「アクアマン」感想!!!!アクション映画の面白さを追求した快作!!いや、海作!!!

「アクアマン」(IMAXレーザー3D/字幕)
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次第に盛り上がってきた、DCEU(DCFU)。そして遂に放たれる、最高傑作!!!!!




本日のお品書き
・DCEU
・新三大アクアマンの魅力
・世界観
・アクション
・キャラクター
・最後に



DCEU
好調な滑り出しからスタートしたMCUと異なり、苦節5作品、酸いも甘いも経験したこのシリーズ。3作目「スーサイドスクワッド」の時は、正直もうこのシリーズとはお別れなんじゃないかとも思ったぐらい。MCUが全体的に面白い良作が多いなら、DCEUはかなり作品ごとに波があるんですよね。例えば、「バットマンVSスーパーマン」ならラストバトルの流れは最高だけどそこまでの過程は言いたいことがあったり、逆に「ジャスティスリーグ」は中盤まで物凄く面白いのに終盤でぶっ壊れたり。
そんな中で、4作目「ワンダーウーマン」はやっと、かなりの高評価をたたき出した。単純にエンタメ方向に振ったのも良かったけど、このヒットはかなりMCUの「ブラックパンサー」と通じるところがあると思うんです。時代が作るべき映画というか。女性がヒーローだったり、黒人がヒーローだったり。そんな、時代を踏まえた映画だったから、あそこまでの高評価だったんだと思う。「ワンダーウーマン」は同様に、中盤まで最高だけど終盤は尻込みしていたように感じたけど、それを時代という意識がカバーしていた。だから、傑作と言われた。

そしてついに公開した「アクアマン」。女性主人公でもなければ、貴種流離譚という古典的で差別問題にもほとんど触れていない。公開前は、「ワンダーウーマン」の時代的な傑作性を全く意識していない本作に不安を覚えた人もいたと思うし、私もそうでした…。
ですが、結論から言えば、そんな不安は吹っ飛ぶ大傑作。今後のDCEUが、スーパーマン役のヘンリーカヴィル、バットマン役のベンアフレックの降板や「サイボーグ」「グリーンランタン」の単独作が不明だったりと不安が多い中、それでも”アクアマン”彼がいるならDCに付いて行きたい!!!と思うほど!!!!






新三大アクアマンの魅力
この映画の魅力は、大きく分けて3つ。1つ目は世界観(IMAX補正アリ)。2つ目はアクション。そして3つ目はキャラクター。どれもこの映画を語るには外せないポイントなんですが、そのどれもが”アクション映画”を構成する要素にのみ使われている。無駄なことは一切しない。ただただ、”アクション映画”を面白くしたい。そんな気合がもうビンビンに伝わってくる。





世界観
まず注目したいのが、明るく綺麗に映し出される水中ですよ。深海だけど暗すぎずに、明るい青一色な揺らめく映像は、まさに観光ガイドの海!ってほど綺麗。そして、そこに存在する海中都市が魅力的。まぁ、ここに関してはかなりIMAX補正が掛かっていると思うんですが、こういう、絵1発で世界観を分からせてしまうぐらいパワーのある映像があるおかげで、過多に説明することなくすんなり水中世界に馴染めてしまう。決闘のシーンでは、タコが太鼓をたたいていたり、矛がぶつかり合ったりすると、波が揺らめく。これが、よく漫画とかである、衝撃波の演出に近いんです。実写映画でああいう、強いものと強いものがぶつかり合ったときの衝撃を可視化されると興ざめするけど、水中という設定が1つ付くだけでそれがアリになってしまうし、それがアクション映画にとって物凄くプラスになってる。こういう風に、水中、そして陸上という世界観の活かし方が、上手い!!!






アクション
本作の最大にして最高の魅力がアクション。2時間半という長尺のうち、ほとんどがアクション。でも、どれも飽きない。冒頭、海賊に襲われた潜水艦に、アクアマンが登場し、敵を一掃してドヤァ。もう観客はこの時点で”アクアマンさいきょう!”としか考えられないぐらいに、知能指数は低いけど底なしにド直球なシークエンス。
次にアトランティスでの闘い。ここは、上記したとおり水中で戦うというのを最大限活かすことで、この映画ならではの楽しみ方を見せてくれると共に、リアル思考というか、そういう”アクション映画”を観るのに不要な思考を完全に振り払ってもくれる。
そして砂漠を通って次の目的地であるシチリアシチリアでは、アーサー&メラにアトランティス兵&ブラックマンタが襲い掛かる。このシチリアでの戦闘は、本作でも随一に楽しい。メラが敵兵に追われて屋根伝いに逃げていると、そこからカメラがグーーーーっと離れて、アーサーとブラックマンタが殴り合ってる場所を映し、そこで教会の鐘が吹っ飛ぶ。そしてまた、メラにカメラが戻ると、敵兵の1人が民家の壁をぶち抜いて追いかけてくる。その小窓には、遠くにアーサーとブラックマンタが。こういう風に、2人がどういう状況で、どこにいるのかがシームレスにわかる。距離感から危機感まで伝わってくるから、ゴチャゴチャせずに見やすい。アーサー側の街中を使った豪快アクションも見どころだけど、ここではメラが大活躍。まず、メラを追いかけて壁をぶち破りまくる敵兵はまさしく「ヴァレリアン」のあの超楽しいシーンだし、そこで屋根伝いに爆発を尻目に逃げるメラのシーンはゲーム「アンチャーテッド」のような迫力のチェイスシーンだし、そしてもう駄目だ!!と追い込まれてからの、そこが実はワインセラーでニヤリ。もう、セリフなんていらずにここは観客もニヤリとしてしまう。水があればこっちのもんだ!!!

そして、色々経て伝説のトライデントを入手するアーサー。ここの、ドヤ感が半端ない。”これなら勝てる!”じゃなくて”勝ったな!!”というような、もう勝ち負けは気にならなくなるドヤ感。そこから、ラストバトルでは真の力を手に入れたアーサーに、これまで敵として登場した水中生物たちがひれ伏し、彼の勇姿を援護する。ここ、もう絵面で”海の王”だと分からせてくれる。もう散々言われてるかもしれないけど、ここが最も、貴種流離譚の最高傑作「バーフバリ」に通じる面白さだと思う。海を従える真の王と、操ることしかできない偽の王。この対比が面白い。






キャラクター
そんなアクションを彩るのは、魅力的なキャラクターたち。アーサーの父親、母親から、王女メラや従者バルコ。そして敵役のオームにブラックマンタ。どの人物も、ものすっごく魅力的だし、何より本作のヒーローであるアーサーを邪魔しない。いや、もちろんストーリー的に襲ってきたりはするんだけど、キャラが被っていたり、変に同じ路線でアーサーより目立ったりなんてしない。だから、どんなに魅力的でもアーサーを引き立てる要素になる。
中でも気になるのはブラックマンタ。彼だけは、正直カッコよすぎる。ビジュアルの武骨感や、めちゃくちゃ自分勝手な復讐に燃える姿。この、純粋な”敵”な感じが、最高に良い…。今のアイアンマンにない魅力というか、「パシフィックリム」のチェルノアルファみたいな魅力というか。言葉にしがたい、カッコよさなんですよね。ダサかっこいいなんて言う人いるけど、”ダサ”を付ける必要なく”カッコイイ”んだよ!!!!!!
まぁ、そんなブラックマンタは、正直本作の宿敵オームよりキャラが立ってる。そりゃ、続編で出てきそうな雰囲気まで漂わせてるんだしある程度の魅力は必要だと思うけど、彼との戦闘シーンであるシチリアのシーンが至高すぎて、終盤のオームとの決闘がかすんでしまう。溢れ出る魅力を抑えきれなかった結果だけど、ここは続編でオームとアーサーの共闘という展開が後付けされることで再評価されそうな気がする…w






最後に
”アクション映画”に必要なものをテンコ盛りに、それに不必要な要素を極力排除し、でもちゃんとお話全体の意味、意義は見失わせない大傑作でした。一見頭悪そうな”アクション映画”だけど、そう見せるために物凄く頭を使っている作品なので、是非映画館で!!!観ないとまじで損するよ!!