MGSFN---第1章---ブリーフィング

MGS4のその後をストーリー仕立てに考察したブログです。序章が上がっていますので、読んでない方はそちらからお願いします。
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それから10年後 2028年

俺はハル・エメリッヒ博士と行動を共にしている。
彼と考えが一致したからでもあり、何より博士は母さんより父の活躍を知っている。
博士「雷電、ちょっといいかい?ブリーフィングの前に紹介したい人がいるんだ」
俺のコードネームは雷電。父から受け継いだ、光を放つことのできる者の名だ。

雷電「ああ。」
?「初めまして、あいさつの時くらいは本名で呼んでも?」
身長は160cmほどで、きれいな金髪の女性がそこに立っていた。
少し童顔のせいか、余り賢そうには見えない。それを隠すように眼鏡をかけている。

無言の雷電に構わず、彼女は本名で俺の名を呼んだ。
?「初めまして、ジョン。私はオリヴィア。
  これでも大学の研究者なのよ?
 私は大学で、今の戦争と平和論について研究しているの。ネットワークから解放された現代で、戦争という目に見えない争いをどう見つめるべきか、そして平和への道をどう探ればいいか、なんかをね。」

雷電は鬱陶しそうに答えた。
雷電「平和学者がなぜブリーフィングに?」

博士「それは僕から説明するよ。彼女は戦争の現状を見つめるため、世界中の紛争地帯を行き来している。愛国者達からの解放以来、大きな戦争は無くなったけど、職を失った兵士達による紛争が増えたからね。その取材中に、彼女はあるものを見たんだ…。」

博士の、結論をなかなか言わない話し方に少し苛立ちながら、雷電はあるものとは何かを聞く。

するとオリヴィアは写真を数枚見せた。


一見普通の廃墟だが、どことなく洗礼されたような殺気を感じる。
オリヴィア「これを見て。」
今度は映像だ。廃墟内に入っていく。一見普通の廃墟だが、奥には明らかにこの紛争地域にはあり得ないものがあった。シェイクハンドが描かれたマークが、一般人には気づかないような小ささで彫ってある、重厚な扉が現れたのだ。

雷電は、このマークに見覚えがあった。
雷電「奴らか……」

博士「ああ…『求心者達』。彼らは愛国者達の消滅によって、愛国者達の権力者集団が再結成した集団。」
オリヴィア「愛国者達は消えても、それを取り巻く権力までは消えなかったのよ。」

雷電「『愛国心を求める者達』……奴ら、父さんを……」


俺の父は10年前、人工透析のための血液が不足したことが原因で、この世を去った。それまで世界中に有り余っていた人工血液が、2016年を境に市場や医療現場から一瞬で姿を消したのだ。

人工血液の減少は、彼を殺すための策略だった。
ーーーー俺は奴らが憎い。だから博士に協力している。彼らを根絶するために。


オリヴィアの映像はまだ続いている。
廃墟から少し行ったところで、紛争地帯には相応しくない、高級そうなスーツ姿の男が4人映っていた。彼らは周りを警戒しながら、1人は何かコンピュータに向かって作業をしている。あとの3人はそれを警戒しながら話している。

男A「なぁ、おい。例の潜水艦の方はどうなったんだ?」
男B「ああ、あっちに人員が裂かれすぎて、こっちの仕事が全然片付かねぇよ…。」
男A「まぁ、あんなにバカデカい潜水艦の解体だからな。」
男B「そもそもなんだあのラシュモア山みたいな顔が彫られた悪趣味な潜水艦は…。」

男C「おい!警戒中に喋るんじゃない!」

映像はそこで途絶えてた。

オリヴィア「奴らの話だと求心者達は今、潜水艦の解体に追われてるみたいね。」
雷電「それもバカデカいな。」

博士「ラシュモア山……まさか……」
オタコンの空気が強張った。
雷電「博士、知ってるのか?」
博士「ああ。 世界の抑制から解放された船……。自由と、そしてオセロットの意志の象徴……『アウターヘイブン』……!」

オリヴィア「アウターヘイブン?」

博士「2014年の愛国者達の消滅。それはこの1隻の船によって引き起こされた。この船には、オセロットが奪取した、地球上に存在した愛国者達のAIシステム『G.W』が搭載されていたんだ……。オセロットはアウターヘイブンで、愛国者達の全てを司るAI『J.D』を核攻撃しようとした。

博士は何か計算をしている。そして大声で叫んだ。



博士「そうか!!わかったぞ!!奴らがここで何をしようとしているのか!」

雷電「!?」
博士「求心者達は元愛国者達の集団。昔、話したのを覚えているかい?ソリダスが『G.W』を占拠した理由を?」
雷電愛国者達の……リスト?」
博士「ああ!そこに記されていた幹部達は全員、100年前に死亡していた。でも幹部以外の権力者達は生きていたんだ!」

雷電「なるほど、彼らは自らの存在が気づかれてしまう前に、『G.W』、いや、アウターヘイブン自体を無き者にしようとしてるのか!!」
オリヴィア「なら早く行かないと!!」

博士はもう準備を初めていた
博士「あんなに大きな潜水艦、そうそう隠せるものじゃない。魔法でも使わない限りね。ちょっと待ってくれよ……目星は付いてる。雷電、行ってくれるかい?」
雷電「ああ、勿論だ。」

彼らを乗せた軍用機は、現地に向けて、進路を変えた。