「DEATH STRANDING」を通して見る、小島監督作品の魅力とは(あくまで自論です)

今回はいつもの映画レビューではなく、ちょっとした番外編を。

ゲーム好きなら誰でも知ってるであろう人物、小島秀夫監督。彼の代表作としてメタルギアソリッドなどがあげられるが、そんな彼が開発中の新作こそ「DEATH STRANDING(以下デススト)」
イメージ 1

この新作について、色々な意見があげられています。その中には、「小島監督が好きだからって、このゲームは意味不明過ぎるしどこが面白そうなの?」という意見も結構見るんです。

そこで今回は、なぜ小島秀夫監督作品はここまで愛されるのか。デスストの(今現在の)魅力とは、を語りたいと思います。(あくまで自論ですが)


小島監督作といっても、様々。例えば、初代MGシリーズやMGS1、ポリスノーツスナッチャーなどは監督の”遊び心”が前面にでた作品だと思います。監督のユーモアと、ハードなストーリーの融合。このギャップが魅力だったと思うんです。
イメージ 2

しかし、監督作としての転機は、MGS2以降。MGS1などでも多少語られましたが、MGS2から本格的に監督の”好きなもの”が前面に出始めます。監督の好きなもの、つまりよりハードで社会的ストーリー性。この超硬派なストーリーが展開するシリーズとなったメタルギアソリッドシリーズは、コナミ作品でもピカイチの大作シリーズとなりました。
イメージ 3

なぜ、硬派なストーリーがユーザーにウケたのか。それは、プレイしたユーザーが感じる”リッチ感”に関係があると思うんです。硬派で社会的(気な)ストーリーを、自らがプレイする快感。他のゲームとは一味違う、考察や議論の余地のある作品をプレイできる感覚。この”リッチ感”こそ、小島秀夫作品の肝だと思う。
そして、この”リッチ感”は、ゲームをプレイしているとき以外でも感じることが出来る。ストーリーをクリアした後も、そしてプレイを始める前でも。

だからこそ、小島監督作品の新作は話題になる。いつも5分以上というかなり長い予告編が必要になる。
この長い予告編で、絶妙なバランスで謎を散りばめ、考察や議論を生ませる。これこそ、小島監督作品の”宣伝”なんです。


ではなぜ今までの作品、特にメタルギアソリッドシリーズの発売前には議論されなかった、小島監督作品の面白さについて議論されているのか。
これは、ゲーム性の前提の有無だと思う。メタルギアソリッドシリーズでは、予告編で一切プレイ映像を見せなくてもユーザーはどんなゲームかを補うことが出来た。
しかし、デスストは完全新作のため、ユーザーがゲーム性を補うことが難しい。だからこそ、ゲームとして面白そうなのかどうか、という議論が持ち上がるんです。

でも、私はこの議論さえも、小島監督の意図するもの、”宣伝”なんだと思うんです。ゲーム性すら”謎”のゲーム。ストーリーも、”謎”を盛り上げる絶妙な見せ方をしている。デスストについて、「面白そう」「なんだこれ」「ストーリー良いね!」「ストーリーわけわからん」「〇〇って、どういうことだろう」「この世界観いいなぁ」など、様々な賛否や考察を発売前からしてしまうこの流れこそ、小島監督作品の魅力なんだと私は思う。
だから、私はデスストも楽しみにしている。決して、「ゲームとして面白くなさそうなのに小島監督作だから買う」のではなく、「小島監督作の魅力を十分に引き継いでいるんだから買うしかない」んです。
逆に、もし小島秀夫監督作新作として「オンラインシューティングアクション!」のようにプレイ映像を予告に使う作品(つまり”謎”を生まない作品)なら、私は買わなかったと思います。
イメージ 4

私は、メタルギアサヴァイブは買いませんでした。今後、買おうとは思っていますが…。
私がなぜ、今まで発売前に限定版を予約してまで買っていたメタルギアシリーズを買わなかったのか。その理由は、予告編の”謎(宣伝)”の散りばめ方が好きになれなかったから。(作品自体をまだプレイしていないので、内容についての賛否は一切しません。)