「さらば愛しきアウトロー」感想!!!さぁ、座って。理想の人生について語り合おう。

「さらば愛しきアウトロー

ãããã°æããã¢ã¦ãã­ã¼ãã®ç»åæ¤ç´¢çµæ

 

 

人生で笑ったり、楽しんだりする意義ってなんだろう。お金をかけて旅行したり、2時間もある映画をわざわざ映画館で観たり、精密な準備にリスクを伴う銀行強盗をしたり……。

意味のないようなことにこそ、人生において意味がある。そんなことに気づかされる傑作!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジャズな雰囲気

この映画は常にジャズっぽい曲が流れていて、さらに映像の質感は70年代っぽいザラザラした印象。盛り上げ過ぎず、盛り下げ過ぎずな空気感に、テンポの良い展開。この要素が生み出す、なんとも言えないアウトロー感がまず最高。冒頭から「さぁ、これから”良い”映画が始まるよ」な雰囲気を浴びるように感じさせてくれて、さらにその雰囲気を保ったまま、どんどん1人の男の人生を追いかけていく。映画としては、大きな出来事が起こるとかはなく平坦なんだけど、彼の人生、人柄をもっともっと見たいと思いながら進んでいく。それにはもちろんロバート・レッドフォードの熱演もあるけど、それを助ける演出の数々が光る。

 

 

 

黄昏ギャング

そんなこの映画の主人公フォレストは、銀行強盗犯。だけど、彼の強盗スタイルはかなり特徴的。

銃を突き付けて銀行員を脅して素早く撤退するなんて暴力的なことはせず、常に彼は紳士的に、非暴力的に銀行強盗する。

笑顔で銀行に入り、笑顔で支店長に「資金の融資をお願いしたいんだ」と話し始めて、「どんな事業です?」と聞かれると「あぁ……これだ(カチャ)」

この一連の流れが見事過ぎる。彼の武器は、銃でも怒号でもなく、紳士的な魅力。だから彼に強盗された行員は口をそろえて「彼は良い人だ」と言ってしまうほど。強盗されたのにそんなアホな……と思うような展開だけど、これが本当に自分でも言ってしまいそうなぐらい、彼は紳士で素敵。

 

 

 

デート

紳士なフォレストは、デート中でも健在

彼女の気持ちを聞き出すために、冗談まがいに「私は銀行強盗だ。強盗する時は、銃を見せて行員に「あなたを愛してる。君はどうする?」って聞くんだ。」と言ったり。

フォレストが彼女を家まで送って、去り際に思い立ったかのように振り返ってキス。そして、彼が車に乗り込むと、ブレーキランプで赤く光る彼女の顔がまさに惚の字。

宝石店でデート中、試着させてもらったブレスレットをそのまま持ち去ろうとする2人。だけどやっぱり店に戻ってちゃんと買ってプレゼント。

どのデートシーンも、最高にムーディで可愛くてカッコよくて…。イチャイチャするんじゃなくて、ゆったりと近寄る感じ。特に宝石店のシーンは、悪いことをシーンしようとするワクワクとドキドキを楽しむジュエルと、盗んでも買っても幸せなフォレストの表情の変化がまさに名演。気持ちの変化が常に表情からわかるし、言葉では言わないクールさ。

f:id:FalkenBlog:20190724015201p:plain

 

 

刑事

一方で、黄昏ギャングにとってもう1人のデート相手がジョン・ハント刑事。彼とフォレストの関係は、ルパンと銭形みたいな関係で、お互いがお互いを必要としてるし、尊敬してる。

テレビの取材で「絶対逮捕してみせる!」と意気込むジョンハントを観てフォレストはリスクの高い強盗を鼓舞され、逆にトイレで諦めかけてたジョンに「君は有能だなぁ」と皮肉たっぷりに言い放つことでジョンを鼓舞する。

こういう、お互いが追いかけ合って離れ合ってしている関係が本当に良い。お互いが認め合っているし、多分フォレストはこういう関係だった刑事が何人もいたんだろうなぁとも思わせてくれる。強盗だけじゃなくて、それを追いかけてくる人もいるからこそ、フォレストは”楽しい”人生を送れる。

 

 

 

 

カッコよさ

そんなフォレストはやっぱりカッコイイ。紳士的だったり好奇心旺盛な態度もあるけど、共通してるのは”人を幸せな気持ちに出来る”からだと思う。若さとか、体格とか、性格の良さではなくて、彼は笑顔で紳士的にどんな人とも接して、常に話し相手を尊重している。かと思えば、好奇心旺盛に強盗から恋からしてみる。日本人にとって紳士的な対応ってピンとこない部分もあるけど、紳士的とは他人を幸せな気持ちにする対応だと、フォレストを見てるとわかってくるし、何よりそれが1番”カッコイイ”んだとわからせてくれる。

ãããã°æããã¢ã¦ãã­ã¼ãã®ç»åæ¤ç´¢çµæ

 

 

 

人生で大切なこと

フォレストは常に”楽”よりも”楽しい”を追求している。人生において、どっちを選択するかは重要だけど、リスクやしんどさが違う。けど彼は、常に”楽しい”を選択する。

彼は、HappyとSmileの2つを大切にすることで、人生を実りあるものにし続けている。

そんな彼が劇中、「子供の自分が見て理想通りだと思えるなら、それは良い人生だ」と語る。子供のころの、純粋で好奇心旺盛なころに夢見た自分になりたい。それを追求するのって、とっても難しいと思う。けど、それを追い求めるからこそ、彼の人生はこんなにも楽しそうだし幸せそうに見える。人生において大切なのは、そんな自分を追い求められる忍耐力なのかもしれません。

 

 

最後に

自分でもびっくりするけど、フォレスト・タッカーという1人の男の話だけで感想を書き終えてしまいましたw

でも、それぐらいこの映画は彼の人生がどれほどアウトローで、どれほどカッコよくて、どれほど幸せだったのかを教えてくれる傑作でした。鑑賞後には人生について、明るい気持ちで考えたくなりますので、是非映画館でこの”カッコイイ”映画を!!