「未来のミライ」感想! 支離滅裂なこの映画は誰視点!?

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実は、細田守監督作は初めてでした!「サーマーウォーズ」も、「時をかける少女」も、断片的には観たことがあるんですが内容はほとんどわかっていません。
そんな細田守弱者の私が本作を観るとどうなるのか…




支離滅裂な世界観
正直、最初はびっくりしました。
犬のゆっこが擬人化するのも、未来のミライちゃんが登場するのも、それが4歳のくんちゃんの夢の話なのか、それともこれは現実の話なのか。世界観は明らかに夢の話なんです。けど、この夢はものすごく現実に影響を与えている。例えば、ひな人形が片付けられていたり。
これが細田守監督の味なのかもしれませんが、まだ慣れていない私にはかなりキツイ展開でした…。もともと、他人の見た夢の話とかって苦手なんですよね…w





くんちゃんの成長
この映画は、もちろんくんちゃんの成長を描いている。その中で、色んな人が(妄想的に)登場して、くんちゃんに何かを与えていく。そしてくんちゃんは、やっと家族における自分の役割、”お兄ちゃん”という立ち位置を見つける。よく考えると、この”お兄ちゃん(お姉ちゃん)って不思議ですよね。まだ人生経験がほとんどない子供が誰かの”先輩”になる。それも自動的に。まだ守られるのが前提で、他人を守るという選択肢がなかったくんちゃんに、突如妹を守るという使命が下される。王道ですが、こういう小さい子の成長談(クレヨンしんちゃん的な)ってやっぱりいいですよね…。
でも、言いたいことがないわけじゃない。というか、演出的に明らかに欠点があると思うんです。それは、くんちゃんが自分を「ミライちゃんのお兄ちゃん」だと宣言するシーン。これって、なんで妄想(にしか見えない)世界で描いちゃったんでしょう…。ここだけは現実(と断定できる)世界で宣言しないと、妄想で得たものが現実を変えるカタルシスに欠けると思うんです。あんなによくわからない世界を作り出さなくても、もっと単純に、もっと簡潔に、もっと現実的に描いたほうがくんちゃんの成長を感じられると思う。そういう意味では、自転車に乗るエピソードは本当に良かった。ちゃんと”遠くを見る”というコツを生かすことで妄想が現実を変えていて、くんちゃんの成長がわかりやすく見られたシーンでした。




この映画の視点
ところでこの映画、誰視点なんでしょう。パッと思いつくのは4歳児のくんちゃん視点。もし、お話上出てくる支離滅裂な設定が全て夢だったなら、4歳児のくんちゃん視点で正解だと思う。けどこの映画は明らかにそうじゃなく見せている。
現実なのか、夢なのか。もしくは本当なのか、嘘なのか。この、極端に曖昧な世界観は、未来のくんちゃん視点なんじゃないでしょうか。未来のくんちゃんは、4歳のころの経験や考えていたことを思い出し、そして自分が家族で出かけるときにズボンの色が気に入らなくてお出かけを中止にさせてしまったことを後悔していた。だから、未来のくんちゃんがズボンの色で揉めていた過去のくんちゃんに「ダッセェ…」と叱咤する。
4歳のころの自分を振り返ると、その思い出が本当だったのか、嘘の出来事なのか。それとも4歳の頃のくんちゃんが妄想していたことと混同しているのかもしれない。そんな、グチャグチャで曖昧な思い出を思い出しているからこそ、この映画は支離滅裂なんだと思うんです。
この映画は、今のくんちゃんが過去を振り返る映画だったんだ!!


最後に
正直この映画、ギャグセンスが悪すぎる。。。オニババで笑わせる展開は、1回目から全く面白くないどころかかなり引いてたのに、まさか何回もする天丼ギャグだったとは‥見ててこっちが恥ずかしくなるギャグはやめてくり~*1


*1:+_+