「マスカレード・ホテル」感想!!刑事とは、ホテルマンとは、そして映画とは。

「マスカレード・ホテル」
イメージ 1


超一流ホテル、豪華俳優が彩るドタバタ推理&お仕事活劇!!

本日のお品書き
・刑事:新田と連続殺人事件
・ホテルマン:山岸とフロント業務
・ここまで書いたけども
・最後に、予告について(※かなりどうでもいいですw)





ミステリーです。ネタバレにはご注意下さいませ。









刑事:新田と連続殺人事件
この映画、事件の真相がかなり好みでした!連続殺人事件と思わせて、実は単独殺人事件だった、という梯子を外された、ミスリードする展開が良い。一方で、これは本当に個人的な理由なんですけど日本のミステリーものってどうにも苦手なんです。なぜかって、名前が覚えられない!日本人の名前って、リズムが似てるんですよね。大体が漢字2文字。だから、顔と名前が一緒に出てくる人は覚えられるけど、本作みたいに顔がほとんど出てこずに名前だけ出てくるようなキャラクターが本当に覚えられない。しかも本作は、1度出てきた名前はもう当たり前のようにバンバン登場するので「ああ、待って。この人がこれってことは…って、違う人出てきた!あの人って確か…」とずっと、名前を類推する作業になってしまう。しかも中盤で、上記したようにミスリードまでしちゃうのでもう、誰がこの事件に関わっていたのかもあやふやになってくる。ちゃんと付いていけてても「あれ?これ合ってる…よね?」と不安になったりして、じっくり楽しめないんですよね…。これ、小説だとめちゃくちゃ面白いんだろうな、と思いました。じっくり、ゆっくり読み進めるから自然に人物を類推できるし、それがミスリードしていく楽しさを存分に楽しめると思う。せっかく、ミステリーのお話として面白いしちゃんとその面白さは引き継いでいるんだから、もっと映画用にアレンジをして欲しかった。小説と違って絵でキャラクターを見せられるのに。
あと、連続殺人事件と思わせて2つの単独殺人をやり遂げるっていう真相は、もうちょっと理由付けが必要な気もしました。次回の犯行現場を予告するんじゃなくて(それも素人が見てもわかりそうな数字列じゃなく)、殺す対象の職業を予告するみたいに。完璧主義ってだけの理由付けでは、じゃあこんなに警戒されるのは予想できなかったの?となってしまうし。
そして刑事である新田。いやぁ、なんでキムタクの演技って好きなんだろう…。ふてぶてしさが良いというか、なんというか。この豪華俳優陣で主役を張るならキムタクだな、と納得のキャスティング。新田のホテルマンとしての成長も面白かったし、それがしっかり事件に関わっていてお見事!だったけど、あの元教育実習生の話、あれは必要だった…?かなり長い尺のわりに、あの話の面白さってどうにもホテルマン×キムタクのドタバタ劇ってだけで、いまいち事件とは関わっていないんですよね。新田の成長っていうのは本来、大筋の連続殺人事件のサブストーリーなんだから、それだけのための話は要らなかったんじゃないかなぁ。
あと小日向文世演じる能勢の、怪しい感じは良かった!この映画、バディものとしてかなり面白かったけど、こういう昔は俺達もブイブイ言わせてたんだぜ的な旧バディものとしても面白い。(…旧バディものってなんだ?w)






テルマン:山岸とフロント業務
テルマンものって色々ありますけど、やっぱり私が好きなのは「フォー・ルームス」!!年末、1人でホテルを任されることになった新人ベルボーイが、4部屋の超個性的宿泊客に振り回されながらなんとかホテル業務を行う。
「マスカレード・ホテル」は、ここまでドタバタではないけどちゃんと個性的なお客様が出てきて、それに振り回される面白さに溢れた。1つ1つの短編が面白いし、何よりホテルに泊まりたくなるような、ホテルってなんでワクワクするんだろう、なんで高いお金を払って泊まるんだろう。そんなホテルという施設の根本を考えさせるようなお話で良かった。(「フォールームス」ではホテルに泊まりたいと全く思わなかったしねw)
ただ、短編が集まったような形になっているこのホテル業務がかなりこの映画をテレビのドラマっぽくしてしまっているのも事実。どのお話も、フロントでトラブルがあって、それを解決しようとしたら、実はお客様に秘密があって、なんやかんやで一件落着、最後にはお客様は笑顔で帰られました。…この連続やないか!!しかも、最後のお客様が帰るところなんかはフロントで新田と山岸にお客様が何か弁解をして帰っていく、そこで流れる音楽までもう一緒。毎週続くドラマじゃなくて、2時間ぶっ続けで観る映画なのに、何回も同じ演出を繰り返されると、正直飽きてくる。
そして、長澤まさみ演じるホテルマンの山岸。いやね、この長澤まさみ、めちゃくちゃ良いよね。役者っぽい満面のスマイルじゃなく、営業スマイルが似合うというか、「いらっしゃいませ」が似合う。キムタクとのドタバタ演技も普通に面白いかったし、ちゃんとホテルマンが楽しそうに見えてくるのが良かったなぁ。






ここまで書いたけども
結構長文で書いてきたけど、正直この映画の感想を書くの、かなりキツい…。本作を観たのは1月31日なので数日空いてから書いているんですが、もうほとんど印象がない。印象に残ってるシーンもないし、この真相って半年後には忘れてそう。この映画、引っかかりが無さすぎるんですよね。キムタクもいつものキムタクだし、長澤まさみもいつもの長澤まさみだし、他の豪華俳優陣も、いつもの演技をしている。真木よう子でさえも、真相が分かってからはいつもの真木よう子に見えちゃう。ストーリーも、短編が連なって最後に真相が明らかになるのは良いけど、そのせいで大きな展開、印象に残るような展開が無いから見やすいけど、印象には残らない。さらっと見るには良いかもしれないけど、1800円払って、じっくり2時間、椅子に座って観たのにこの印象の薄さは、なんだかなぁ…という気持ちになったり。
テレビの特番とかでやったらもっと盛り上がっただろうし、フジテレビさん!!!これを映画でやるなら是非!!是非、名探偵勝呂武尊シリーズ(アガサクリスティー×三谷幸喜)を映画シリーズでやってくださいよ!!!!そしてDVDをもうちょっと生産してくださいお願いします・・・。
イメージ 2







最後に、予告について(※かなりどうでもいいですw)
これ、気づいた人いるかもしれないけど「マスカレードホテル」の予告に使われてるBGM、「去年の冬、君と別れ」の予告と同じじゃない?いや、だからなんだって言われたらそれまでなんだけど、もう気づいちゃったらどこかに書いておきたいんです!!!
「マスカレードホテル」予告→https://www.youtube.com/watch?v=SVEvPyOrCeI
「去年の冬、君と別れ」予告→https://www.youtube.com/watch?v=OUHgZU-d7Lc