僕らのような簡単な答えではなく、自分なりの答えを追いかけ続けたからこそ、人から”丁度良くなりたい”と思われる人間になってる。

 

この映画を観ると、”丁度良い”人間がどうしようもなく”バカ”に見えてくる。「幸せになりたいっすね」じゃないんだよ!!俺ら”丁度良い”人間が、これまで苦しまずに簡単なほうに進んできた人間が、”幸せ”の答えまで簡単に出るはずがないんだ!!

もっと苦しみ、悩み、人と真剣に接さないと、”丁度良い”まま。もっと、本気で人と関わってみよう。そう思わされた。

 

 

 

最後に

かなり自分本位な感想になっちゃいましたが、この映画は自分の人生と見比べながら観ると、より苦しく、悲しく、でも楽しく見れちゃうと思います。

カップルで行くより、1人だったり、女の子同士で行くのが良い映画なのかも。映画館の9割は”女子”でびっくりしましたw

 

公開拡大ということで、是非映画館で観てください!!!