MGSFN---第3章--- 「死への意志」 序章
※このブログはMGS4の、その後をストーリー仕立てで考察するものです。第1章を上げているのでまだ見てない方はそちらからお願いします。
MGSのネタバレを含むので、ご了承ください。
MGSファンの方の意見や感想が聞きたいので、出来ればコメントお願いします!
遂に第3章!物語は佳境へ!! |
リンクスが帰投した。僕は彼が勝手にヴァジリスクを動かしたことに腹を立てていた。
それにあの兵器の搭載についても…。
ヴァジリスクはまだ、試作段階で整備がまだ終わってないんだ。今壊されては困る。僕の復讐心は、ここで終わる訳にはいかない…。
帰投したリンクスに会う為、僕は彼の部屋に向かった。
すると、彼の部屋に1人の女が入っていくのが見えた。髪は白く短い。それに赤いロングコートを着ている…。
そんなはずない…彼女は死んだ…。ママルの中で、自殺したはずだ!
パニックを起こして、僕の体は震え始める。そんなはずない。そんなはずない。嘘だ。嘘だ!
部屋の扉が閉まると、扉に耳をあてた。すると2人の会話が微かに聞こえてきた。
女「ママルは東南アジアにある。探すのはあなた達よ?そういう契約でしょ?」
リンクス「…ああ、だが本当にそれには、あのザ・ボスの意志が宿っているのか?もう何十年も前の代物なんだろう?」
女「あれは人の意志をデータ化した、初めての装置よ。データは修復できる。損傷が激しくなければね。ママルの装甲は核シェルター並みなの。誰も傷つけられないわ。」
リンクス「ザ・ボスは伝説の傭兵の師匠だ。だが彼女は、そのビッグボスに殺された。彼女は何を考え、そして彼は何を考えたのか、それがわかれば、俺の意志は完成する。俺はビッグボスと一体になれる…。」
女「捜索状況は、随時私に知らせて。じゃあ、よろしく。」
リンクス「待て、近頃、我々を追っている奴らがいる。お前も気を付けろよ。」
女「追ってきてる?誰なの?」
リンクス「フン…お前が知るべき情報じゃない。」
女「秘密が多い男は嫌われるわよ?まぁいいわ。」
そして女は、扉を開けた。間一髪、僕は隠れられた。
そして僕はもう1度、勇気を振り絞ってその女の姿を見た。
よく見ると、背格好はあの頃の彼女より若若しく、まだ20歳前後に見える。彼女じゃない…?
そう頭では気づいていたが、僕の体は、未だに震えが止まらなかった。
博士「雷電、メリル達の作戦も終了したようだ。アレックス達と一緒に帰投してくれ。」
雷電「了解。」
アレックスは、博士の待つ空港までの移動手段としてヘリを用意していた。
アレックス「雷電!早くしろ!置いていくぞ!」
雷電「ああ、今行く。」
雷電は小走りでヘリに駆け寄り、乗り込んだ。
空港に帰ると、もうメリル達は帰投していた。
アレックス「隊長!ご無事でしたか!」
メリル「そっちこそ、よく生き延びたわね。信頼して良かったわ。」
博士「みんな、ちょっと来てくれ。ブリーフィングを始める。」
空港にいる全員が、並べられたパイプ椅子に座った。
博士「まずはメリル達、アジアの方にはこれがあった。」
スクリーンに映し出されたのは、上部にハチの巣のように無数に穴が開いた、巨大な筒状の建物(?)だ。斜め上を向いたそれは、今までに見たことがない、何にも例えることの出来ない異様さがあった。
博士「これがなんなのかはわからない。でもただの建造物ではないのは確かだ。どんな兵器なのか、それとも何かの装備なのか…。
そして雷電、君達はリンクス、そしてこれを見つけた。」
スクリーンは切り替わり、ヴァジリスクを目撃した時の雷電の目線での映像が映し出された。
メリル「これが…まるで人間ね…。REXと大違い。」
博士「ああ、REXが鳥類とするなら、ヴァジリスクは霊長類だ。進化の過程が違い過ぎる。これもまだ、搭載されている装備も装甲もわからない。」
全員が沈黙した。リンクスは世界を敵に回すと言っていた。一刻も早く、奴を止める必要がある。だが奴の行き先は、誰にもわからなかった。
すると、雷電に無線が入った。声は遠く、音も小さい。しかし聞き覚えがある声だった。ガデューカだ。
雷電は博士に目配せすると、博士はマウスをクリックした。するとガデューカの声は、機内のスピーカーから聞こえだした。
ガデューカ「雷電、俺はあの後、ヴァジリスクを追跡した。俺がいるのはリンクスの最後の砦だ。座標は送ってある。
奴に終止符を打つには、お前の力が必要だ。」
雷電「ああ、俺は奴を殺す。父を殺した時のように、少しずつ蝕んで殺してやる。」
ガデューカ「…雷電。いいか?俺は奴に作られた。だから俺の意志が、本当に自分自身の意志なのか、それとも作られた意志なのかはわからない。
だがな、雷電、お前は自らで判断することができる。お前の判断こそが、お前自身の意志なんだ。いいか、復讐に呑まれるな。お前の意志で、奴と決着をつけるんだ。お前が判断するなら、俺に協力してくれ。」
無線が終了すると、座標の情報が届いた。その場所は、東南アジアの、南シナ海に面したマレーシア海岸に位置していた。
博士「雷電、ガデューカの言う通りだ、君はまだ、生き方を選べる。復讐は、何も生まない。」
雷電「…俺は自分の意志でここにいる。そしてこれからも、俺はそれを貫く。博士、準備してくれ。出発だ。」
博士「わかったよ。雷電。行こう、僕もやっと、意志を貫けそうだ。」
博士は深呼吸した。
オリヴィア「わかったわ。」
オリヴィア「雷電、私は最近まで、復讐なんて縁がない言葉だった。でもメリルさんから話を聞いて、初めて復讐心という感情を知ったわ。でも私は呑まれなかった。
雷電、私にも出来たの。あなたにも出来るはず…頑張ってね。」
雷電は、小さく頷いた。
メリル「私達は、なんとか他の反乱軍と手を組めないか交渉してみる。あの機械が動き出したら、私達の戦力では圧倒的に足りないから…。
奴らに歯向かおうとする反乱軍は、世界各国にあるの。でもそれぞれ、規範もモラルも違う。難しい交渉になるのは確実だわ。だからしばらくは、私は協力出来ない。」
雷電「ああ、頼んだ。こっちは俺に任せてくれ。」
雷電「ああ、奴らを止めよう。それが俺の意志だ。俺はそれを貫く。これは復讐じゃない、俺の意志だ。」
雷電は、ヘリに乗り込んだ。